自宅で受験できるIELTS Online|概要からテスト当日の流れまで解説
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1.IELTSとは?
IELTS(Internatioal English Language Testing System)は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの英語圏に留学や就労、もしくは移住する方の英語力測定を目的とした英語試験です。
毎年世界で約400万人が受験しており、日本では東京・大阪を含む13都市でIELTSの受験をすることができます。
IELTS試験は以下の表のように構成されています。
Listening | Reading | Writing | Speaking | |
時間 | 30分 | 60分 | 60分 | 約14分 |
問題数 | 40問 | 40問 | 2問 (Task1+Task2) |
3パート |
IELTSには「Academic Module」と「General Training Module」の2つのモジュールがありますが、モジュールによって試験時間・問題数が変わることはありません。
IELTS試験について更に詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
1-1.IELTSの受験方式
IELTSは、4技能(聞く、読む、書く、話す)をテストします。
ListeningおよびSpeakingのテストはAcademicとGeneral Trainingで同じ内容を行いますが、ReadingとWritingのテストは異なる内容を扱います。
- Academic:大学の講義、学術論文といった学術的な内容
- General:日常生活や職場でのやり取りを想定した内容
また、IELTSには以下の3つの受験方法があります。
- IELTSコンピューター版
- IELTSペーパー版
- IELTSオンライン版(IELTS Online)
それぞれの受験方法を詳しくみていきましょう。
IELTSコンピューター版 |
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IELTSコンピューター版は、ペーパー版よりもより多くの試験日程から選択でき、結果もペーパー版よりも早く知ることができます。
Writingでは、文字数カウントもコンピューターがしてくれるため自分で数える必要がありません。
また、普段からパソコンを使用しており、タイピングが得意な方はコンピューター版で受験することをおすすめします。
IELTSペーパー版 |
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IELTSペーパー版は、回答を紙に記入する形式なので、紙版の試験に慣れている日本人受験者にとっては敷居が低いのではないかと思います。
IELTSの成績証明書(Test Report Form)は、筆記試験日から13日目に発行され、郵送されます。
IELTSオンライン版(IELTS Online) |
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IELTSテストセンターに行かず、自宅でIELTS受験ができる試験です。
試験内容はIELTSコンピューター版やペーパー版と変わらず同じで、Speaking試験はIELTS試験官とビデオ通話で行います。
こちらもIELTSコンピューター版と同様、普段からパソコンを使用しており、タイピングが得意な方におすすめです。
2.IELTSオンライン版「IELTS Online」とは?
IELTSオンライン版「IELTS Online」とは、自宅などからオンラインでIELTS Academic Moduleの受験ができる試験方式です。
パソコンとインターネット、そして集中してIELTS受験ができる環境さえあれば、どこからでも受験することができます。
また、試験内容はIELTS Academicのコンピューター版とペーパー版と同様、Listening・Reading・Writing・Speakingの4技能すべてをカバーすることができます。
よく混同しやすいのがIELTSコンピューター版とIELTS Onlineです。
この2つのタイプの受験方法で大きく異なる点は、以下の点です。
IELTSコンピューター版 | IELTS Online | |
受験場所 | IELTSテストセンター | 自宅 |
対応モジュール | Academic/ General Training |
Academic |
Speaking受験方法 | 対面 | ビデオ通話 |
反対にIELTSコンピューター版とIELTS Onlineの共通点は、
- テスト時間
- テスト内容
となっています。
IELTSコンピューター版について詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
2-1.必要な機器と受験環境
IELTS Onlineを受験する際は以下の機器を準備していただく必要があります。
- デスクトップまたはノートパソコン(モニターは1台のみ)
スマートフォンやタブレットでは受験できません。
パソコンで受験する際、パソコンの管理者権限が必要です。 - スピーカー
イヤホン/ ヘッドフォン不可 - カメラとマイク(内臓または外付け)
受験中はカメラとマイクを常にオンにする必要があります。 - IELTS試験当日に有効なパスポート
IELTS Onlineでは、イヤホンやヘッドフォンを使用することができないため、Listening試験で音声を聞きづらいと感じる方もいるかもしれません。
また、内蔵カメラがないパソコンを使用している方もいるかもしれないので、IELTS Onlineを受験する前にしっかりと確認しておきましょう。
IELTS Onlineを受験する際、パソコンのハードウェアとソフトウェアも確認するのを忘れないようにしてください。
必要なハードウェアとソフトウェア |
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IELTS Onlineでは、人とAIの両方を使用し、遠隔で試験監督を行います。
IELTS Onlineを受験するためには、IELTS OnlineのプラットフォームであるInspera Exam Portalソフトウェアを必ずインストールする必要があります。
IELTS Onlineを予約後、登録されているメールアドレスにソフトウェアダウンロードのリンクが送られてきますので、受験日の前日までにはダウンロードし、問題なく動作するか確認するようにしてください。
IELTS Online当日、テストが開始されるとInspera Exam Portal以外のブラウザはロックされアクセスすることができなくなります。
2-2.受験当日の流れ
ここではIELTS Onlineの受験当日の流れを説明します。
IELTS OnlineはSpeakingとListening/ Reading/ Writingの受験日が異なり、別日に予約となります。
まず初めにSpeaking試験当日の流れを説明します。
IELTS Online Speakingテスト当日の流れ |
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次にListening・Reading・Writing試験当日の流れを説明します。
IELTS Online Listening/ Reading/ Writingテスト当日の流れ |
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IELTS OnlineのListening, Reading, Writingテストの各試験中は、指示があるまで「Exit(退出)」ボタンを絶対に押さないでください。
指示がある前に「Exit」を押すと欠席とみなされバンドスコアが出ません。
仮に試験終了時間より早く回答を終えても「Exit」は押さず、試験終了まで待つようにしましょう。
IDPの公式サイトにIELTS Onlineのチュートリアル動画も掲載されていますので、是非ご覧ください。
動画でわかる!IELTS Online操作方法~リスニング編~
動画でわかる!IELTS Online操作方法~リーディング編~
動画でわかる!IELTS Online操作方法~ライティング編~
2-3.試験結果
IELTS Onlineの試験結果もIELTSコンピューター版と同様にオンラインで結果を試験日から3~6日後に確認することができます。
結果の確認方法についてはIELTS Online受験後に登録されているメールアドレスに送られます。
しかしながら、IELTS Onlineでは紙の成績証明書(スコアシート)を発行していません。
そのため必要な場合は、PDFをダウンロードして印刷するか、成績証明書の追加発行申請をするようにしましょう。
3.IELTS Onlineのメリット
ここからはIELTS Onlineのメリットについて説明していきます。
IELTS Onlineのメリットは、
- 自宅で気軽に受験ができる
- すぐに結果がわかる
- IELTSの受験機会が増える
この3点です。
IELTS Onlineのメリットをそれぞれ見ていきましょう。
①自宅で気軽に受験ができる
IELTS Online最大のメリットと言っても過言でないかと思います。
わざわざIELTSテストセンターまで行く必要がなく、時間や交通費も節約できます。
また、自分の住んでいる場所の近くにIELTSテストセンターがない方も多くいらっしゃるかと思いますが、そのような方々にとって自宅でIELTSの受験ができるのは嬉しいポイントなのではないかと思います。
②すぐに結果がわかる
ペーパー版ですと約2週間ほど結果が出るまで時間がかかります。
ですが、IELTS Onlineでは最短3日で結果を知ることができます。
すぐに自分の実力を把握することができ、結果を把握した後、次の目標に向けて学習プランを立てやすくなるのではないかと思います。
また、思うようなスコアが出せなかったとしてもすぐに再受験することが可能です。
③IELTSの受験機会が増える
IELTSコンピューター版とIELTSペーパー版は、試験日程や試験会場が限られています。
そのためなかなか希望の日時で受験ができなかったり、試験会場から遠い方は時間をかけてIELTSテストセンターへ行く必要がありました。
ですが、IELTS Onlineであれば毎日開催されているため、都合のいい日にIELTS受験をすることができます。
急に留学や海外移住等が決まっても、IELTSの受験スケジュールを調整しやすいのは助かりますね。
このようにIELTS Onlineには魅力的なメリットがあります。
ですが、デメリットもありますので併せて紹介いたします。
4.IELTS Onlineのデメリット
次にIELTS Onlineのデメリットを紹介します。
IELTS Onlineのデメリットは、
- 一部の大学ではIELTS Onlineのスコアを認めていない
- トラブル発生のリスクがある
- 不正行為のチェックが厳しい
この3点です。
IELTS Onlineのデメリットをそれぞれみていきましょう。
①一部の大学ではIELTS Onlineのスコアを認めていない
実は、IELTS Onlineのスコアを認めていない大学や機関があります。
特にイギリスの大学や機関では認められていないところが多いようです。
そのため、自分がIELTSスコアを提出しようとしている大学や機関がIELTS Onlineのスコアを認めているかどうか、必ず事前に確認しましょう。
②トラブル発生のリスクがある
IELTS Onlineの受験は、インターネット環境や機器に左右されるため、必ずしもトラブルが起こるリスクは否定できません。
IELTS Onlineの受験中に通信障害などのトラブルで、試験が中断されてしまう可能性があるということです。
IELTS Onlineの受験中にトラブルが起きないよう、事前に環境チェックを行っておきましょう。
③不正行為のチェックが厳しい
IELTS Onlineの受験は、IELTSテストセンターではなく自宅で受験するということもあり不正行為を防ぐための監視体制がより厳格になっています。
ちょっとしたしぐさであってもAIに不正行為と判断された場合は、スコアが出ませんので細心の注意を払って受験するようにしましょう。
5.IELTS Onlineの不正行為について
IELTS OnlineはIDPが2022年以降に始めた自宅からIELTSが受験できるサービスで、IELTSテストセンターが近くにない受験者にとっては非常に便利なサービスです。
しかしながら、自宅でIELTSが受験できるということもありパソコンのシステムチェックや不正行為、カンニングのチェックが厳しくなっています。
不正行為の例として以下の点があります。
- 小型通信装置などのデバイスの装着
- ノートなどを使用して別の人から回答を得る
- 受験者でない人が受験者になりすましてIELTS試験を受験する
- IELTS試験の内容を不法に事前に入手
このような不正行為を防ぐために下記のようなセキュリティ対策がIELTS Onlineでは行われています。
- IDチェック:試験の予約時に使用した身分証明書の提示
- 安全なオンライン環境:IEPソフトウェアを使用して、コンピューターの一部へのアクセスを制限する
- カンニングや不正行為のチェック:AIと試験官の両方がカンニングなどの不正行為がないことや回答内容が盗作でないことや受験者自身の言葉で回答されているかを確認
IELTS Onlineを受験する際、カンニングや不正行為が疑われないように、
- AIや試験官が勘違いするような行動をしない
- 決められたルールはしっかりと守る
上記2点を心がけてIELTS Onlineを受験しましょう。
6.まとめ
IELTS Onlineは通常のIELTSとは異なり、テストセンターへ行く必要がなく、自宅でIELTS Academicが受験できるサービスです。
自宅で受験ができるため、IELTSテストセンターから離れた地域に住んでいる方にとっては非常に魅力的なサービスと言えるでしょう。
その反面、IELTS Onlineのスコアは一部の大学や機関では認められていなかったり、不正行為に対するチェックが厳しくなっています。
しかしながらIELTSコンピューター版、ペーパー版とテスト内容が変わることはないため通常のIELTS対策と同じ方法で問題ありません。
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