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IELTS参考書・問題集・単語帳の選び方と初心者向けおすすめ教材

IELTS対策について

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IELTS™(以下、IELTS)は、英語圏への留学・就労・移住に向けて、英語4技能(聞く・読む・書く・話す)の熟練度を測定するテストです。大学によっては一定のIELTSスコア以上が入学条件として定められています。

また、IELTSは英語力が高ければ高いほど有利ではあるものの、IELTS特有の問題が数多く出題されます。初心者はもちろん、中級者~上級者であっても、参考書をはじめとした教材を活用することが大切です。

今回は、IELTSの受験対策における各種教材の必要性や選び方、さらに各種教材を用いた勉強方法と注意点を紹介します。また、初心者向けのIELTSおすすめ教材や試験情報についても詳しく説明するため、ぜひ参考にしてください。

1.IELTSの勉強に参考書・問題集・単語帳はすべて必要?

IELTSの勉強に活用できる教材には、「参考書」「問題集」「単語帳」の3種類が挙げられます。各種教材の特徴は、下記の通りです。

参考書 IELTSの出題内容や傾向、さらに適切な学習法と攻略法をまとめた教材
問題集 IELTSで実際に出題されるような演習問題・模擬試験問題をまとめた教材
単語帳 IELTSテストに役立つ英単語が網羅された教材

教材によって特徴が違えば役割も異なります。参考書でIELTSの概要や特徴、主な学習方法を理解し、問題集でひたすら演習問題を解きつつ、単語帳で単語力・語彙力を強化するという流れが基本です。

したがって、IELTSで目標スコアを取得するためには、できる限りすべての教材を準備し、それぞれ使い分けながら学習を進めていくとよいでしょう。

2.IELTSの参考書・問題集・単語帳の選び方

IELTSの受験対策や英語学習に取り組む上で、参考書・問題集・単語帳の各種教材を活用することは非常に重要です。しかし、英語力のアップを目指せる各種教材は幅広い出版社から豊富に販売されており、教材によって収録内容やレベル感も大きく異なります。

自分に合った教材を見つけるためにも、以下で紹介する選び方のポイントを参考にしてください。

2-1.IELTS専用の参考書・問題集・単語帳を選ぶ

「英語教材」とひとくちに言っても、基礎的な英語を学べるものや旅行・仕事など特定シーンで使える英語のみを収録したもの、何らかの英語試験の対策に特化したものなど、ジャンルは多岐にわたります。

IELTSの目標スコア取得を目指すにあたっては、「IELTS専用」の参考書・問題集・単語帳を活用することが一般的です。

TOEIC®(以下、TOEIC)やTOEFL iBT®(以下、TOEFL)の教材は、英語力を全般的に伸ばす程度の利用であれば問題ないでしょう。しかし、TOEICやTOEFLの試験内容や出題傾向はIELTSと異なり、高いIELTSスコアを取得したい方には向いていません。

また、IELTSには独自の問題形式・評価基準が設けられています。これらを理解するためにも、専用の教材を用いた学習は不可欠と言えるでしょう。

IELTSでは、実際の試験問題の作成団体であるBritish Council、IDP、ケンブリッジ大学英語検定機構による公式問題集もあります。IELTSテストの傾向を知った上で試験対策を進めるためにも、1冊は持っておくとよいでしょう。

2-2.受験するIELTSの種類から選ぶ

IELTSテストには、「アカデミック・モジュール(以下アカデミック)」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール(以下ジェネラル・トレーニング)」の2つが存在しており、英語力を測定する目的に応じていずれかのモジュールを選択することとなります。

アカデミックとジェネラル・トレーニングによるスコアの利用シーンは異なるため、試験内容もやや異なります。したがって、IELTS専用の教材を選ぶ際は、自分が受けるモジュールに対応した教材を選びましょう。

なお、IELTS専用の教材には、「アカデミック版」と「ジェネラル・トレーニング版」というように対応モジュールが分けられているものもあれば、双方のモジュールに対応しているものもあります。

2-3.日本語版・英語版から選ぶ

IELTS専用の教材には、「国内で出版されたもの」と「海外から輸入・出版されたもの」の2つがあります。国内出版の教材は日本語で解説されている一方で、海外輸入の教材は基本的に英語で解説されていることが特徴です。

初心者が英語で解説された海外輸入の教材から手に取っても、内容をしっかりと理解することは難しく、問題や解説の理解を誤ってしまう可能性があります。したがって、英語学習初心者や、IELTSの目標スコアの目安が「5.5~6.0(現在のスコアが5.5未満)」の方の場合は、日本語で解説された国内出版の教材から始めるとよいでしょう。

しかし、実際のIELTSテストはすべて英語で記述されるため、国内出版の教材である程度英語力を身につけたらできる限り早い段階で公式問題集に移行するのがおすすめです。

なお、英語学習に慣れた方やすでにある程度の英語力が身についており、IELTSスコア6.5以上を目標とする方の場合、英語で解説された海外輸入の教材を使用することで、より効率的に英語への理解度を深められます。

2-4.スコアアップしたい科目から選ぶ

英語圏の大学入学などで条件とされるIELTSスコアは、「オーバーオール・バンドスコア」を指します。

オーバーオール・バンドスコアは、IELTS各種テスト科目のバンドスコアから平均値を算出したものであり、目標スコアに到達するためには各科目で同等スコアを取得することがポイントです。

IELTS専用の参考書・問題集・単語帳の中には、科目ごとに特化した内容のものもあります。最終的なオーバーオール・バンドスコアを上げるため、苦手な科目を克服・強化したい場合は、苦手科目に特化した教材を選ぶとよいでしょう。

また、IELTSリスニングテスト・リーディングテストはスコアを伸ばしやすい科目とも言われています。スコアを伸ばしやすい科目で点数を稼ぎ、オーバーオール・バンドスコアを底上げする戦略も有効です。

3.IELTSの参考書・問題集・単語帳を使った勉強法

IELTS初心者は、最初からいきなり問題を解こうとするのではなく、IELTSテストを理解するところから始めるようにしましょう。IELTSテストを理解しないまま問題を解いても正解を導き出しにくいほか、最適な勉強法を見出せず学習の効率性が大幅に低下するおそれもあります。

そこで次に、IELTSの参考書・問題集・単語帳を用いた勉強法を詳しく紹介します。

3-1.参考書に基づいて現状レベルを確認して学習計画を立てる

IELTSの受験勉強を始める際は、まず参考書を読んでIELTSの試験内容や評価基準を理解してから実際に問題集を解いていきましょう。このとき、ひたすら問題を解くのではなく、試験本番の時間内でどれだけの問題を解けるかチャレンジし、現状レベルを確認することがポイントです。

自分の現在の英語力や学習レベルを把握すれば、「一定のスコアに到達するためには後どれくらいの勉強が必要なのか」が自ずと見えてくるでしょう。学習計画を立てやすくなり、試験対策の効率性を高めることにもなります。

現状レベルの確認には、IELTS公式問題集で問題を解くというやり方のほか、オンライン模擬テスト「IELTSプログレス・チェック」もおすすめです。IELTS専門の採点者による評価と公式のフィードバックレポートによって、テスト全体および分野ごとのバンドスコア目安が把握できます。

3-2.必要な勉強時間の目安を確認する

自分の現状レベルを確認できたら、試験日程と目標スコアを定めましょう。

一般的に、IELTSスコアを「0.5~1.0」上げるためには、平均200~300時間(英語に接する機会の少ない日本人はこの2~3倍の時間)の勉強が必要と言われています。この勉強時間をベースに、目標スコアを取得するのに必要な勉強時間と勉強スケジュールを、試験当日の日程から逆算して決めるとよいでしょう。

出典:Cambridge English Support Site「Guided learning hours」

しかし、上記の平均勉強時間はあくまでも1つ上のレベルに進む場合の目安であり、2つ以上のスコアアップを目指す方は、それ以上の勉強時間が必要となることがほとんどです。また、英語学習初心者の場合はIELTSテストへの理解に時間がかかる可能性もあるため、やや余裕をもって勉強時間を確保しておきましょう。

3-3.英語学習初心者はまず基礎を固める

英語学習初心者の場合は、勉強時間を長めに確保しておくだけでなく、まず英語の基礎を固めることも重要です。
そのため、中学校の授業で習う英単語と英文法も網羅した参考書選びをおすすめします。

授業で習う内容は、IELTSテストの全パートにおいても基礎となっています。英語の基礎ができていない状態でIELTSの勉強をしても、応用スキルをしっかりと身につけられず、学習効果は半減します。

英語学習初心者はもちろん、中高で習うような英語を完全に理解できていない方は、まずは英語初級者向けの教材である程度の基礎スキルを身につけてから、単語力や表現力を強化するとよいでしょう。

4.参考書・問題集・単語帳を使ってIELTS対策する際の注意点

IELTSの目標スコアを目指すために、参考書・問題集・単語帳といった各種教材の活用は欠かせません。しかし、一度にたくさんの教材を使うとそれだけ負担が重くなり、学習内容が中途半端になったり、途中で挫折してしまったりするおそれがあります。

このように、参考書・問題集・単語帳を使ったIELTS対策には注意すべきポイントもいくつか存在します。ここからは、具体的な注意点を3つ紹介します。

4-1.教材を購入しただけで満足しない

英語学習初心者にありがちな問題として、「教材を購入して満足してしまう」ことが挙げられます。教材を購入しただけで満足する方は、その後教材を活用した勉強にやる気が出ず、結果として目標スコアを取得できなくなります。

IELTS専用教材の購入は、あくまでスタートラインに立っただけです。「たくさんの教材を買ったのに」と嘆く結果にならないよう、購入した教材を使って「最後のページまで解き進める」ことを目標に学習しましょう。

また、教材の購入で満足感を得る方は、幅広いレベル感・ジャンルの教材を何冊も購入する傾向にあります。

重要なのは、自分に合った適切な参考書・問題集・単語帳を手に取って活用することです。何冊も購入して、結局活用しないままテスト本番を迎えてしまうという事態を防ぐためにも、確実に最後まで活用できる必要最低限の教材を厳選しましょう。

4-2.問題を解いて終わりにしない

参考書や問題集を使って問題を解き進めるのは当然大切ですが、単純に問題を解いて採点するだけでは英語力は伸びません。

問題集の採点後は、間違えた問題を中心に復習することが大切です。間違えた問題を復習すれば、「なぜ間違えたのか」「なぜその解答が正解となるのか」を深く理解できるようになります。

また、復習する際は復習ノートを作成し、過去にどのような問題を間違えたかを記録しておくことも大切です。間違いやすい問題の傾向や弱点の分析がしやすくなります。

4-3.復習後は再受験する

復習後には再受験を行いましょう。つまり、再度問題集を解きなおし、復習内容がしっかりと定着しているか、復習済みの問題が本番で出題された場合に目標スコア以上を取れるかをチェックします。一度説いた問題を再度復習すれば、間違いやすい問題の克服にもつながります。

どれほど復習をしても、再受験時に同様のミスをしてしまうケースは少なくありません。再受験して解けなかった問題は、完璧になるまで繰り返し復習・受験しましょう。

再受験が可能なのは、教材を解いているときだけではありません。コンピューター版IELTSを特定の試験会場で受験した場合、試験日から60日以内であれば1技能に限り再受験できる「IELTS One Skill Retake」が利用可能です。目標スコアを効率よく目指すためにも、積極的に活用することをおすすめします。

IELTSでは、ペーパー版・コンピューター版のそれぞれに、本番に近い形式の練習問題が用意されています。パートごとの出題内容や問題形式の把握に向けて、活用してください。

5.初心者におすすめのIELTS参考書・問題集・単語帳

IELTS対策用の教材は、国内外問わず豊富に出版されています。

ここでは、数あるIELTS専用の参考書・問題集・単語帳の中から、幅広い受験者におすすめの教材を概要や特徴とともに紹介します。

「自分に合った参考書・問題集・単語帳それぞれの教材を知りたい」「IELTSテストを受けるにあたって、“これだけは持っておくべき”という教材から購入したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

5-1.おすすめのIELTS参考書|ケンブリッジのIELTS公式ガイド

IELTS専用の参考書の中でも、特におすすめなのが『ケンブリッジのIELTS公式ガイド』です。IELTSテストの設問作成団体であるケンブリッジケンブリッジ大学英語検定機構が制作した教材であり、初の総合ガイドとして多くのIELTS受験者に選ばれています。

【『ケンブリッジのIELTS公式ガイド』の特徴】

  • IELTSの概要と各テストパートの解説付き
  • アカデミックとジェネラル・トレーニングの両方に対応
  • 8回分のアカデミック模擬テストと2回分のジェネラル・トレーニングテストが収録
  • 実際のスピーキングテストの様子と採点方法を解説したDVD-ROM付属

洋書版と日本語版がありますが、日本語版はオリジナルの洋書教材に日本語カバーが付いているのみで、内容は同じです。

5-2.おすすめのIELTS問題集|IDP Education IELTS公認問題集

『IDP Education IELTS公認問題集』は、IELTS共同運営団体およびIELTS試験実施主体である「IDP Education」と、あらゆる英語資格試験のスコアアップに定評のある専門スクール「English Innovations」の共同制作によって出版された公認問題集です。

【『IDP Education IELTS公認問題集』の特徴】

  • アカデミックに特化
  • 英語4技能の対策ポイントに加え、本番さながらの完全模試2回分が収録
  • 英語圏の大学入学要件として一般的なスコア「6.5以上」を目指した内容
  • IELTSのエキスパートによる日本語での分かりやすい解説(図・イラスト付き)

付属音声データはアメリカ・イギリス・ロシア・カナダそれぞれのナレーターが収録しているため、英語圏のあらゆるアクセントに慣れることが可能です。

5-3.おすすめのIELTS単語帳| 完全攻略! IELTS英単語3500

『完全攻略! IELTS英単語3500』は、海外留学・移住を目指す方向けのIELTS専用の英単語帳です。例文とともに豊富な単語が見開きいっぱいに掲載されており、英単語力を効率よく高められます。

【『完全攻略! IELTS英単語3500』の特徴】

  • アカデミックに特化
  • テキスト収録単語や音声データのスペリング・イントネーションはすべてイギリス英語
  • 暗記に便利な赤シート付き
  • 電子版(Kindle)もあり携帯やタブレッドからも見れる

IELTSに必要な「基礎語彙」だけでなく、教育や歴史などトピック毎の頻出単語をまとめた「分野別語彙」、スピーキング・ライティングで使える語彙をまとめた「アウトプット語彙」も記載されています。

IELTSにおすすめの単語帳の選び方|効率のよい勉強法も解説

6.IELTSの種類と試験情報

前述の通り、IELTSテストはアカデミックとジェネラル・トレーニングの2つのモジュールがあります。

アカデミックは、英語圏の大学・大学院への留学希望者に向けたモジュールで、一定のIELTSスコアを入学要件として定める大学も多くあります。

一方で、ジェネラル・トレーニングは英語圏での就職・移住希望者に向けたモジュールです。ジェネラル・トレーニングにおけるIELTSスコアは、海外ビザの取得申請時や海外企業の応募時などに必要とされます。

アカデミックとジェネラル・トレーニングのテスト科目数はいずれも4つで、試験形式もペーパー形式とコンピューター形式の2つとなっています。また、各テストの受験料やキャンセル・変更にかかる費用などにも違いはありません。

受験料やキャンセル料、追加成績証明書の発行金額は受験手続きを行う団体(IDP、ブリティッシュ・カウンシル、英検協会など)によって異なります。以下の表に記載された受験料やキャンセル料などの金額は、IDPのものです。

項目 詳細
科目数 4科目(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)
所要時間
(4科目合計)
コンピューター形式 約2時間45分
ペーパー形式 約3時間
受験料 27,500円(税込)
キャンセル料 6,050円(税込)
変更料(日程・会場・モジュール)
追加成績証明書
  • 5通まで:無料
  • 5通を超える場合:1通につき1,200円(税込)
  • 書留(国外の場合EMS)手数料:1通につき2,500円(税込)
  • 国際宅配便(海外のみ)手数料:1通につき10,000円(税込)
再採点申請
15,000円(税込)
1科目の再受験料
18,000円(税込)
1科目の再受験申請
(IELTS One Skill Retake)
2023年12月より開始したサービス詳細は以下リンクよりご確認ください。https://ieltsjp.com/japan/about/ielts-one-skill-retake

出典:IDP IELTS 日本「受験料・その他費用」

出典:IDP IELTS 日本「1技能だけ再受験できるOne Skill Retakeがスタート」

6-1.事前準備が必要なもの

日本人がIELTSテストを申し込むにあたっては、準備しなければならないものがいくつかあります。事前準備が必要なものは、下記の3点です。

  • パスポート
  • 支払い用のクレジットカード
  • スマートフォンまたはパソコン

パスポートは本人確認のためにも試験当日に必要となりますが、申し込みの際にも試験当日に有効なパスポートの画像データが必要です。パスポートを持っていない場合は、申し込みまでに取得しておきましょう。

また、受験料の支払いにコンビニ払いを選択する場合、支払い用クレジットカードは必要ありません。しかし、定められた支払い期限を過ぎると申し込みが無効となるため、期限までに支払いを忘れないよう注意しましょう。

なお、スマートフォンまたはパソコンに関しては、申し込み手続きとパスポートの撮影・画像データのアップロード時に必要となります。受験会場および集合場所はメールで改めて通知されるため、メールアドレスの準備と定期的なメール確認も忘れずに行いましょう。

出典:IDP IELTS 日本「IELTSのお申込み方法」

まとめ

IELTS対策本には参考書・問題集・単語帳の3種類があり、教材によって役割も大きく異なります。目標スコアを取得するためにも、できる限りすべての種類の教材を揃えておきましょう。

また、参考書・問題集・単語帳はそれぞれIELTS専用のものを選ぶほか、受験モジュールや目標スコア、現状レベルに応じて適切な英語書籍を選ぶことが大切です。また教材の購入や一度の解答だけで満足せず、復習を繰り返すことは目標スコア到達への近道でもあります。

当記事を参考に、ぜひ自分に合ったIELTS教材を選んでみてはいかがでしょうか。

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