文章中の「not」の位置に注目しよう ~I don’t think it will be so cold tomorrow.~
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こんにちは、IELTS TRAINER PROスタッフで、二児を育てながら働くワーママのキャリーです。
いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます!
今回は英語学習者が頻繁に迷いやすいポイントの一つ、否定の表現、特に文章中の「not」の位置について詳しく解説していきたいと思います。日本語と英語では否定の表現方法が大きく異なるため、多くの日本人学習者がつまずくポイントでもあります。
「not」の位置が文のニュアンスを左右する
英語の否定表現は単に「〜ではない」と伝えるだけでなく、その位置によって文全体のニュアンスや自然さが大きく変わります。特に会話では、否定の意思をどのタイミングで相手に伝えるかが重要なコミュニケーションのポイントとなります。
それでは、具体的な例文を通して「not」の位置による違いを詳しく見ていきましょう。
同じ意味を持つ3つの文章を比較する
次の3つの文はすべて「明日はそんなに寒くならないと思います」という同じ内容を表していますが、「not」の位置が異なります。最も自然で主流の表現はどれでしょうか?
- I don’t think it will be so cold tomorrow.
- I think it will not be so cold tomorrow.
- I think it won’t be so cold tomorrow.
それぞれの文の構造とニュアンスの違いを詳しく分析してみましょう。
文例1: I don't think it will be so cold tomorrow.
この文では、否定語「not」が文の前半、「think」という主要動詞の直後に置かれています。構造としては、
[I don’t think] + [it will be so cold tomorrow]
つまり、「私は〜と思わない」という形で、思考そのものを否定しています。これは英語の会話では最も一般的で自然な表現方法です。
文例2: I think it will not be so cold tomorrow.
この文では、否定語「not」が文の後半、助動詞「will」の後に置かれています。構造としては、
[I think] + [it will not be so cold tomorrow]
つまり、「私は〜と思う」という形で、「明日が寒くならない」ことについての考えを述べています。この表現は文法的に完全に正しいものの、やや形式的で堅い印象を与えます。
文例3: I think it won't be so cold tomorrow.
この文では、否定語「not」が縮約形「won’t」として使われています。構造としては、
[I think] + [it won’t be so cold tomorrow]
これは文例2をより口語的にした形で、日常会話では自然に使われますが、文例1ほど一般的ではありません。
文章中で「not」を使うときは、ためらわず早めに置こう
正解と解説
最も主流で自然な表現は:
①I don’t think it will be so cold tomorrow.
なぜ"not"を早めに置くべきなのか?
英語圏のコミュニケーションでは、意図を明確かつ迅速に伝えることが重視される傾向があります。特に否定の意図は、相手の期待や前提を変える重要な情報であるため、早めに示すことが望ましいとされています。
「I don’t think~」という形式には以下のようなメリットがあります。
- 情報処理の効率性: 否定を前半で示すことで、聞き手はすぐに「否定的な内容が続く」という心構えができます。
- コミュニケーションの明確さ: 意図を早めに示すことで、誤解を減らし、スムーズな対話が可能になります。
- 口語的な自然さ: ネイティブスピーカーの間では、この形式が最も一般的に使われています。
- トーンの柔らかさ: 直接的な否定よりも、「私はそう思わない」という形で個人的な見解として表現することで、やや控えめなニュアンスになります。
これは単なる慣習ではなく、英語の情報構造に関連しています。英語では一般的に、文の前半に重要な情報や新しい情報を置く傾向があるのです。
"not"を後に置く表現は間違いなのか?
「I think it will not be so cold tomorrow.」や「I think it won’t be so cold tomorrow.」といった表現は文法的には完全に正しいです。ただし、使用される状況や文脈に違いがあります。
-
「I think it will not be so cold tomorrow.」
・より形式的な文脈(学術的な文章や公式な場面など)で使われることがあります
・強調したい部分が「cold」にある場合に選ばれることがあります
・やや古風な印象を与えることがあります -
「I think it won’t be so cold tomorrow.」
・カジュアルな会話では普通に使われます
・「I don’t think」よりもやや自信のある断言に聞こえることがあります
・「私はこう予測している」というニュアンスが強まります
様々な動詞と「not」の位置関係
この「否定を早めに示す」原則は、他の思考・認識動詞でも同様に適用されることが多いです。
- I don’t believe she will come. (I believe she won’t come よりも一般的)
- I don’t expect we’ll finish on time. (I expect we won’t finish on time よりも一般的)
- I don’t suppose they’ll agree with us. (I suppose they won’t agree with us よりも一般的)
特に口語では、このパターンが非常に一般的です。
「not」の位置による微妙なニュアンスの違い
「not」の位置によって、しばしば微妙な意味の違いが生じることがあります。以下の例で比較してみましょう。
例1
- I don’t think she is qualified for the job.
(私は彼女がその仕事に適格だとは思いません) - I think she is not qualified for the job.
(私は彼女がその仕事に適格ではないと思います)
最初の文は個人的な意見を控えめに述べている印象ですが、2番目の文はより断定的な判断を示しています。
例2
- I don’t believe what he said is true.
(彼の言ったことが真実だとは信じていません) - I believe what he said is not true.
(彼の言ったことは真実ではないと信じています)
最初の文は「信じていない」という個人的な状態を述べているのに対し、2番目の文は「嘘だと信じている」というより強い確信を表しています。
例外:柔らかな否定表現 ~ I am afraid not, ・・・~
もちろん、コミュニケーションにおいては状況に応じた柔軟性も重要です。場面によっては、否定を直接伝えるよりも、より柔らかく間接的に伝える方が適切なこともあります。
例えば、「Would you like another piece of cake?」(もう一切ケーキはいかがですか?)と問いかけられたときを考えてみましょう。
お腹がいっぱいで遠慮したい場合、単に「No, thank you.」と言うこともできますが、これだけでは少し素っ気なく、冷たい印象を与える可能性があります。
そこで登場するのが「I am afraid not, but thank you for offering.」(あいにく遠慮させていただきますが、お気遣いありがとうございます)というフレーズです。
柔らかな否定表現の特徴と効果
「I am afraid」のような表現を前置きに使うことで、以下のような効果が生まれます。
- 相手への配慮を示す: 単なる拒否ではなく、申し出に感謝しつつ丁寧に断ることができます
- 社交的な印象を与える: 社会的な円滑さを保つ効果があります
- 文化的適切さ: 特に英米文化では、直接的な否定よりもこうした間接的な表現が好まれる傾向があります
その他の柔らかな否定表現の例
- 「I wish I could, but…」 (できればよいのですが…)
例:Would you join us for dinner tonight?
→ I wish I could, but I already have plans. - 「Unfortunately, I can’t…」 (残念ながら、できません…)
例:Can you help me move this weekend?
→ Unfortunately, I can’t this weekend, but I’m free next Friday. - 「I’d love to, but…」 (ぜひそうしたいのですが…)
例:Would you like to join our book club?
→ I’d love to, but my schedule is quite packed at the moment.
これらの表現は、単純な「not」の使用よりも社交的で丁寧な印象を与えます。特にフォーマルな場面や、初対面の人との会話、ビジネスの場では、こうした表現が重宝します。
IELTS試験における「not」の位置の重要性
IELTS試験、特にスピーキングとライティングのセクションでは、否定表現の自然な使用が評価の対象となります。
スピーキングでの応用
IELTS スピーキングテストでは、質問に対して個人的な意見を述べることが求められることが多くあります。例えば、
質問: Do you think technology has improved quality of life?
より自然な回答:
“I don’t think technology has always improved our quality of life, especially when it comes to personal relationships.”
やや不自然な回答:
“I think technology has not always improved our quality of life…”
自然な英語の使用は、Fluency and Coherence(流暢さと一貫性)の評価に直接影響します。
ライティングでの応用
Task 2のエッセイでは、様々な意見を述べる際に否定表現を適切に使用することが重要です。
例: While some people believe that urbanization brings only benefits, I do not consider this to be entirely true, as there are significant environmental challenges associated with rapid city growth.
このように、自然な否定表現を使うことで、文章の流れが改善され、読みやすさが向上します。
練習問題:「not」の位置を考える
以下の日本語を、最も自然な英語の否定表現に変換してみましょう。
- 彼が正しいとは思いません。
- 明日は雨が降らないと予想しています。
- 彼女がその試験に合格するとは期待していません。
- この映画が子供向けだとは考えていません。
- 彼らが約束を守るとは信じていません。
解答例:
- I don’t think he is right.
- I don’t expect it will rain tomorrow. / I expect it won’t rain tomorrow.
- I don’t expect her to pass the exam.
- I don’t consider this movie suitable for children.
- I don’t believe they will keep their promise.
実生活での応用:場面別「not」の使い方
否定表現は場面によって使い分けることが大切です。以下に具体的な状況ごとの例を示します。
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カジュアルな会話での否定
友人との会話では、縮約形を使った否定が一般的です:
・”I don’t think I’ll make it to the party.”
・”She doesn’t want to go to that restaurant again.”
・”They won’t be arriving until tomorrow.” -
ビジネスシーンでの丁寧な否定
職場やビジネスの場では、より丁寧な否定表現が適切です:
・”I’m afraid we will not be able to meet the deadline.”
・”Unfortunately, we cannot accept your proposal as it stands.”
・”I do not believe that approach would work in our context.” -
学術的な文脈での否定
論文や学術的な文章では、より形式的な否定が使われます:
・”This theory does not account for all observed phenomena.”
・”The data do not support the initial hypothesis.”
・”Previous research has not adequately addressed this question.”
「not」以外の否定表現の豊かさ
英語の否定表現は「not」だけでなく、様々な形式があります。以下にいくつか例を挙げます。
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否定の接頭辞
un-: unhappy, uncomfortable, unlikely
in-: inconsistent, inappropriate, inconvenient
dis-: disagree, disappear, dislike
non-: non-essential, non-profit, non-verbal -
否定の表現
hardly: I can hardly hear you.
barely: She barely passed the exam.
scarcely: He scarcely had time to eat.
rarely: They rarely visit their hometown. -
否定の意味を持つ動詞
fail: He failed to submit his assignment.
deny: She denied the allegations.
refuse: They refused to cooperate.
reject: The committee rejected our proposal.
これらの多様な否定表現を適切に使い分けることで、より豊かで正確な英語表現が可能になります。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
文章中の「not」の位置について理解が深まりましたでしょうか?
このような文法的な微妙なニュアンスの違いを理解することは、英語のネイティブスピーカーのように自然に話すための重要なステップです。特にIELTSのような試験では、自然で流暢な英語の使用が高得点につながります。
このブログが皆様のIELTS学習の助けになっていましたら大変嬉しく思います。
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