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IELTSとケンブリッジ英検の「違い」を徹底比較!あなたに最適な「受験」はどちら?

IELTS対策について

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IELTSとケンブリッジ英検、どちらの英語試験を選ぶべきか迷っていませんか?本記事では、それぞれの試験の概要から、目的、試験形式、採点方法、有効期限、受験費用、難易度まで、あらゆる「違い」を徹底的に比較します。この記事を読めば、あなたの留学、海外移住、ビジネスでの活用、あるいは永続的な英語力証明といった目的に応じて、最適な試験が明確に分かり、自信を持って受験準備に進めるでしょう。

IELTSとケンブリッジ英検 どちらを選ぶべき?

英語学習者にとって、自身の英語力を証明するための試験選びは重要なステップです。特に国際的な評価が高いIELTSとケンブリッジ英検は、どちらも優れた英語能力試験ですが、その目的、用途、試験形式、有効性には大きな違いがあります。あなたに最適な試験を選ぶためには、それぞれの特性を深く理解し、自身の目標や将来の計画と照らし合わせることが不可欠です。

この章では、あなたがIELTSとケンブリッジ英検のどちらを受験すべきかを判断するための基本的な視点を提供します。具体的な試験内容や詳細な比較は後の章で詳しく解説しますが、まずは自身の受験目的や将来の目標を明確にすることから始めましょう。

試験選びの最初のステップとして、以下のポイントを参考に、ご自身のニーズに合致する試験を検討してみてください。

比較項目 IELTS ケンブリッジ英検
主な用途 留学、海外移住、特定の英語スコア要件を満たすため 永続的な英語力の証明、ビジネスや学術機関での長期的な活用
証明の有効性 通常2年間(提出先による) 合格すれば永続的
評価形式 0.0~9.0のバンドスコア制(0.5刻み) 合否判定とCEFRレベル認定
試験の目的 特定の目的達成に必要な英語運用能力の測定 総合的な英語力の段階的向上と証明

この表はあくまで概要であり、詳細な違いは後続の章で徹底的に比較します。あなたの英語学習の目的が「特定の大学への入学」「海外での就職」「キャリアアップのための永続的な英語力証明」など、何であるかによって最適な試験は異なります。ご自身の目標を明確にし、それぞれの試験がその目標達成にどのように貢献するかを考えることが、賢い選択への第一歩となるでしょう。

IELTSとはどんな試験?

IELTS(アイエルツ:International English Language Testing System)は、留学や海外移住、就職などを目指す人々を対象とした、世界的に認められている英語能力判定試験です。ブリティッシュ・カウンシル、IDP Education、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同で運営しており、英語圏の大学や企業、政府機関など、140カ国以上、12,000を超える機関で採用されています。

IELTSの概要と特徴

IELTSは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能を総合的に測定する試験です。受験者の英語コミュニケーション能力を多角的に評価することを目的としており、特に実践的な英語力が問われます。

その最大の特徴の一つは、スピーキングテストが試験官との1対1の対面形式で行われる点です。これにより、より自然で実践的な会話能力が評価されます。また、試験結果は0.0から9.0までのバンドスコアで示され、0.5刻みで細かく英語力を判定します。

IELTSには、紙媒体で受験するペーパー版(PBT)と、コンピューターで受験するコンピューター版(CDI)があり、どちらの形式でも試験内容や評価基準に違いはありません。受験者は自身の学習スタイルや慣れに応じて選択することができます。

IELTSのモジュール アカデミックとジェネラル

IELTSには、受験目的によって選択する2つの異なるモジュール(種類)があります。それが「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」です。

それぞれのモジュールは、リスニングとスピーキングの試験内容は共通ですが、リーディングとライティングの試験内容が大きく異なります。受験する際は、提出先の機関がどちらのモジュールを要求しているかを必ず確認することが重要です。

項目 アカデミック・モジュール ジェネラル・トレーニング・モジュール
目的 大学・大学院への留学、専門職登録(医師、看護師など) 英語圏への移住、海外での就職、職業訓練、非学位コースへの留学
対象者 高等教育機関への入学を希望する学生、専門職として英語圏で働きたい方 英語圏での生活、仕事、訓練を目的とする方
リーディング 学術論文、専門誌、書籍などからの抜粋。複雑な論理展開や専門用語を含む。 広告、会社の案内、規則、新聞記事など、日常生活や仕事に関連する文章。
ライティング タスク1:グラフ、表、図、地図などの情報を要約・説明。
タスク2:学術的なテーマについて論述するエッセイ。
タスク1:手紙(個人的な内容、苦情、依頼など)の作成。
タスク2:一般的な社会問題や意見について論述するエッセイ。
リスニング 共通:日常会話、講義、プレゼンテーションなど様々な状況での聞き取り。
スピーキング 共通:試験官との対面形式での質疑応答、特定テーマに関するスピーチ、ディスカッション。

IELTSのスコアと有効期限

IELTSのスコアは、0.0から9.0までのバンドスコアで評価されます。各技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)ごとに0.5刻みでスコアが算出され、それら4技能の平均点が「オーバーオールバンドスコア」として総合的な英語力を示します。例えば、大学入学には6.0~7.0、大学院入学には6.5~7.5程度のスコアが求められることが一般的です。

IELTSの公式な有効期限は、試験日から2年間とされています。これは、英語力は時間の経過とともに変化する可能性があるという考えに基づいています。ただし、提出先の機関によっては、2年を過ぎたスコアでも受け入れられる場合が稀にあります。しかし、基本的には2年以内に取得したスコアの提出を求められるため、受験を検討する際は、提出先の要件と自身の受験時期を考慮することが重要です。

ケンブリッジ英検とはどんな試験?

ケンブリッジ英検(Cambridge English Qualifications)は、世界中で最も広く認知され、信頼されている英語資格試験の一つです。ケンブリッジ大学英語検定機構が開発・運営しており、英語を母語としない学習者の実用的な英語コミュニケーション能力を測定することを目的としています。この試験は、一度合格すればその英語力が永続的に有効な資格として認められる点が最大の特徴であり、世界中の教育機関や企業で高く評価されています。

ケンブリッジ英検の概要と特徴

ケンブリッジ英検は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を総合的に評価する試験です。単なる知識の有無だけでなく、実際のコミュニケーション場面で英語をどれだけ効果的に使いこなせるかに重点を置いています。そのため、試験内容は実生活やビジネスシーンで遭遇する可能性のある状況を想定して設計されており、受験者の実用的な英語力を正確に反映します。

試験は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいた様々なレベルで提供されており、学習者の英語力や学習目的に合わせて最適なレベルの試験を選択できます。例えば、初級者向けのA2 Key (KET)から、上級者向けのC2 Proficiency (CPE)まで、幅広いレベルが用意されています。また、若年層向けの「For Schools」版や、ビジネス英語に特化した「Business English Certificates (BEC)」など、特定のニーズに応じた試験も充実しています。

ケンブリッジ英検の大きな魅力は、一度取得した合格証明書に有効期限がないことです。これは、英語力の「資格」として生涯にわたって活用できることを意味し、履歴書や職務経歴書に永続的な強みとして記載できるため、長期的なキャリア形成において非常に有利な資格となります。

ケンブリッジ英検のレベルとCEFR対応

ケンブリッジ英検は、国際的な言語能力の評価基準であるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)に完全に準拠しています。CEFRは、A1(初級)からC2(熟練)までの6段階で言語能力を定義しており、ケンブリッジ英検の各試験がこのCEFRレベルのいずれかに対応しています。

各レベルの試験に合格することで、そのCEFRレベルの英語力を公式に証明できます。これにより、自身の英語力が国際的にどの程度の水準にあるのかを明確に示せるため、留学や就職、キャリアアップにおいて非常に有利に働きます。特にヨーロッパ圏では、CEFRとケンブリッジ英検の認知度が高く、多くの大学や企業で英語力の証明として広く受け入れられています。

以下に、ケンブリッジ英検の主要な試験と対応するCEFRレベル、およびおおよその英語力の目安を示します。

ケンブリッジ英検試験名 CEFRレベル 英語力の目安
A2 Key (KET) A2 基本的な日常会話や簡単な文章を理解し、自己紹介や簡単な情報交換ができるレベル。
B1 Preliminary (PET) B1 仕事や学校、旅行先で日常的な状況に対応でき、意見や計画を説明できるレベル。
B2 First (FCE) B2 複雑な文章の主要な内容を理解し、幅広い話題について流暢かつ自然にコミュニケーションできるレベル。
C1 Advanced (CAE) C1 高度な専門的な内容や抽象的なテーマを理解し、複雑な文章を明確かつ構造的に表現できるレベル。
C2 Proficiency (CPE) C2 ほぼネイティブスピーカーに近いレベルで、あらゆる状況で英語を完全に理解し、流暢かつ正確に使いこなせるレベル。

ケンブリッジ英検の合格証明書と有効性

ケンブリッジ英検の試験に合格すると、ケンブリッジ大学英語検定機構から公式の合格証明書が発行されます。この証明書には、受験した試験のレベルと各技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)のスコアが明記されており、あなたの総合的な英語力を具体的に示すことができます。試験結果はオンラインで確認でき、デジタル証明書も利用可能です。

ケンブリッジ英検の最大の利点の一つは、その合格証明書に有効期限がないことです。一度取得すれば、その英語力は生涯にわたって有効なものとして認められます。これは、IELTSのように特定の期間しか有効でない試験とは大きく異なる点であり、長期的なキャリアプランや自己の英語力証明として非常に価値が高いと言えます。

世界中の25,000以上の大学、企業、政府機関がケンブリッジ英検の資格を英語力の証明として認めています。特にヨーロッパ圏ではその認知度と信頼性が非常に高く、留学、就職、ビザ申請、専門職の資格取得など、多岐にわたる場面で活用されています。永続的な英語力の証明として、あなたのキャリアや学習の選択肢を広げる強力なツールとなるでしょう。

IELTSとケンブリッジ英検 違いを徹底比較

IELTSとケンブリッジ英検は、どちらも国際的に認知された英語能力試験ですが、その目的、試験形式、採点方法、有効期限など、多くの点で違いがあります。ここでは、それぞれの試験が持つ独自の特性を詳しく比較し、あなたがどちらの試験を選ぶべきかを判断するための重要な情報を提供します。

目的と用途の違い

IELTSとケンブリッジ英検は、それぞれ異なる主要な目的と用途を持っています。この違いを理解することは、あなたの目標に合致する試験を選ぶ上で非常に重要です。

項目 IELTS ケンブリッジ英検
主な目的 留学、海外移住、海外での就職・就学の英語力証明 永続的な英語力証明、総合的な英語力向上、ビジネスシーンでの活用、英語教師資格
重視される点 特定の時点での英語運用能力の測定、アカデミックな環境や日常生活での英語対応力 長期的な英語力の定着度、実用的なコミュニケーション能力、各レベルに応じた総合的な英語力
主な利用者 海外の大学・大学院進学希望者、海外移住申請者、特定の英語圏での就職希望者 英語力を継続的に向上させたい学習者、ビジネスパーソン、英語教育関係者

IELTSは、特に留学や海外移住といった具体的な目的のために「今」の英語力を証明する必要がある場合に適しています。一方、ケンブリッジ英検は、一度取得すれば有効期限がなく、履歴書に記載できる永続的な英語力証明として、またビジネスシーンでの活用や自身の英語力向上を目的とする場合に強みを発揮します。

試験形式と内容の違い

IELTSとケンブリッジ英検は、同じ「聞く・読む・書く・話す」の4技能を測定しますが、その試験形式や問題内容は大きく異なります。各技能における具体的な違いを見ていきましょう。

リスニング試験の違い

項目 IELTSリスニング ケンブリッジ英検リスニング
音声再生回数 1回のみ 通常2回
アクセント 多様な英語アクセント(イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど) 主にイギリス英語
問題形式 多肢選択、穴埋め、マッチング、図のラベリングなど。 多肢選択、穴埋め、マッチング、メモ作成など、レベルによって多様。
内容 日常会話、モノローグ、講義、ディスカッションなど、幅広いトピック。 ニュース、ラジオ番組、インタビュー、会話など、実生活に基づいたトピック。

IELTSは一度しか音声が流れないため、集中力と瞬時の理解力が求められます。ケンブリッジ英検は2回聞けるため、より詳細な情報を聞き取る練習が重要になります。

リーディング試験の違い

項目 IELTSリーディング ケンブリッジ英検リーディング
モジュール アカデミック(学術論文、専門誌記事など)とジェネラル(広告、社内文書、新聞記事など)で内容が異なる。 レベル(FCE, CAE, CPEなど)によって異なるが、一般的に様々な種類のテキスト(記事、広告、レビュー、物語など)。
問題形式 多肢選択、穴埋め、マッチング、正誤問題、要約完成など。 多肢選択、穴埋め、マッチング、段落の並べ替え、空所補充など、読解力と語彙力が総合的に問われる。
文章量 長文読解が中心。 多様な長さの文章が出題される。

IELTSはモジュールによって読解の目的が明確に分かれます。ケンブリッジ英検は、実用的な英文読解能力と、文脈から語彙を推測する能力などが問われます。

ライティング試験の違い

項目 IELTSライティング ケンブリッジ英検ライティング
タスク1 アカデミック:グラフ、表、図の描写・説明。ジェネラル:手紙(フォーマル、セミフォーマル、インフォーマル)。 レベルによって異なるが、通常は与えられた情報を基にエッセイ、レポート、レビュー、メールなどを書く。
タスク2 共通:与えられたトピックに対するエッセイ(意見、問題解決、両面議論など)。 レベルによって異なるが、通常は選択肢の中から一つのトピックを選び、エッセイや記事、レポートなどを書く。
採点基準 タスク達成度、一貫性とまとまり、語彙の豊富さと正確さ、文法事項の範囲と正確さ。 内容、構成、語彙、文法、コミュニケーションの達成度など。

IELTSのライティングは、アカデミックとジェネラルでタスク1の内容が大きく異なります。ケンブリッジ英検は、より多様な文書形式に対応する能力が求められ、レベルが上がるにつれて表現の幅や複雑さが重視されます。

スピーキング試験の違い

項目 IELTSスピーキング ケンブリッジ英検スピーキング
形式 試験官との1対1の対面形式。 試験官2名と受験者2~3名(ペアまたはトリオ)でのグループ形式。
構成 パート1(自己紹介、日常のトピック)、パート2(特定トピックのスピーチ)、パート3(パート2のトピックに関するディスカッション)。 パート1(自己紹介、一般的な質問)、パート2(写真描写、比較)、パート3(共同タスク、ディスカッション)、パート4(パート3のトピックに関するディスカッション)。
重視される点 流暢さ、一貫性、語彙の豊富さ、文法事項の範囲と正確さ、発音。 効果的なコミュニケーション能力、相互作用、流暢さ、語彙、文法、発音。

IELTSは試験官との個別面接であるため、自分のペースで話すことができますが、一貫した論理展開が求められます。ケンブリッジ英検はグループ形式であるため、他の受験者とのインタラクション能力が非常に重要になります。

採点方法と結果表示の違い

試験結果の表示方法も、IELTSとケンブリッジ英検では大きく異なります。

項目 IELTS ケンブリッジ英検
採点方法 バンドスコア(0~9の0.5刻み) ケンブリッジ英語スケール(80~230点)で表示され、CEFRレベル(A1~C2)に対応した合否判定。
結果表示 各技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)と総合のバンドスコア。 合格レベル(Pass at Grade A, B, C)と、不合格の場合でもCEFRレベルに応じた証明書が発行される場合がある。
合否 特定の合否ラインはなく、各機関が求めるスコアを満たすかどうかが重要。 明確な合否判定があり、合格すると証明書が発行される。

IELTSは、個々の英語力を細かくスコアで示し、用途に応じて必要なスコアを目指します。ケンブリッジ英検は、特定のCEFRレベルに達しているかどうかの合否を明確に示し、そのレベルの英語力を持つことを証明します。

有効期限と証明書の違い

試験結果の有効性も、両試験の大きな違いの一つです。

項目 IELTS ケンブリッジ英検
有効期限 通常2年間(一部の機関では異なる場合あり)。 有効期限なし(永続的)。
証明書 Test Report Form (TRF) が発行される。 合格証明書(Certificate)が発行される。
信頼性 最新の英語力を証明するため、提出機関によっては2年以内のスコアを求める。 一度取得すれば生涯有効な英語力証明として世界中で認められている。

IELTSは「今の英語力」を証明するものであり、ケンブリッジ英検は「習得した英語力」を証明するものと考えると分かりやすいでしょう。この有効期限の有無は、長期的なキャリアプランや自己啓発において重要な要素となります。

受験費用と受験機会の違い

受験にかかる費用や、試験を受けられる機会も比較検討すべき点です。

項目 IELTS ケンブリッジ英検
受験費用 約27,500円(2024年現在、変動する可能性あり)。 レベルによって異なり、約15,000円~30,000円程度(2024年現在、変動する可能性あり)。
受験機会 年間を通じて多数実施(月に数回)。 年間数回(レベルや会場によって異なる)。
結果発表 ペーパー版:試験日から13日後。コンピューター版:試験日から3~5日後。 試験日から約4~6週間後。

IELTSは受験機会が多いため、目標スコアに達するまで繰り返し受験しやすい利点があります。ケンブリッジ英検は受験機会が限られているため、計画的な準備が必要です。

難易度と対策法の違い

「難易度」は主観的な要素も含まれますが、試験の特性からくる対策法の違いは明確です。

IELTSは、特定の目標スコアを目指す試験であり、各技能で部分点が与えられるため、苦手な技能があっても全体のスコアを伸ばしやすい傾向があります。対策としては、試験形式に慣れること、時間配分を意識すること、そして各技能の具体的な問題パターンを習得することが重要です。特に、アカデミックモジュールでは学術的な文章や議論に触れる機会を増やすことが有効です。

一方、ケンブリッジ英検は、特定のCEFRレベルの総合的な英語力を証明する試験であり、合格するためにはすべての技能でバランスの取れた能力が求められます。特にスピーキングでは、他の受験者とのインタラクション能力が評価されるため、実践的なコミュニケーション練習が不可欠です。対策としては、基礎的な文法や語彙力の徹底的な強化に加え、各レベルに応じた過去問題演習を通じて、幅広いトピックに対応できる柔軟な英語力を養うことが求められます。

どちらの試験も、十分な準備期間と適切な学習方法が成功の鍵となりますが、それぞれの試験が求める英語力の質と形式を理解することで、より効率的な対策が可能になります。

あなたに最適な試験はIELTS・ケンブリッジ英検はどちら?

IELTSとケンブリッジ英検は、それぞれ異なる目的や状況に最適化された英語試験です。あなたの英語学習の目標や、試験結果をどのように活用したいかによって、どちらの試験を選ぶべきかが明確になります。ここでは、それぞれの試験がどのような人におすすめなのかを具体的に解説します。

IELTSの受験がおすすめな人

IELTSは、特に海外での具体的な目標を持つ方におすすめです。世界中で広く認められているそのスコアは、多くの機会への扉を開きます。

留学や海外移住を考えている人

IELTSは、世界中の大学、カレッジ、専門学校、政府機関で入学・移住の際の英語力証明としてIELTSスコアが広く採用されています。特に、英語圏(イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど)への留学や永住権の申請を検討している場合、IELTSの受験は必須となるケースが非常に多いです。ビザ申請の要件として特定のIELTSスコアが求められることも珍しくありません。

特定のスコアが必要な人

入学したい大学や取得したいビザの種類によって、「IELTS Overall 6.0以上」「各セクション5.5以上」といった具体的なスコア要件が定められていることがあります。IELTSは0.0から9.0までのスコアバンド形式で結果が示されるため、明確な目標スコアを設定し、それに向けて集中的に対策を進めやすい試験です。目標達成に特化した学習計画を立てたい方には最適と言えるでしょう。

ケンブリッジ英検の受験がおすすめな人

ケンブリッジ英検は、長期的な英語力向上と永続的な証明を求める方に適しています。特に、ヨーロッパ圏での評価が高く、ビジネスシーンでの活用も期待できます。

英語力の証明を永続的にしたい人

ケンブリッジ英検の最大の特長の一つは、一度合格すればその証明書に有効期限がないことです。IELTSのように通常2年ごとに再受験する必要がなく、長期的に自身の英語力を証明し続けたい場合に非常に有効です。生涯にわたる英語力の証として活用できるため、将来的なキャリアプランを考える上で安心感があります。

ビジネスシーンでの活用を考えている人

ケンブリッジ英検は、特にヨーロッパ圏を中心に、企業やビジネススクールで高い評価を得ています。FCE(First Certificate in English)やCAE(Certificate in Advanced English)といった上位レベルの資格は、ビジネスにおける実践的なコミュニケーション能力や専門的な英語力を示すものとして認識されています。履歴書に記載することで、国際的なビジネス環境での活躍を目指す上で大きな強みとなります。

総合的な英語力向上を目指したい人

ケンブリッジ英検は、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能をバランス良く評価する試験です。試験対策を通じて、単にスコアを上げるだけでなく、実践的な英語コミュニケーション能力全般の底上げが期待できます。特に、ライティングやスピーキングでは、論理的思考力や表現力が問われるため、総合的な英語力を着実に高めたい方には最適な試験と言えるでしょう。試験準備のプロセス自体が、あなたの英語学習をより深く、実践的なものへと導きます。

以下に、あなたに最適な試験を選ぶための比較ポイントをまとめました。

項目 IELTS ケンブリッジ英検
主な目的 留学・海外移住、特定の教育機関・ビザ申請、具体的なスコア達成 総合的な英語力向上、永続的な英語力証明、ビジネス・キャリアアップ
証明書の有効期限 通常2年間 なし(永続的)
結果の形式 スコアバンド(0.0~9.0) 合格・不合格(CEFRレベルで評価、合否の目安も提示)
主な利用シーン 大学・大学院入学、ビザ申請、専門職登録、英語圏での就職 履歴書、欧州での就職・進学、生涯学習、教員採用
試験対策の重点 目標スコア達成のための効率的な対策、試験形式への慣れ 総合的な英語力、特に実践的なコミュニケーション能力の向上

IELTSとケンブリッジ英検 受験準備と申し込み方法

各試験の受験申し込み方法

IELTSとケンブリッジ英検、それぞれの試験には独自の申し込みプロセスと注意点があります。ここでは、各試験の申し込み方法について詳しく解説します。

IELTSの受験申し込み方法

IELTSの受験申し込みは、主にオンラインで行われます。日本国内では、ブリティッシュ・カウンシルとIDP Educationが試験を運営しており、それぞれの公式サイトから申し込むことができます。

  • 公式サイトでの申し込み: ブリティッシュ・カウンシルまたはIDP Educationの公式ウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成します。

  • 試験日程と会場の選択: 希望する試験日と試験会場を選択します。IELTSにはペーパー版とコンピューター版があり、それぞれ試験日程が異なります。

  • 必要書類のアップロード: 有効なパスポートのコピー(顔写真ページと署名ページ)をアップロードする必要があります。パスポート以外の身分証明書は原則として認められません。

  • 受験料の支払い: クレジットカードなど、指定された方法で受験料を支払います。支払い完了後に申し込みが確定します。

  • 確認メールの受信: 申し込み完了後、確認メールが届きます。試験の詳細(試験時間、会場地図など)が記載されているので、必ず確認してください。

IELTSのスピーキングテストは、筆記試験とは別の日に行われる場合があるため、申し込み時にスピーキングテストの日程も確認しておくことが重要です。

ケンブリッジ英検の受験申し込み方法

ケンブリッジ英検の受験申し込みは、世界各地にあるケンブリッジ英語検定の認定試験センターを通じて行われます。日本では、複数の認定試験センターが試験を実施しています。

  • 認定試験センターの検索: ケンブリッジ英語検定の公式サイトで、お住まいの地域や希望する試験レベルに対応する認定試験センターを検索します。

  • 試験日程の確認: 各試験センターのウェブサイトで、希望するレベルの試験日程を確認します。ケンブリッジ英検はIELTSに比べて試験日が限定されていることが多いです。

  • 申し込み手続き: 試験センターの指示に従い、オンラインまたは郵送で申し込み手続きを行います。必要事項の記入や写真の提出が求められることがあります。

  • 受験料の支払い: 試験センター指定の方法で受験料を支払います。支払い方法はセンターによって異なります。

  • 受験票の受け取り: 申し込みと支払いが完了すると、受験票や試験に関する詳細情報が送付されます。試験当日に必要となるため、大切に保管してください。

ケンブリッジ英検は、レベルごとに試験形式や内容が大きく異なるため、申し込み前に受験するレベルを慎重に選択することが大切です。

おすすめの対策教材と勉強法

IELTSとケンブリッジ英検、それぞれの試験に特化した対策を行うことで、効率的に目標スコアやレベルに到達することができます。ここでは、おすすめの対策教材と具体的な勉強法をご紹介します。

IELTS対策のおすすめ教材と勉強法

IELTSは実践的な英語力が問われるため、過去問演習とアウトプット練習が非常に重要です。

  • 公式教材: 『The Official Cambridge Guide to IELTS』や『Cambridge IELTS』シリーズ(過去問題集)は必須です。これらで問題形式に慣れ、時間配分を意識した練習を重ねましょう。

  • リスニング対策: 多様な英語の音声(ニュース、ドキュメンタリー、ポッドキャストなど)を聞き、シャドーイングやディクテーションを取り入れましょう。IELTSのリスニングは、様々なアクセントに対応できるよう、幅広い音源に触れることが大切です。

  • リーディング対策: 英語の新聞や雑誌、学術記事などを読み、速読力とキーワードを見つける力を養いましょう。設問タイプごとの解答戦略を立て、時間内に正確に答えられるよう練習します。

  • ライティング対策: Task 1(図表描写)とTask 2(エッセイ)それぞれにテンプレートを用意し、語彙や文法の幅を広げましょう。実際にエッセイを書き、ネイティブスピーカーや経験者に添削してもらうことで、具体的な改善点が見えてきます。

  • スピーキング対策: 日常的なトピックから抽象的なトピックまで、幅広いテーマについて話す練習をしましょう。IELTSのスピーキングは面接形式のため、オンライン英会話や言語交換パートナーとの練習が非常に有効です。録音して自分のスピーチを客観的に聞くことも役立ちます。

ケンブリッジ英検対策のおすすめ教材と勉強法

ケンブリッジ英検は、文法や語彙の正確性、そして各パートの試験形式への慣れが重要です。受験するレベルに応じた対策が必要です。

  • 公式教材: 各レベル(例: FCE, CAE, CPE)に対応した『Cambridge English Objective』シリーズや『Cambridge English Trainer』シリーズなど、公式の対策教材を活用しましょう。これらには、試験形式に沿った練習問題が豊富に含まれています。

  • Reading and Use of English対策: 文法と語彙の知識が直接問われるため、専門の文法書や語彙集を使って基礎力を固めましょう。特に「Use of English」パートは、穴埋めや語形変化など、特定の形式に慣れるための反復練習が必要です。

  • Writing対策: 各レベルで求められるエッセイ、レポート、Eメールなどの形式を理解し、構成力と表現力を磨きましょう。模範解答を参考にしながら、実際に多くの文章を書き、添削を受けることが上達への近道です。

  • Listening対策: 様々なシチュエーションの会話やモノローグを聞き取り、要点を正確に把握する練習をしましょう。ディクテーションや要約練習も効果的です。

  • Speaking対策: ケンブリッジ英検のスピーキングはペアまたはトリオ形式で行われるため、他の受験者とのインタラクションの練習も重要です。試験形式に慣れるため、模擬試験を受けたり、パートナーとロールプレイングをしたりすることをおすすめします。

どちらの試験にも共通して言えるのは、継続的な学習と目標達成への強い意志です。日々の学習計画を立て、着実に実行していきましょう。

受験当日の注意点

試験当日は、これまでの努力を最大限に発揮できるよう、落ち着いて臨むことが大切です。IELTSとケンブリッジ英検、それぞれの試験に共通する注意点と、固有の注意点を確認しましょう。

共通の注意点

  • 持ち物を確認: 有効な身分証明書(IELTSはパスポートのみ、ケンブリッジ英検は試験センターの指示に従う)、筆記用具(鉛筆、消しゴム)、受験票など、必要な持ち物を前日までに準備しましょう。忘れ物がないか複数回確認することが重要です。

  • 時間に余裕を持って到着: 試験会場への道順を事前に確認し、公共交通機関の遅延なども考慮して、集合時間よりも十分に早く到着するようにしましょう。遅刻すると受験できない場合があります。

  • 体調管理: 試験前日は十分な睡眠を取り、当日は朝食をしっかり摂りましょう。体調が優れない場合は、無理せず試験センターに連絡することも検討してください。

  • 試験官の指示に従う: 試験中は、試験官の指示に必ず従ってください。不正行為は厳しく禁止されており、発覚した場合は失格となります。

  • 水分補給: 試験時間は長いため、許可されている場合はペットボトルの水などを持参し、適宜水分補給をしましょう。ただし、試験中に音を立てないよう注意が必要です。

IELTS受験当日の注意点

  • スピーキングテストの日程確認: IELTSのスピーキングテストは、筆記試験と同じ日に行われることもあれば、数日前や数日後に行われることもあります。受験票でスピーキングテストの日時と会場を必ず確認し、間違えないようにしましょう。

  • ヘッドホンの使用: リスニングテストではヘッドホンを使用します。音量調整や装着感を確認し、テストが始まる前に問題がないか確認しましょう。

  • 解答用紙への転記時間: リスニングテストでは、音声が終了した後で解答を解答用紙に転記する時間が与えられます。この時間を有効活用し、スペルミスや文法ミスがないか最終確認しましょう。

ケンブリッジ英検受験当日の注意点

  • 試験形式への慣れ: Reading and Use of Englishパートは、複数のセクションに分かれており、時間配分が重要です。試験開始前に全体をざっと見て、時間配分の計画を立てましょう。

  • スピーキングテストのペア/トリオ形式: ケンブリッジ英検のスピーキングテストは、他の受験者とペアまたはトリオで行われます。自分の意見を明確に伝えるだけでなく、相手の意見を聞き、適切に反応する練習も生かしましょう。

  • 筆記用具の準備: 鉛筆だけでなく、消しゴムも忘れずに持参しましょう。特にUse of Englishパートでは、消しゴムを使う機会が多いかもしれません。

これらの注意点を踏まえ、万全の準備で試験に臨み、これまでの学習の成果を存分に発揮してください。

まとめ

IELTSとケンブリッジ英検は、どちらも国際的に認められた英語試験ですが、その「違い」を理解し、ご自身の「受験」目的や将来の目標に合わせて選択することが最も重要です。IELTSは留学や海外移住、特定のスコア提出が必要な場合に適しており、短期間での目標達成に焦点を当てています。一方、ケンブリッジ英検は一度取得すれば永続的に有効な英語力の証明となり、ビジネスや長期的な英語力向上を目指す方に最適です。この記事で解説したそれぞれの試験の特性やメリットを参考に、ご自身にとって最適な道を選び、英語学習の次のステップへと進みましょう。

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