「結果」を表す不定詞の用法:見落としがちな英文法のポイント
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こんにちは、IELTS TRAINER PROでスタッフを務めております、ワーキングマザーのキャリーです。いつも当ブログをご愛読いただき、心より感謝申し上げます。皆様の英語学習の旅に少しでもお役に立てることを願っております。
本格的な夏日が続くようになり、日中の気温が30度を超える日も増えてきましたね。気象庁の発表によると、今年の夏は例年よりも気温が高くなる予想とのことで、熱中症対策がより一層重要になってきます。皆様も水分補給や適切な冷房の使用など、体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
日本の学校プールの現状と課題
最近の教育現場の話題として気になるのが、小学校でのプール授業の状況です。異常な暑さにより、気温が高すぎてプールの授業が中止されるケースが全国的に増えているようです。環境省の熱中症予防ガイドラインでは、気温28度以上、湿度80%以上の条件では屋外での激しい運動は避けるべきとされていますが、近年の夏場は連日この基準を超える日が続き、結果的にプールの授業が大幅に減少しています。
私自身、子どもの学校から「今週のプール授業は全て中止」というお知らせを何度も受け取り、気になっているところです。このような状況が続くと、泳ぎの基本を習得する機会が減少し、将来的に水泳のスキルを持つ日本人の割合が低下する可能性があります。これは安全面でも懸念すべき問題です。水の事故から身を守るための泳力は、生きる力の一つとも言えますから。
ここで意外と知られていない事実をご紹介しますと、学校の敷地内にプールが併設されており、正規のカリキュラムとして水泳の授業が行われる国は、世界的に見ても非常に限られています。日本、オーストラリア、一部の欧米諸国を除けば、ほとんどの国では学校での水泳指導は行われておらず、泳ぎを習得したい場合は個人的に習い事として学ぶのが一般的です。
日本の学校教育における水泳指導は、1950年代に児童の水難事故防止を目的として本格的に導入されました。以来、日本人の水泳能力向上と水難事故の減少に大きく貢献してきた歴史があります。この日本特有の貴重な教育文化を、気候変動の影響で失ってしまうのは非常に残念なことです。
プール授業を継続するための工夫として、一部の学校では早朝の比較的涼しい時間帯に授業を移動させたり、屋内プールの活用を進めたり、水温管理の徹底などの対策を講じています。また、地域の公営プールと連携して授業を行う試みも始まっています。どうにか知恵を絞って、この日本特有の大切な教育を続けていってほしいものです。
今回のテーマ:「結果」を表す不定詞
さて、今回のブログでは前回に引き続き不定詞の用法について確認していきましょう。特に今回は、英語学習者がよく見落としがちな「結果」を表す不定詞の用法に焦点を当てます。
不定詞(to + 動詞の原形)の基本的な用法としては、「目的」(〜するために)、「感情の原因」(〜して)、「名詞の後置修飾」(〜するための)などがよく知られていますが、実は「結果」を表す用法もあります。この用法を理解していないと、文の意味を正確に捉えることができず、誤訳につながるケースがあります。
「結果」を表す不定詞の基本
では、以下の例文を見てみましょう。
「I awoke to find myself on the bench.」
この文を初めて見た方は、to不定詞の一般的な用法である「目的」と解釈して、「ベンチにいる私を発見するために目が覚めた」と訳してしまうかもしれません。しかし、この訳では意味が通じません。人は「発見するために」目覚めるわけではありませんよね。
正しい訳は:「目が覚めると、ベンチにいた。」
直訳すると:「私は目が覚めた、そして気が付いた、ベンチの上にいることに」
この文では、「to find」が「目覚めた結果として発見した」という意味になります。つまり、「目覚める」という行為の結果として「ベンチにいることに気づいた」という状況を表しているのです。
「結果」を表す不定詞の特徴と見分け方
「結果」を表す不定詞の特徴として、以下のポイントが挙げられます。
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主節の動作の自然な結果や帰結を表す
・He worked hard to become a doctor.(彼は一生懸命勉強した、その結果医者になった)
・「医者になるために勉強する」という目的の解釈も可能ですが、文脈によっては「勉強した結果、医者になった」という意味にもなります。 -
主節の動詞がシンプルなもの
「結果」を表す不定詞は、主節の動詞が「come, go, live, grow, return」など、比較的シンプルな動詞であることが多いです。 -
接続詞「and」を使った言い換えが可能
・「結果」の不定詞は、「and + 動詞」という形に言い換えることができます。
・I awoke to find myself on the bench. = I awoke and found myself on the bench. -
偶然性や意図しない結果を表すことが多い
・主節の行為を行った時点では、不定詞の内容を意図していないケースが多いです。
・She opened the door to see a stranger.(彼女はドアを開けると、見知らぬ人がいた)
さらなる例文で理解を深める
「結果」を表す不定詞の理解をさらに深めるため、いくつかの例文を見てみましょう。
例文1
He returned home to find his house had been burgled.
(彼が家に帰ると、家は泥棒に入られていた)
この文では、「to find」は「家に帰る」という行為の結果として「泥棒に入られていたことに気づいた」ことを表しています。彼は泥棒に入られたことを知るために帰宅したわけではありません。これを「and」を使って言い換えると、
He returned home and found his house had been burgled.
例文2
She lived to see her grandchildren grow up.
(彼女は孫たちが成長するのを見届けるまで生きた)
この文では、「to see」は「生きる」という行為の結果として「孫の成長を見ることができた」ことを表しています。
「and」を使った言い換え、She lived and saw her grandchildren grow up.
例文3
I went to bed early only to lie awake all night.
(早く寝たのに、一晩中目が覚めていた)
この例では、「to lie」が「早く寝る」という行為の意外な結果を表しています。「only to」という形で、予想外や皮肉な結果を強調することもできます。
「and」を使った言い換え:I went to bed early and lay awake all night.
練習問題と解答
それでは、「結果」を表す不定詞の用法を確認するための練習問題を解いてみましょう。
問題:次の文の括弧内に適切な語を入れてください。
My grandmother lived till she was ninety-five.
→ My grandmother lived ( ) ( ) ninety-five.
解答:My grandmother lived to be ninety-five.
(訳:祖母は95歳まで生きた)
(直訳:祖母は生きた、その結果95歳になった)
この文では、「to be」が「生きる」という行為の結果として「95歳になった」ことを表しています。「生きる」という行為自体が、特に高齢になることを直接的な目的としているわけではなく、生きた結果として95歳まで達したという意味になります。
追加の練習問題
次の文の括弧内に適切な語を入れてください。
- He hurried to the station ( ) ( ) that the train had already left.
- She opened the letter ( ) ( ) that she had won a scholarship.
- I turned around ( ) ( ) my old friend standing behind me.
解答と解説
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He hurried to the station to find that the train had already left.
(彼は駅に急いだが、列車はすでに出発していた)
「駅に急ぐ」という行為の結果として「列車がすでに出発していたことを知った」
言い換え:He hurried to the station and found that the train had already left. -
She opened the letter to discover that she had won a scholarship.
(彼女は手紙を開けると、奨学金を獲得していたことがわかった)
「手紙を開く」という行為の結果として「奨学金獲得を知った」
言い換え:She opened the letter and discovered that she had won a scholarship. -
I turned around to see my old friend standing behind me.
(振り返ると、古い友人が後ろに立っていた)
「振り返る」という行為の結果として「友人を見た」
言い換え:I turned around and saw my old friend standing behind me.
「結果」の不定詞が頻出する動詞パターン
「結果」を表す不定詞は、特定の動詞と共によく使われる傾向があります。代表的なパターンをいくつか紹介します。
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wake up / awake to find/discover/see
I woke up to find it was already noon.
(目が覚めると、もう正午だった) -
open/close (door/eyes/etc.) to see/find/discover
She opened her eyes to see a doctor standing next to her bed.
(目を開けると、ベッドの横に医師が立っていた) -
arrive/return/come back to find/see/discover
We arrived home to find that the power was out.
(家に着くと、停電していた) -
live to see/be/become
He lived to see the end of the war.
(彼は戦争の終結を見届けるまで生きた) -
grow up to be/become
She grew up to be a famous singer.
(彼女は成長して有名な歌手になった) -
turn around/look up to see/find
I looked up to see dark clouds gathering overhead.
(見上げると、頭上に暗い雲が集まっていた) -
only to + 動詞(予想外の結果を強調)
He rushed to the meeting, only to find it had been cancelled.
(彼は会議に急いだが、それは中止になっていた)
これらのパターンを覚えておくと、「結果」を表す不定詞を見分けやすくなります。
IELTSでの応用:「結果」の不定詞を活用する
この「結果」を表す不定詞の用法は、IELTSのWritingやSpeakingで効果的に使用することができます。特に複雑な文構造を作ることで、より洗練された英語表現が可能になり、バンドスコアの向上にもつながります。
Writingでの応用例
Task 1(グラフ・表の描写)での例:
- The percentage of people using public transport decreased in the 1990s, only to rise again after 2005.
(公共交通機関を利用する人の割合は1990年代に減少したが、2005年以降再び上昇した)
Task 2(エッセイ)での例:
- Many students work hard to enter prestigious universities, only to find that academic success does not guarantee job satisfaction.
(多くの学生は一流大学に入るために一生懸命勉強するが、学業の成功が仕事の満足度を保証するわけではないことに気づく)
Speakingでの応用例
Part 2(長めのスピーチ)での例:
- I arrived at the museum to discover it was closed for renovation that day.
(博物館に着くと、その日は改装のため閉館していることがわかった)
Part 3(ディスカッション)での例:
- People often move to big cities to find better job opportunities, only to struggle with high living costs.
(人々はより良い仕事の機会を求めて大都市に移住するが、高い生活費に苦しむことになる)
このように、「結果」を表す不定詞を適切に使用することで、自然な流れで複数の事象を関連づけて表現することができます。特に予想外の結果や皮肉な状況を描写する際に効果的です。
「結果」を表す不定詞と「目的」を表す不定詞の見分け方
同じ形でありながら、「結果」と「目的」という全く異なる意味を持つ不定詞の用法は、文脈によって判断する必要があります。以下に、両者を見分けるためのポイントをまとめます。
「結果」を表す不定詞の場合
- 主節の動作の後に自然に起こる出来事
- 主節の行為者が意図していない、または予測していない
- 「and」を使った言い換えが自然
- 主節の動詞がシンプルなものが多い
「目的」を表す不定詞の場合
- 主節の動作を行う理由や目的
- 主節の行為者が意図的に行う
- 「in order to」や「so that」を使った言い換えが自然
- 主節の動詞は行為者の意図を含むものが多い
比較例
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結果の例:
I opened the door to find nobody there.
(ドアを開けると、そこには誰もいなかった)
言い換え:I opened the door and found nobody there. -
目的の例:
I opened the door to let some fresh air in.
(新鮮な空気を入れるためにドアを開けた)
言い換え:I opened the door in order to let some fresh air in.
同じ「open the door to」という形でも、後に続く内容や文脈によって「結果」か「目的」かが決まります。こうした微妙なニュアンスの違いを理解することが、英語の読解力や表現力を高める鍵となります。
まとめ:「結果」を表す不定詞の重要性
今回学んだ「結果」を表す不定詞は、英語の読解において非常に重要な文法ポイントです。この用法を正しく理解していないと、文の意味を誤解してしまう可能性があります。特に以下の点を覚えておきましょう。
- 不定詞は「目的」だけでなく「結果」も表すことがある
- 「結果」の場合は「and + 動詞」に言い換えられる
- 特定の動詞パターン(wake up to find, return to see など)に注意する
- 文脈から「目的」か「結果」かを判断する
このような細かい文法ポイントを押さえることで、英語の理解度が深まり、より自然で洗練された英語表現が可能になります。IELTSの高得点を目指す上でも、こうした「見落としがちな文法」を確実にマスターすることが大切です。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!「結果」を表す不定詞の用法について、少しでも理解が深まりましたでしょうか?このような文法のニュアンスを理解し、正確に使い分けることができると、IELTSのReadingやListening問題でも正確に内容を捉えることができますし、WritingやSpeakingでもより高度な表現が可能になります。
このブログが皆様のIELTS学習のお役に立ち、目標スコア達成への一助となれば幸いです。英語学習は日々の積み重ねが大切です。暑い夏が続きますが、少しずつでも継続することで、着実に英語力は向上していきます。
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