【徹底考察】英語教育の大変革で、日本人は英語が”使える”ようになるのか?

2020年、日本の小学校・中学校英語教育の骨格でもある、文部科学省の英語学習新指導要領が大きく変わりました。長く続いた日本の英語教育に大きなメスを入れ、より高いコミュニケーションが可能となる英語教育を目指していく今回の大改革。

教育現場では、指導要領の刷新に対応するべく様々な施策を講じて子供たちの学習をサポートしているし、皆さんのお子様もその渦中にあるのではないでしょうか?

今回は、新しい新指導要領で日本の英語教育がどのように変わっていくのかを紐解き、その効果がどうなっていくのかを徹底的に分析していこうと思います。

日本の英語教育が大きく変わろうとしている

2020年8月24日現在、文部科学省が公式のHPで公示している新指導要領をまとめると以下のような変化が起こります。

小学校

  1. 小学校3年生から4年生に対して外国語活動(英語)を盛り込む
  2. 小学校5年生から6年生に対して教科としての英語を付与する
  3. 話す事によりフォーカスしていく

一言でいえば、3年生から英語に沢山触れて、”話す”事にもフォーカスしていきましょうという事です。

これは、今までの日本の英語の教育を振り返ると大きな変化です。

小学校では英語の教科はなく、筆記体の書き方やローマ字の書き方程度を覚えて中学生よりThis is a penのような文法理解をしていくのが昔のやり方だったと思いますが、このやり方で伸び悩んでいる日本人の「話す」「書く」等の能力を改善していこうといった趣旨の改革です。

知人のお子様がちょうど小学校4年生という事で、少し話を聞いてみた所、授業では、日本の先生と一緒にALT(外国語指導助手)が一緒に外国語活動を担当しているようで、この指導助手とゲームやクイズを通じて、英語学習を進めて行くようです。

小学3年生~4年生は教科としての英語というよりは、来たる5年生からの本格学習に備える準備のような位置づけに見えます。

小学生の学習指導要領を踏まえると5年生からは、英語の能力を測るテストとして、

  1. 単語の理解
  2. ALTと、簡単な意思疎通 (英語面接)
  3. リスニング等のテスト

といったテストが増えてくると予想しています。特に、今までの教育課程を踏襲する事では達成する事が出来ない英語のコミュニケーション能力を測る方法として、2番が導入されていく学校は増えていくのではないでしょうか。通常のペーパーベースの試験ではこういったコミュニケーション能力を計測する事は非常に困難で、ALTが在籍する学校から徐々に浸透していく気がしますね。

中学校

中学校は、かねてから英語の教科があったし、実際私が中学生の頃は、this is a penから始まる文法と単語の理解を学習していた記憶がありますが、中学校の学習指導要領改訂資料を見てみると、以下のように表記があります。

外国語科の目標は、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの資質・能力を明確にした上で、①各学校段階の学びを接続させると共に、②外国語を使って何が出来るようになるか」を明確にするという観点から、改善・充実を図っている。

中学校では、高校への学びの前の準備段階として、思考力や判断力を養っていく課程として運用していくということ。

今までの英語教科に付随して、「書く」「話す」等の日本人が弱点意識のある部分に時間を使って行くという方針だ。

補足
とはいえ、英語学習における”文法”は適切な読解や理解をするうえで無視できるものではないので、 今までの英語教科の中に「書く」「話す」といった学習要素を織り交ぜて展開していくと思っています。

英語の教育は、このようにして大きく変わって行こうとしているのです。ですが、ALT(英語指導助手)の浸透率は地方によってもばらつきがある事から、学校ごとの対応は多少の前後はどうしても出てきてしまう。

今までの英語教育の結果

今までは英文法の授業が中心で、英語教育=受験対策という構図が強かった。実際に私は1996年~2002年で小学生で、2003年~2005年の間が中学生だった。

振り返れば、小学生の時は、英語教育なんてなかったし、中学生になって初めてローマ字を書いたり文法を学習し始めたりしました。

そういった学習様式は30代~40代の方もそうであったかと思いますが、その結果として日本の英語力が世界的にはどれくらいのレベルであるのかを統計などを見てみようと思います。

EFという世界的な英語教育機関が毎年行っている非英語圏の国の英語力診断指数調査でも日本の順位は49位と先進国としてはかなり低い。

EF英語能力指数(参照)

また、日本の中でも浸透率の高いTOEICの平均点を調べてみると、日本の順位が世界的に見てもまだまだ低いことがわかります。

ETS TOEIC 2018 Report on Test Takers Wordlwide 参照

日本は、TOEICの平均点が520点。
カナダや、ドイツ、フィリピンといった様々な国々がTOEICの平均点で日本より上位です。

勿論、TOEICで英語の能力が全て測れる。という風に考える事はありませんが、数的結果として日本の英語教育の結果がこのように表れているのは事実でもあります。

「使えない英語をいくら学んでも意味がない」ということで、日本政府もこれからは英語教育内容を改め「話す」「聞く」「読む」「書く」の4技能を鍛え、使える英語を身につけさせることを目指す教育スタイルに変えていこうとなったわけです。

新しい英語教育で、日本人は英語を手にする事が出来るのだろうか?

今後、日本の英語教育は「高等学校卒業時に、生涯にわたり4技能を積極的に使えるようになる英語力を身に付けることを目指す。」という目標のもとで動いていくことになります。

その新しい新指導要領は、これから順次各学校に浸透されていくので、その効果測定はまだ数年先の事になるでしょう。

なので、ここからは、私の経験や今までの経歴を踏まえて個人的な意見を書いて行こうと思います。

結論

新しい新指導要領で、日本人の英語総合力は、底上げされていくと考えています。

勿論様々な要素があってそう考えたので、その考察内容を紐解いていきたいと思います。

小学校の授業の変化

前述しましたが、小学校では今後より多くの時間と教員を使って英語指導に当たっていきます。

主な方法論として、

  1. 小学校3年生から4年生に対して外国語活動(英語)を盛り込む
  2. 小学校5年生から6年生に対して教科としての英語を付与する
  3. 話す事によりフォーカスしていく

これらがありました。

私は、英語学習は時間をどれだけ投下するかが大事な要素だと考えています。

小学校3年生から英語活動を導入する事によって、英語学習の在り方の是非を問うニュースやコメンテーターの意見などが親御さんを不安にしてしまっていると思います。今のやり方で本当に英語は身につくのかと。ですが、単純に英語に投下する時間が増えていくので、昔の「しゃべれない日本人」「書けない日本人」から脱却していく子供たちは確実に増えていくと考えます。

とはいえ、学校の英語教育一本で英語能力がばっちり身につくかというとそうでもないです。

なぜなら、英語の習得には恐ろしく時間がかかるものだし、どのやり方があっているかは個人差がかなりあると思うからです。私の場合は、フィリピンに2カ月の留学を経てその後現地に4年程滞在しました。その過程で英語を習得しましたが、今振り返るとこのやり方が合っていたように思います。

また、学校の英語教育はどうしてもクラス形式で展開しなければいけない為、相対的に1人辺りの喋る時間は減って行ってしまいます。4技能の全てにおいて重要度が高いと考えますが、自習や独学でカバーしきれない所があるとすればスピーキングです。このスピーキングは、学校の英語教育に任せるだけではなくて、ご自身の家庭でやり方を考えてみたり、スクールに通ってみたりして、話す総量を増やす事をお勧めします。

弊社では、IELTSという資格試験に特化したオンライン学習サービスを展開していますが、IELTSの試験の特筆上、授業は4技能全てをカバーできる形式になっているだけでなく、1人の講師が専属で学生の学習サポートをしています。

中学校の授業の変化

中学校の英語の授業の一番大きな変化は、授業が全て英語で行われるようになる(=オールイングリッシュ)ということでしょう。

英語を「聞く」「話す」というアウトプットの授業もより増えていくと予想されます。

但し
とはいえ、オールイングリッシュで100%授業が展開されるかというと、勿論そんなことはあり得ません。 特に、英語の文法理解は母語で実施した方が効率が良く、暗記術や学習進捗などで英語よりも早く意思疎通できる時は沢山あるからです。ですが、「話す」「聞く」等の対話訓練の時間においてはオールイングリッシュが導入されることは大いにあり得ます

学生は授業内容を英語で理解する必要がありますので難易度は一気に上がります。この辺りからも実践力を養うことをベースにした教育法に大きく舵をとったことが分かりますね。

中学校1年生で英語の授業に躓いてしまうと、そのあともなかなか英語嫌いを克服できるようにならないかもしれません。

このサイトでは、文法に関してまとめた記事もありますので、文法の復習を兼ねて是非ご覧ください。

文法一覧ページに行く

中学3年生になると高校受験を迎える人もいるでしょうから、できるだけ早い段階で英語でのやり取りに慣れておく必要性がありそうです。

限られた学校の授業でだけでは限界がありますから、それ以外の対策を講じる必要もありそうです。

改めて、新しい指導要領によって、日本の英語教育が好転するのかどうかという結論に関しては、

する。4技能は伸びていく。各家庭での努力次第では英語の到達度はより高くなる。という事でした。

では、各家庭でどのような対策を講じるべき?

今までは「英語のテストの点数が高い=英語ができる」という成績ベースの判断をしがちでした。日本の学校のテストというのは英語の実践力を問うものではなく、文法の理解や語彙数など記憶力を指標とするものだったのです。

しかし、これからは使える英語(この記事で言う所の話す・書く等のスキル)をいかに身につけるかがポイントになります。

英会話スクールに通ったり、オンライン英会話で英会話の練習をする事は、決して悪くはありませんが、英会話レッスンの身で成長できるレベルには限度があるのです。テンプレート(定型文)を覚えて旅行先のレストランやショップなどで簡単な注文をできるようにはなるかもしれませんが「相手の言っていることを正しく理解し、自分の意見を英語で正しく伝え、円滑にコミュニケーションをとる」というスキルには到底至りません。

では、どうしたらそのレベルまで至るのか。次の3つが重要なポイントです。

  1. 英文法の活用法を学び実践トレーニングを積むこと
  2. 英語の語彙数を増やし、活用法も学び、トレーニングを積むこと
  3. 正しい発音を身につけしっかりと英語が伝わるようにすること

これらの要素は、日本の英語教育でもどんどん導入されていく部分だと思います。これらは、音読リーディングを中心とした学習を行うことで、積み上げていくことが出来ます。音読リーディングによって英文法がどのように文中で使われるのかを内容を理解しながら学んでいくことができます。また、読むたびに分からない単語や似たような意味を持つ単語に出会うので語彙数は自然に増えますし、それをどのように活用するのかも学べます。

また音読にすることで正しい発音で英語を話すトレーニングにもなります。

日本の英語教育 – まとめ

いかがでしたか?

2020年以降日本の英語教育がどのように変わるのかお分かりいただけたと思います。

グローバル社会という言葉を聞いても今まではぴんと来なかった人も多いと思いますが、現在は訪日外国人旅行者数の増加や外国人労働者の増加により、目に見えて外国人が増えたのでグローバル化の波を肌で感じる人も増えたでしょう。

労働環境においても、少子高齢化により企業は慢性的な人手不足に悩んでおり、海外からも労働力を受け入れなければいけない状態になっています。そして、マネジメントクラスは外国人の従業員をまとめていかねばなりません。子供たちが大人になるころには会社に外国人がいることなど当たり前になっているでしょう。

そのためには実践で使える英語が必要です。政府もそのことに気づき、教育改革を抜本的に改めたと予想できます。

皆さんの英語学習が、より効果的に効率的に進んでいく事を願っています。

弊社では、IELTS TRAINER PROというサービスを2020年6月にローンチさせて頂き、有難いことに大変好評を頂いております。

IELTSは、日本の今後の英語教育を支える救世主になると確信を持っています。実際、大学入試改革(現在は延期)でIELTSも導入されていた程、世界的な知名度と比較して日本での知名度はまだまだ低いのが現状です。

英語学習に悩まれている人は、IELTSの記事からご覧になる事もお勧めします^^