IELTS再採点の申請方法とメリット
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IELTSの試験結果は1.0から9.0のバンドスコアで示され、英検のような合格・不合格はありません。
IELTSはListening, Reading, Writing, Speakingの各技能ごとの英語力がバンドスコアで示される上、総合評価としてオーバーオール・バンドスコアが出ます。
入学・受入条件は機関によって異なり、特定のパートでの最低得点ラインを設けているところもあります。
一般的に、大学はオーバーオール・バンドスコア6.0から6.5を入学基準としているところが多いですが、出願先の条件を必ず確認してください。
また、IELTSのスコアは試験実施日より2年間有効となっていますので、有効期限が残っているうちにIELTSスコアを提出、またはスコアの提出日に合わせてIELTSを受験するようにしましょう。
しかしながら、IELTSのスコア提出期限ギリギリに受験をしてスコアが届いていなかったなんてことがあるかもしれません。
そんな時に今回ご紹介する「再採点」を利用してみると良いかもしれません。
1.IELTS再採点(Enquiry on Results)とは?
IELTSの再採点(Enquiry on Results)は、受験したIELTSのスコアに満足できなかった場合、もう1度試験の採点を申請できる制度です。
IELTSの上級試験官が、各パートの元のバンドスコアを知らないまま試験を再採点します。
IELTSの再採点は1~4技能申請することが可能ですが、1技能のみ、または4技能すべて再採点を申請した場合であっても、再採点の料金は15,000円(税込)で変わりません。
再採点後バンドスコアが変更された場合は、支払った料金がすべて返金されますので、少しでも自分のIELTSスコアに疑問を持った方は再採点を申し込んでみましょう。
再採点の申請期限は、
- 受験日から6週間以内
となっていますので、IELTSスコアがわかり次第すぐに再採点を申し込むことを「推奨」します。
また、再採点の結果は、
- 原則21日以内
となっており、コンピューター版で受験した方はMy page上で確認でき、ペーパー版で受験をした方は、郵送で再採点の結果を確認することができます。
IELTS再採点の注意点として、
- 「〇日までに結果を欲しい」などのリクエストは受け付けていない
- 再採点の結果が出るタイミングについてIELTSテストセンターにお問い合わせしても回答はもらえない
- 再採点期間中は大学や移民局などで成績証明書を使えない
- 再採点の結果が元の結果と同じ場合、手数料の返金はない
- 再採点結果に不満があったとしても、さらに再採点を申請することは不可
となっています。
上記のことを踏まえてIELTS再採点を申し込んでみると良いでしょう。
2.IELTS再採点の申請方法
IELTSの再採点の方法は運営団体によって異なります。
今回は、
- IDP Education(コンピューター版)
- IDP Education(ペーパー版)
- JSAF
- 英検
の団体の申請方法を紹介します。
①IDP Education(IELTSコンピューター版の場合)
IDPのMy pageにログインをします。
スコアの上にある「Request re-mark」をクリック
再採点を希望する技能にチェックを入れてください。
1技能のみで問題ない場合は、1技能のみチェック、4技能すべてを希望の場合はすべてチェックを入れましょう。
その後は画面に従ってクレジットカードでお支払いください。
②IDP Education(ペーパー版の場合)
IDPでIELTSペーパー版を受験し、再採点を希望する場合はIDP-IELTS申請フォームから申請する必要があります。
申請をする際、
- 自分が申し込んだIELTS試験のテストセンター
- 申請内容
を間違えないように選択してください。
その後は画面の案内に沿って再採点の申請を完了してください。
IDPの再採点の支払い方法はクレジットカードのみとなっており、銀行振込等はできませんのでご注意ください。
③JSAF
JSAFはIDP管轄のIELTSテストセンターですので、申請方法はIDPと変わりません。
ですが、ペーパー版を受験した場合支払い方法が銀行振込となります。
※コンピューター版を受験した場合は、クレジットカードもしくはコンビニ払いとなります。
また、ペーパー版で受験したIELTSの再採点をオンラインで申請する際、「銀行振込の控え」の提出が必要となりますので、申請前に再採点の手数料の振込をしておく必要があります。
JSAFもバンドスコアが変更になった場合、再採点の手数料は全額返金されますのでご安心くださいませ。
④英検
英検で受験したペーパー版のIELTSの再採点を希望する場合は、下記へお問い合わせをする必要があります。
IELTS公式 東京テストセンター:jp500ielts@eiken.or.jp
IELTS公式 大阪テストセンター:jp512ielts@eiken.or.jp
お問い合わせ後、英検からの返信メールより再採点の申請用紙をダウンロードできますので、ダウンロードをし、申請用紙の項目をすべて記入します。
また、英検もJSAFと同様に申請前に手数料の振込をする必要があります。
そして、ペーパー版の試験より39日以内に必着で、
- 再採点申請料振込の控え
- 申請用紙
を入れて郵送します。
コンピューター版のIELTSの再採点については、オンラインで申請できるようになっており、受験申込の際に使用したアカウントにてログインのうえ、オンラインにて再採点の申請及びお支払い手続きを行ってください。
コンピューター版のIELTSの再採点の支払い方法は、クレジットカード決済のみとなります。
IELTS運営団体、受験方法によってIELTSの再採点の方法が異なります。
再採点を希望する場合は、各団体のウェブサイトをしっかりと確認したうえで申請してみてください。
3.IELTS再採点のメリット
IELTSで再採点を行うメリットは2つあります。
- オーバーオールバンドスコアが上がる可能性がある
- バンドスコアが上がった場合は申請費用が全額返金
IELTS再採点のメリットを詳しくみてみましょう。
①オーバーオールバンドスコアが上がる可能性がある
IELTS ListeningおよびReadingは正答数によってバンドスコアが決まる仕組みになっていますが、WritingとSpeakingに関しては採点基準に沿って採点はされていますが、試験官も人ですのでミスを犯す可能性があります。
また、IELTS WritingもしくはSpeakingのバンドスコアが0.5上がった場合、オーバーオールバンドスコアに30~50%の確率で影響が出ると言われています。
そのため、IELTS WritingとSpeakingのスコアに関しては自分が思っていたスコアよりも低く出ていたら再採点を申請してみるのもありかもしれません。
②バンドスコアが上がった場合は申請費用が全額返金
2つ目のメリットは、0.5でもスコアが上がった場合、再採点にかかった費用が全額返金されることです。
つまり、再採点の申請時に15,000円払うことにはなるが、スコアが上がれば15,000円が全額戻ってくるということです。
再採点を申請することで、バンドスコアが上がりオーバーオールバンドスコアも上がって目標のIELTSスコアも達成して無事に大学・大学院の入学ラインに立つことができた方も多くいらっしゃいます。
しかしながら、IELTSの再採点にはデメリットもありますので、みていきましょう。
4.IELTS再採点のデメリット
IELTSの再採点にはデメリットもあります。
- 再採点をしてもIELTSスコアが変わらないことがある
- 再採点の申請期間中はIELTSスコアが無効になる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
①再採点をしてもIELTSスコアが変わらないことがある
IELTSの再採点を申請してもスコアが変わらないことがあります。
むしろIELTSスコアが変わらないことの方が多いと言っても過言ではありません。
この場合、再採点の申請料を待っていた期間が無駄になってしまいます。
IELTSスコアが必要になるまで期間がある場合は、しっかりと勉強をして3カ月や4か月後に再度IELTSを受験する方が良いでしょう。
②再採点の申請期間中はIELTSスコアが無効になる
実はIELTSの再採点をしている期間は、スコアが無効になります。
そのため、再採点を申請する前にIELTSスコアの提出期限を再度確認するようにしましょう。
再採点の結果を受け取るのに最低でも2週間はかかると言われています。
2週間待ってもIELTSスコアの提出が間に合う場合は、再採点の申請をしても問題ありませんが、2週間切っている場合は再採点をおすすめしません。
ここまでIELTS再採点のメリット・デメリットをみてきましたがいかがでしたか?
メリットもデメリットも考えると、逆に再採点に踏み出せない方もいらっしゃるのではないかと思います。
ここで、実際にIELTSの再採点をしてスコアが上がったケースを見てみましょう。
社会人・女性 |
IELTSの再採点が返ってきた結果、ライティングは変わらなかったが、スピーキングが0.5上がってOA6.5になりました。 おみくじの大吉&凸の効果さまさまです( ; ; ) ※X(旧Twitterより引用) |
社会人・男性 |
IELTS再採点の結果、Speakingが7.0→8.0になりました! シニア試験官の皆さん、本当にありがとうございます🙏 そしてOA8.5まであと0.5点!Writingで7.5が取れていればと悔やまれますが、年内にOA8.5を目指して頑張ります😭 ※X(旧Twitterより引用) |
社会人・女性 |
や、やったーーー!!!!!!再採点で目標のeach 6.5かつOA 7.0達成した㊗️㊗️㊗️ ひとまずIELTS卒業だー!! ※X(旧Twitterより引用) |
社会人・女性 |
なんと!!!😳😳 なんかもはや自分のスコアじゃないみたいだ。。まだ信じられない…🫨 ※X(旧Twitterより引用) |
IELTSの再採点を申請して、0.5から1.0スコアが上がっている方がいらっしゃいますね。
やはりWritingまたはSpeakingのバンドスコアが上がる方が多いようです。
6.5以上のスコアを獲得されていた方がIELTSで再採点をするとスコアが上がる傾向にあるようにも見受けられます。
是非、IELTS 6.5や7.0のレベルにいる方は再採点をしてみてください。
5.IELTS再採点とOne Skill Retakeの違い
最後によく間違われやすい、IELTSの再採点とOne Skill Retakeの違いを紹介します。
まず、IELTS再採点をOne Skill Retakeを簡単にまとめると以下の表のようになります。
再採点 (Enquiry on Results/ Remark) |
One Skill Retake | |
対象 | ペーパー版、コンピューター版 | コンピューター版 |
内容 | 結果が出たスコアの再採点を 申請する |
結果が出たテストのうち、 1技能のみを再受験する |
対象技能 | 1~4技能 | 1技能 |
申請期限 | 受験日から6週間以内 | 受験日から60日以内 |
費用 | 15,000円(税込) ※再採点の結果、スコアが変更された場合は全額返金 |
18,000円(税込) |
再採点は4技能すべて申請できますが、One Skill Retakeはその名の通り1技能のみしか申請することができません。
本記事でも紹介したように再採点のIELTSスコアは申請中、無効になります。
ですが、One Skill Retakeは元のスコアもOne Skill Retakeを受けた後のスコアもどちらも有効のまま残ります。
また、再採点後のIELTSスコアはどの大学・大学院・教育機関でも問題なく使用することが可能ですが、One Skill Retakeのスコアは一部の大学のみが認めています。
One Skill Retakeのスコアを認めている期間はこちらをご確認ください。
再採点とOne Skill Retakeはどちらかしかできないわけではなく、両方とも以下のような流れでフル活用する方法があります。
- IELTS受験
- IELTSの試験結果が来る
- 再採点を申請する
- 再採点の結果が戻ってくる
- 目標スコアに届かなかった場合One Skill Retakeに挑戦
- One Skill Retakeの試験結果が来る
- One Skill Retakeの再採点を申請
このような形でIELTSの再採点とOne Skill Retakeをフル活用できます。
フル活用するとIELTS本試験、約2回分ほどの料金がかかりますが、挑戦してみたい人はやってみてもよいかもしれません。
6.まとめ
IELTSの再採点は、受験したIELTSのスコアに満足できなかった場合、もう1度試験の採点を申請できる制度です。
再採点は1技能から申請でき、4技能すべてを再採点することも可能です。
- IELTSのスコアがギリギリ目標に届かなかった!
- あと0.5高ければ留学の条件を達成できたのに!
というときに申請をおすすめします。
ですが、必ずしもIELTSスコアが上がるとは限りませんので、再採点を申請する際はよく考えてから申請するようにしましょう。
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