IELTSにおすすめの単語帳の選び方|効率のよい勉強法も解説
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英語スキルを伸ばすためには、語彙力を高めることが最も大切です。語彙力とは「豊富な単語知識を有し、かつ実際に使いこなせる」という能力を指します。
「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4技能を測定するIELTSテストは、すべての技能試験において語彙力の高さが重要となります。IELTSテストで目標スコアを達成したい・さらなるスコアアップを目指したい場合は、単語帳を活用してさまざまな英単語を覚えておくとよいでしょう。
そこで今回は、IELTSテストに必要な英単語数から、学習に使う単語帳の選び方、さらにおすすめの単語帳・アプリ、効率のよい英単語の勉強法まで詳しく説明します。
1.IELTSのテストに必要な英単語の数
必要最低限覚えておくべき英単語の数は、IELTS™(以下、IELTS)の目標バンドスコアによって異なります。試験勉強に多くの時間を費やせない方は、まず目標スコアやIELTSスコア提出の期限、それまでの学習時間を明確にした上で、「どれくらいの英単語を覚えるとよいか」を考えましょう。
IELTSテストを受けるからには、できるだけ多くの英単語を覚えて語彙力を伸ばすことが大切です。基本的に、IELTSのオーバーオール・バンドスコア6.0を目指すのであれば3,000~3,500語、高レベルの海外大学への入学を目指すため7.0以上を目指す場合は10,000語以上の英単語を身につけることがおすすめです。
2.IELTSの学習に使う単語帳の選び方
IELTSテストによく登場する単語を覚えたいなら、単語帳の活用が最適です。学習に使用する単語帳を選ぶときは、以下で解説する4つのポイントを押さえるとよいでしょう。
2-1.自分の目指すスコアに合った単語帳を選ぶ
収録されている語数や単語の傾向は、単語帳によってそれぞれ異なります。
前述の通り、目標スコアによって必要最低限覚えておくべき英単語数も異なるため、必要な単語が網羅されている単語帳を選びましょう。基本的に、収録された語数や単語の傾向・難易度は単語帳のタイトルから読み取れます。
また、単語帳がいつ出版されたかを確認することも大切です。IELTSは試験内容を定期的に改定しているため、出版時期の古い単語帳では最新の出題傾向がカバーできないケースもあります。なるべく試験内容の改定を反映した最新の単語帳を選びましょう。
2-2.音声が付属しているものを選ぶ
単語帳を見て綴りと意味を覚えるだけの学習方法では、「その単語がどのような発音をするのか」が身につきません。語彙力の強化にはつながらず、リーディングテストとライティングテストでしか知識を発揮できない可能性もあります。
覚えた単語をリスニングテストやスピーキングテストでも活かすためには、CDや音声ファイルなどが付属している参考書がおすすめです。
音声が付属した参考書なら「単語を読んで紙に書く」だけの学習法にとどまらず、「耳で聴く」学習も可能となります。正しいアクセントを知れる上、より多くの単語が頭に定着しやすくなるでしょう。
なお、最近ではスマホで聴けるダウンロードタイプの音声ファイルが付属した参考書もあります。スマホに音声をダウンロードできるものであれば、通勤・通学中などの隙間時間を有効に活用して学習できるためおすすめです。
2-3.普段から持ち運びやすいものを選ぶ
電車での移動中やカフェでの休憩中の隙間時間を活用して、単語帳や参考書を開いて学習する方も多くいます。空いた時間にかばんからサッと出して勉強できるよう、持ち運びやすい単語帳を選ぶとよいでしょう。
小さめの単語帳は持ち運びやすさに長けており、小さいかばんに入れても邪魔にならず、大きいかばんなら内ポケットなどに収納することが可能です。よりコンパクトな単語帳を求めるなら、単語カードを自作するのもよいでしょう。
なお、持ち運びやすさに重点を置く場合は物理的な単語帳ではなく、IELTS用の学習アプリを活用するという手段もおすすめです。学習アプリであれば、普段肌身離さず持っているスマホで勉強できます。
2-4.IELTS用の単語帳を選ぶ
全国で販売されている英単語帳は、単純に幅広い単語を収録したものからほかの英語系資格向けのものまで、さまざまなジャンルがあります。
どのジャンルの単語帳においても、収録された単語や推奨される学習法は共通する部分も多いものの、IELTS用の単語帳であれば出題傾向に沿った頻出単語のみが厳選されるため、最も効率よく試験対策を進められるでしょう。
とはいえ、IELTS用の単語帳はその他英語系資格用の単語帳と比較して数が少ない傾向があります。高校レベルの基礎的な語彙力がそもそも足りていない状態であれば、より基礎的な単語知識を増やすという目的でその他英語系資格用の単語帳を活用するのもよいでしょう。
3.IELTSの勉強におすすめの単語帳・アプリ
「IELTSテストに向けて英単語帳や学習アプリを活用したいけど、どれを選べばよいか分からない」方は、下記をまず選ぶとよいでしょう。
- 完全攻略! IELTS英単語3500
- 実践IELTS英単語3500 改訂版
- IELTS必須英単語4400
- mikan
これらはIELTSテスト対策として代表的な単語帳・アプリで、多くのIELTS受験者に選ばれています。ここからは、それぞれの単語帳・アプリを詳しく紹介します。
3-1.完全攻略! IELTS英単語3500
『完全攻略! IELTS英単語3500』は初めてIELTSを受験する人から、苦手部分の対策やスコアアップを目指す人まで幅広く使える単語集です。2021年に出版された単語集であり、すべての例文に音声がついているのが特徴です。
全3,500語はそれぞれ「基本語彙」「分野別語彙」「熟語・チャレンジ語彙」「アウトプット語彙」に分類されています。これにより、基礎的な単語の学習だけでなく、苦手分野の頻出単語の学習や、スピーキング・ライティングにアウトプットするための語彙取得なども利用できます。
各単語の例文に付属している音声は、すべてイギリス英語で収録されており、見出し語と例文をセットで繰り返し聞いてリスニングスキルを鍛えられるのも魅力です。
また、ほとんどすべての単語には類義語と対義語がついており、関連する英単語を覚えやすいのも特徴です。
【出版社情報】
出版社 | アルク |
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著者 | コチェフ・アレクサンダー |
価格 | 3,300円(税込) |
3-2. 実践IELTS英単語3500 改訂版
『実践IELTS英単語3500 改訂版』は、海外留学を目指してIELTSアカデミック・モジュールを受験する方に向けて2013年に出版したものを、2024年2月に改訂した単語集です。
全3,500語は「基本語1,000」「重要語2,500」の2つにカテゴリ分けされており、IELTSスコア5.0以上を目指すのに必須となる基本語が1,000語、IELTSスコア7.5までをカバーできる重要語が2,500語収録されています。重要語2,500は、500語ずつレベル1~5の5段階で分類されているため、目標とするIELTSスコアに応じて学習しやすくなっています。
また、収録された単語のスペリングや付属する音声ファイルの発音はすべてイギリス英語となっていることも特徴です。IELTSテストでは主にイギリス英語が使用されるため、イギリス英語に慣れるという点でも役立つでしょう。
【出版社情報】
出版社 | 旺文社 |
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著者 | 内宮慶一、吉塚弘 |
価格 | 2,860円(税込) |
3-3.IELTS必須英単語4400
『IELTS必須英単語4400』は、IELTSテストの受験に必須となる英単語に加え、英熟語も収録された単語帳です。2016年に出版され、現在でもIELTSテストの試験対策テキストとして多くの方に人気があります。
全4,400語のうち、英単語は3,300語、英熟語は1,100語収録されています。出題されやすいフレーズを中心に掲載されているほか、単語ごとにA~Dの難易度が示されており、目標スコアごとに学習しやすい点も魅力です。単語ごとに英文例や和訳、パラフレーズが掲載されているため、効率的に学習できるでしょう。
【出版社情報】
出版社 | ベレ出版 |
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著者 | 林功、小玉英央 |
価格 | 2,970円(税込) |
3-4.mikan
『mikan』は、基礎レベルからハイレベルまで幅広いレベルの英単語が収録された学習アプリです。英単語の学習アプリとして圧倒的な知名度を誇っています。
2020年には、IELTSの共同開発団体が監修する書籍とのコンテンツ提携によって、アプリ内でIELTS向けの単語帳が配信されるようになりました。『mikan』ならではの「スムーズに習得できる英単語暗記」が組み合わさることで、さらに効率よく単語を学習できます。
また、2022年にはサブスクリプション加入者限定のサービスとなる『mikan PRO』内で『実践IELTS英単語3500 改訂版』『IELTS必須英単語4400』との連携コンテンツも提供されました。アプリ1つでIELTSの試験対策に役立つ2冊の単語帳を学習できる点は、非常に大きな魅力と言えるでしょう。
4.【IELTS向け】効率のよい英単語の覚え方・勉強法
IELTSで目標スコアを達成するにあたって、語彙力は重要な役割を果たします。
そもそも語彙力とは、「単語知識」ではなく「習得した単語を実際に使用できる能力」です。語彙力を確実に強化させるためには、英単語を効率よく覚えることが欠かせません。
効率のよい英単語の覚え方やおすすめの勉強法を紹介します。
4-1.間隔をあけて反復する
日常生活でよく目や耳にする言葉は自然と頭に定着するように、英単語も繰り返し見たり聞いたりすることで記憶にしっかりと刻まれます。
たとえ日本語であっても、一度見ただけの難しい単語を意味や使い方までインプットできるケースはそう多くありません。それが英語となると、難易度はさらに高まるでしょう。
一度習得した英単語を長期的に記憶するためには、間隔をあけて反復するのが大切です。通勤・通学中や就寝前の隙間時間に英単語を定期的に見たり聞いたりすることを習慣づけ、忘れないようしっかりと定着させましょう。
また、必ずしも毎日膨大な英単語を復習する必要はありません。単語のレベルや習熟のプロセスに応じて、反復の間隔を「1週間」「5日」「2日」などと設定するのもポイントです。
4-2.ビジュアルと紐付けて単語を覚える
日本人が慣れない英単語を学習するときは、「英単語を考える→和訳する→イメージする」というプロセスを踏むのが一般的です。しかし、ビジュアルと紐付けて英単語を覚えることによって、日本語を介さずダイレクトにイメージでき、よりスムーズに定着できるようになります。
ビジュアルと紐付けて単語を覚えるためには、「デュアルコーディング」の実施がおすすめです。デュアルコーディングとは、言葉による情報と視覚情報を組み合わせる学習を指します。新たに単語を覚えた際は、その単語を示す絵を描くなどしてイメージを図にすることで、感覚的に意味を理解できるようになるでしょう。
絵を利用したデュアルコーディングをする場合、すべての単語に絵を描く必要はありません。繰り返し単語帳を利用して学習する中で、どうしても覚えにくい単語や意味をとらえにくい単語に絞って絵を描くのがおすすめです。無理にすべての単語で絵を描こうとすると、時間がかかるだけでなく、覚えにくい英単語が埋没してしまい、かえって学習しにくくなります。
4-3.語彙ノートを作成する
単語の暗記は、語彙力を高めるのに欠かせない方法です。しかし、単語を覚えることだけが目的になってしまうと語彙力は高まらず、正しいIELTS試験対策とも言えません。覚えた単語を正しく使用できるようにするためにも、自分だけの語彙ノートを作成するとよいでしょう。
語彙ノートには、新たに覚えた単語や熟語のほか、その単語や熟語の意味・和訳・自分で考えた例文を記録します。動詞・形容詞・名詞などの変化を同時に書き留めることもポイントです。
また、作成した語彙ノートは定期的に確認し、反復しておきましょう。
4-4.同義語や対義語も覚える
単語を学習するときには、同義語や対義語も覚えれば、より効率よく学習できます。同義語は「似たような意味をもつ単語」、対義語は「正反対の関係にある単語」のことです。なお、対義語は「反義語」とも呼ばれます。
例えば「可愛い」は「Cute」のほか「Pretty」「Adorable」などあらゆる言い方があるように、英語には似たような意味をもつ単語が複数あります。IELTSテストではパラフレーズが用いられる設問も多々あるため、特に同義語はしっかりと覚えておくことが必要です。
各単語の細かなニュアンスを把握できれば、実際に英文を話すときは豊富なボキャブラリーから最適な単語を選択できるようになり、さらなる語彙力の強化につながるでしょう。
4-5.発音も同時に覚える
IELTSテストには、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能があります。リーディング・ライティングは英単語力を高めればある程度のスコアを目指せますが、リスニング・スピーキングに関しては発音も覚えていなければ目標スコアへの到達は期待できません。
IELTSの総合評価であるオーバーオール・バンドスコアは、各スキルの個別バンドスコアで決まります。少しでもよい結果を収めるためには、単純に単語の文字を覚えるだけでなく、それぞれの単語がどのように発音されるかも理解しておきましょう。
発音を覚えるときには、実際に耳で聞くのが最も効果的です。単語帳に付属されているリスニングCDを聴いたり、実際にネイティブの方と会話したりして、単語とともに正しい発音も同時に覚えることを心がけましょう。
4-6.文脈込みで単語を覚える
単語学習の際は、単語や文字列だけを覚えるのではなく、文脈もあわせてインプットすることが大切です。
文章の中に出てくる単語を覚える方式は、具体的な意味やその単語が持つニュアンスが記憶に残りやすく、覚えた単語がどのようなシーンで使用されるかを深く理解できるようになります。
また、文脈込みで単語を覚える際は、ストーリー仕立ての例文を活用するケースも多々あるでしょう。ストーリー仕立ての例文を活用した学習法は、「覚える」よりも「読む・理解する」という方向に意識が向くため、得られた単語知識がより定着しやすいことも特徴です。
4-7.アウトプットする時間を取る
語彙力の強化を目指すにあたり、アウトプットは重要です。
目標とするIELTSスコアへの到達に向けて幅広い単語を覚えることはもちろん大切ですが、覚えた単語を正確に使用するスキルを高めるためには、「ひたすらアウトプットをする」以外に方法はないと言っても過言ではありません。
アウトプットの方法には複数ありますが、最も効率のよい方法を選択したいのであれば、ネイティブの方や英語力の高い日本人の方と英語でコミュニケーションをとることがおすすめです。
会話をしながら自分で考えた英文を発信すれば、単語の使い方を使用シーンとともに「体験」として記憶できます。また、相手が話す英語から新たな単語を習得したり、正しい使い方を吸収したりでき、さらなるインプットにもつながるでしょう。
5.IELTS対策として英単語を覚えるスケジュール
IELTSにおける単語学習では、反復学習を通して定着させることが重要です。その日に覚えた単語をしっかりと記憶に残すためには、「朝一番」または「就寝前」に勉強することがおすすめです。
基本的に、就寝前は暗記による勉強におすすめのタイミングとされています。特に寝る前の5分は「記憶のゴールデンタイム」と呼ばれており、この時間帯に覚えた情報は長期記憶に変換されやすくなっています。
寝る前に覚えた英単語を朝一番に復習すれば、記憶のゴールデンタイムによるさらなる効果も期待できるでしょう。
また、一度覚えた単語を時間の経過によって忘れないよう、「4日暗記・2日復習」のスケジュールを習慣づけることも大切です。
4日暗記・2日復習とは、1週間のうち続けて4日間はひたすら英単語を暗記し、その後2日間は復習にあてるという学習スケジュールを指します。例えば月曜日から勉強し始める場合、木曜日までは毎日新たな単語を覚え、金曜日から土曜日にかけて覚えた単語を総復習します。
1日で覚えられる語数や適切なペースには個人差があるため、自分のキャパシティに応じて計画を立てましょう。また、4日暗記・2日復習のスケジュールで学習する際も、朝一番と就寝前の暗記は欠かさず続けることをおすすめします。
まとめ
IELTSテストでは、語彙力の高さが重要な評価基準となります。語彙力を強化するためには、実際の英語でのコミュニケーションにおいて流暢かつ正確に扱える単語の数が欠かせません。
IELTSテストで頻出する単語を覚えたいなら、IELTS向け単語帳やアプリを活用することがおすすめです。
また、できる限り短期間で英単語力を伸ばしたい方や独学では不安という方は、IELTS専門のオンライン英会話スクールやマンツーマンレッスンでプロの講師から指導を受けるのもよいでしょう。
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