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IELTSスコア6.0の難易度は?取得のための対策方法と勉強時間

IELTS対策について

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英語圏の大学や大学院への留学・交換留学を考えている方の中には、IELTSスコア6.0の取得を目指している方もいるのではないでしょうか。事前にIELTSスコア6.0の難易度やレベル感がどのくらいなのか把握した上で、効率的に学習に取り組んでいきたいところです。

当記事では、IELTSスコア6.0の難易度やレベル感と併せて、科目別の対策方法やIELTSスコア6.0取得に必要な勉強時間などを解説します。

1.IELTSスコア6.0の難易度はどのくらい?他の英語試験と比較

IELTSスコア6.0の難易度を測るには、他の英語試験との比較が判断材料として役立ちます。以下は、IELTSスコア6.0と他の英語試験との比較表です。

CEFR IELTS 実用英語技能検定 TOEFL iBT® TOEIC L&R/TOEIC S&W
B2 5.5-6.5 準1級-1級 72-94 1560-1840

出典:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」

IELTSスコア6.0は、通称「英検」と呼ばれる実用英語技能検定だと準1級〜1級相当です。1級は大学上級程度であり、世界での活躍が期待できる英語能力を保有している証になります。つまり、IELTSスコア6.0は難易度が高く取得が難しいレベルと言えます。

2019年に行われたTOEFL iBT®では、日本人の平均点は72点です。

出典:TOEFL iBT®「TOEFL iBT®Test and Score Data Summary 2019」

TOEFL iBT®を基準にIELTSスコア6.0と比較すると、平均もしくは平均以上のレベルに相当します。TOEIC®であれば、1560〜1840に相当するレベルです。

表の左欄にあるCEFRとは、英語をはじめとする全40言語について、習熟度などを測る指標を指しています。ヨーロッパ圏を中心に活用されており、言語能力の国際標準になるものとして日本でも注目度が高い指標の1つです。

CEFRは、個人の言語能力を6段階で評価します。IELTSスコア6.0は、CEFRでは「B2」に該当し、以下のような言語能力を有するとされています。

自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。

引用:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表引用日2023年11月17日

CEFRの基準では、基礎以上の言語能力を有しており、自立して言語を使用できる者に区分される段階です。

2.IELTSスコア6.0取得に必要な勉強時間の目安

IELTSの開発機関の1つである「Cambridge」によると、IELTSスコア6.0を取得するには下記の勉強時間が必要となります。

英語学習初心者:少なくとも500〜600時間

たとえば、現在B2レベル(IELTSスコア5.5〜6.5)を持っている場合、IELTSスコア7.0に上げるために必要な勉強時間は200時間が目安です。このケースでは、1日2時間の英語学習を3〜4か月続けることでスコア7.0に近づきます。

日常的に英語を使用する習慣がない日本人は、上記よりも更に勉強時間が必要です。英語を学習するのが初めての日本人であれば、勉強に1,000〜1,800時間はかかることが予測されます。

2-1.IELTSスコア6.0の英語力・レベル感の目安

IELTSの成績は、バンドスコアと呼ばれる数値で表されます。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4科目と、各バンドスコアから平均を算出するオーバーオール・バンドスコアで評価される形式です。評価の数値は「1.0」から始まり、最上位は「9.0」で表されます。

IELTSスコア6.0は、下記のユーザータイプと英語能力を有すると評価されます。

バンドスコア ユーザータイプ 英語力の目安
6 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、おおむね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。

引用:IELTS「バンドスコア・採点方法」引用日2023年11月17日

IELTSスコア5.0との違いは、簡単な文章の組み立てが可能で、多少複雑な構成でも話せる能力を有している点です。スピーキングであれば、自分の意見を文章として詳細に組み立て、質問に答えられるレベルを指します。

英語が公用語の国や日常的に使用する国の大学・大学院の中には、留学時にIELTSスコア6.0を条件としているケースもあります。たとえば、昨今留学先として人気が高まっているマレーシアでは、マレーシア大学がIELTSスコア6.0以上を条件としています。また、オーストラリアの大学留学では一般的に、IELTSスコア6.0〜6.5以上が目安です。

出典:IELTS「【マレーシア留学】7つのメリットと必要なIELTSスコア」

出典:IELTS「【オーストラリア留学】6つのメリットと必要なIELTSスコア」

2-2.日本人のIELTS平均スコアはどのくらい?

IELTSは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類のテストがあります。アカデミック・モジュールは、海外大学への留学や進学が目的の場合に受験するテストで、ジェネラル・トレーニング・モジュールは英語圏への移住や就労を目的とする場合に受験します。

出典:IELTS「試験タイプ」

下記の表は、2022年のアカデミック・モジュールを受験した日本人の平均バンドスコアです。

IELTS科目 平均バンドスコア
リスニング 6.0
リーディング 6.1
ライティング 5.7
スピーキング 5.5
オーバーオール 5.9

出典:IELTS「Test statistics」

4科目とオーバーオール・バンドスコアのいずれも、日本人受験者のIELTSスコアは6.0前後となっており、IELTS6.0は日本人の平均レベルであることが分かります。

3.【科目別】IELTSスコア6.0を取得するための対策方法

当記事では、各科目でバンドスコア6.0に到達するための勉強法を紹介しています。しかし、比較的スコアを伸ばしやすい「リスニング」「リーディング」で点数を稼いでオーバーオール・バンドスコアをあげる戦略も有効です。より短期間でオーバーオール・バンドスコア6.0を達成できます。

スコア取得に向けた、効果的な各科目の勉強法と対策は以下の通りです。

3-1.IELTSスコア6.0レベルのリスニング対策

リスニングは、4つの音源を用いて40問出題されます。6.0のスコアを取得するには、23〜25問の正解が必要です。

出典:IELTS「バンドスコア・採点方法」

問題は4つのパートに分かれ、パート1からパート4にかけて日常生活における会話から大学の講義のような学術的なモノローグまで難易度が上がっていくのが特徴となっています。リスニングテストの音声は一度しか流されないため、一度でしっかりと情報を聞き取ることが大切です。

出典:IELTS「リスニング」

下表は、正答数とバンドスコアの関係です。

バンドスコア 正答数
9.0 39-40
8.5 37-38
8.0 35-36
7.5 32-34
7.0 30-31
6.5 26-29
6.0 23-25
5.5 18-22
5.0 16-17
4.5 13-15
4.0 10-12

自分が発音できない単語や言葉を聞き取るのは、難しいと言われています。テストで重要な単語・フレーズを聞き逃さないように、正しく発音できる力を習得しましょう。

英語音声を聞きつつ、真似して言葉を繰り返す「シャドーイング」を取り入れると効果的です。日常的に英語を意識して聞き取ると単語の発音やフレーズが頭に残り、他の動画や音声を聞いたときに同じ単語・フレーズに気付けるようになっていきます。

3-2.IELTSスコア6.0レベルのリーディング対策

リーディングは3つのパッセージで構成されており、IELTSスコア6.0を獲得するには全40問中アカデミック・モジュールは23問、ジェネラル・トレーニング・モジュールの場合は30問に正解する必要があります。

出典:IELTS「バンドスコア・採点方法」

アカデミック・リーディング ジェネラル・トレーニング・リーディング
バンドスコア 正解数(全40問) バンドスコア 正解数(全40問)
8.0 35 8.0 38
7.0 30 7.0 34
6.0 23 6.0 30
5.0 15 5.0 23
4.0 10 4.0 15

出典:IELTS「バンドスコア・採点方法」

リーディングでは、出題文章の全文を完全に理解する必要はありません。問題に関係する部分を出題文章から見つけ出し、回答へと導く力が求められます。

リーディング対策としては、文章の大まかな内容をすばやく把握し、必要な情報だけを掴み取れるよう、問題集や参考書などを活用して繰り返し英文を読むのがおすすめです。英文を読む量が増えるほど多くの単語に触れられ、文章の一連の流れをイメージしやすくなります。この方法は、スピード感を持って英文を理解する「リーディング力」を身に付けるのに効果的です。

3-3.IELTSスコア6.0レベルのライティング対策

リスニングやリーディングと異なり、ライティングはIELTSスコア6.0の取得に必要な正答数がありません。「タスク1(20分)」と「タスク2(40分)」の全2問(合計60分以内)に対して回答者が書いた文章を、採点者が採点基準に沿って評価する形式です。

高いスコアを取得するには、さまざまな単語や表現を用いて正しいスペルと文法で回答文を作成する必要があります。また、回答文の中で矛盾が発生していないこともポイントです。一貫性のある文章になるよう心がけましょう。

ライティングスキルを向上させるには時間配分を意識し、IELTSスコア6.0の評価基準を満たせるように、学んだ単語・フレーズなどを都度取り入れながら文章を執筆する練習を繰り返します。作成した文章は、適切なアドバイスができる第三者に添削してもらうと客観的な意見を得られ、自分の弱点の把握やスキルアップにつながります。

IELTSライティングテストの対策方法|目標スコア別の勉強法も

3-4.IELTSスコア6.0レベルのスピーキング対策

スピーキングもライティングと同じく、IELTSスコア6.0の取得に必要な正答数がない科目です。対面形式で英会話力を測るテストが行われ、採点基準に沿って評価されます。面接は3パートあり、試験官と1対1で話します。

スピーキングでは、さまざまな単語を用いて正確な英語で話す力と、相手に伝わる発音で話す力、また試験官の質問に正確に答える力などが求められます。

スピーキングのテストでは、パートごとに下記の所要時間を使って会話を進めます。

  • パート1:4~5分
  • パート2:3~4分
  • パート3:4~5分

スピーキングでは、テスト本番で言葉に詰まらないよう語彙力・表現力を高めるのにくわえ、もらった質問に正しく答える練習も必要です。回答を考えるときや質問を聞き返すときのフレーズを覚えておくと、本番で役立ちます。

また、日本人は声が小さいことを指摘される傾向にあるため、大きな声でハキハキと、積極的に話す練習もあわせてするとよいでしょう。

IELTSのスピーキング対策をパート別に解説!スコアアップのコツも

まとめ

IELTSスコア6.0の難易度は高く、他の英語試験と比べると英検で準1級~1級相当、TOEFL iBT®で平均もしくは平均以上、TOEIC®で1560〜1840相当に値します。

IELTSスコア6.0取得に必要な勉強時間は、英語学習初心者であれば少なくとも500〜600時間が必要です。英語の習熟度や得意・不得意によっては、さらに学習時間を確保する必要があります。

短期間でIELTSスコア6.0を目指したい方は、比較的スコアを伸ばしやすい「リスニング」「リーディング」を中心に学習するのもおすすめです。

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