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IELTSのスコアは就職で役に立つ?|その他の英語試験との比較も解説

IELTS対策について

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「IELTS」を「海外大学・大学院への進学・留学」のために必要なスコアと認識している方が多いのではないかと思います。

また、IELTS General Trainingのスコアであっても海外就職のためにしかスコアを使えないと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、IELTSは日本国内での就職活動や転職活動の際に履歴書に書くと有利になる場合がありますので解説していきます。

1.IELTSは就職活動に有利?

結論から申し上げますと、IELTSは就職活動に有利です。
海外事業を展開している企業や海外に支社がある企業ですと、「語学が堪能な方」や「英語を話せる人材」として重宝される傾向があります。

また、日本国内で有名なTOEICはListeningとReadingの能力を測る試験が一般的ですが、IELTSはTOEFLと同様に4技能(Listening, Reading, Writing, Speaking)の能力を測ることができる試験です。
そのため、IELTSの方が高い英語能力を持っていることをアピールすることができます。

1-1.就職活動を有利に進められるIELTSスコア

IELTSスコアを使って就職活動を行う場合、どのくらいのスコアが必要なのでしょうか?
IELTSスコアが高ければ高いほど有利ではありますが、OA6.5以上もあれば英語を使った職場でのコミュニケーションも取れると判断される傾向があります。

しかしながら、多くの日本企業ではIELTSのスコアを重視していません。
TOEICやTOEFLのスコアを求める企業は多いですが、IELTSは日本国内での認知度がまだ低いため、スコア提出を求める企業が少ないです。

IELTSスコアを使用して就職活動を行うのであれば、海外展開している企業や外資系企業の日本法人などに志願することをおすすめします。
こういった企業の場合、IELTSのスコアを評価する傾向があります。
特に海外拠点での勤務を前提とした場合、OA6.0以上が求められると認識していると良いです。

そうはいっても日本企業でもIELTSスコアを評価してくれるところはあります。
英語力の証明としてIELTSスコアを使用したい場合、面接でTOEICやTOEFLを比較して説明するのも良いのではないかと思います。
就職活動でIELTSスコアを利用する際は、以下の表を参考にしてみてください。

  日本企業 外資系企業
必要なIELTSスコア
  • OA6.0以上
  • 事務職:OA6.0以上
  • 営業職:OA6.5以上
  • マネジメント職:OA7.0以上

1-2.なぜIELTSスコアが就職活動で役立つのか

なぜIELTSスコアが就職活動で役立つのかご紹介いたします。

IELTSスコアが就職活動で役立つ理由
  1. 日本企業内でも英語の使用頻度が高まっている
  2. ビジネスにおいて必要な英語4技能を測定できる
  3. 海外移住・海外就職できるレベルの英語力をアピールできる

1つずつ見ていきましょう。

①日本企業内でも英語の使用頻度が高まっている

IIBCというTOEICを主催する団体が行った「上場企業における英語活用実態調査(2013年)」によると約75%の企業が英語を使用していると回答しています。
また、英語を使用する部門・部署では「4技能のバランスが取れた英語力が必要」という結果も出ています。

そして、5割以上の日本企業が海外進出を成功させるための人材戦略として「海外勤務できる人材育成の推進」を最重要視しているというデータも出ています。

そのため、日本企業でも海外展開を視野に入れ始めているため、英語ができるグローバル人材の確保が急がれている現状があります。

②ビジネスにおいて必要な英語4技能を測定できる

ビジネスシーンでは英語が読めて、聴けるだけでは役に立ちません。
つまり、「聞く・読む・書く・話す」の4技能がそろわないとビジネスシーンでは役立つ人材とは言えません。

IELTSでは、「聞く・読む・書く・話す」の4技能の英語力が測れる試験となっています。
より良いスコアを獲得するために「聞く・読む・書く・話す」の4技能すべてを対策していくことになります。
その結果、英語の総合的な能力を身につけることができるため、ビジネスシーンでも役立つ人材として企業に自分自身をアピールできるようになります。

③海外移住・海外就職できるレベルの英語力をアピールできる

IELTSは海外移住や海外就職の際の英語力証明として採用されている英語試験です。
また、永住権申請の条件としてIELTSスコアの提出を求めている国もあります。
つまり、IELTSで一定のスコアを持っているということは、海外移住できるほどの英語運用能力を持っている証明になります。
英語を使う仕事はもちろん、英語を使わない仕事であっても英語力があるというだけで「仕事ができる人」と判断され、就職や転職活動が有利に働く場合があります。

1-3.IELTSとその他の英語試験を比較!就職活動で役立つ英語試験

IELTS以外にも就職活動で役立つ英語試験がありますので紹介します。

TOEFL

TOEFLはアメリカ国内の留学や進学を目的とする方が受験する試験です。
そのため、海外では有名ですが日本国内では認知度が低い試験となっています。
ですが、TOEFLのスコアを評価してくれる企業が全くないというわけではありません。

日本国内の一般企業でTOEFLを使う場合、日本人の平均的なスコアである70点を持っていれば評価してくれるでしょう。

外資系企業の場合、一般的な日本企業よりもTOEFLを評価してくれる傾向があります。
TOEFLのスコアは、80点くらいがアメリカの大学・大学院への入学が許可される基準ですので、就職活動の際も大体80点くらいを目安にしておくと良いです。

TOEIC

日本でも認知度が高いTOEICは、多くの日本企業の採用時に英語力の判断基準として用いられている英語試験です。

新卒で就職の際にTOEICを使用するのであれば600点以上、昇進で使うのであれば700点以上のスコアが求められます。

また、800点以上のスコアを持っていれば英語を使う業務へ異動できたり、就職できたりするチャンスが上がるでしょう。

しかしながら、外資系企業や海外企業ではTOEICを採用しているところが少ないので、将来海外で働きたい・外資系企業で働きたいと考えている方は、IELTSやTOEFLのスコアの取得をおすすめします。

英検

英検もTOEICと同様に日本国内での認知度が高い英語試験です。
英検は国内の高校受験や大学受験の際に用いられることが多く、入試において試験免除であったり内申点が加算されるといったことがあります。

国内受験で活用できる英検を就職活動に生かすとなると、最低でも2級は必要です。
また、TOEICのスコアも取得しているのであれば両方とも書いた方がより高い評価を得られる可能性がありますので、英検のみならずTOEICのスコアも取得しましょう。

以下に、IELTSとその他英語試験を比較した換算表を載せておりますので見てみてください。

IELTS CEFR TOEFL TOEIC 英検
9.0 C2 120
8.5 115~119
8.0 C1 110~114
7.5 102~109 970~990
7.0 94~101 870~970 1級
6.5 B2 79~93 820~870 1級
6.0 60~78 740~820 準1級
5.5 46~59 600~740 準1級
5.0 B1 35~45 550~600 2級
4.5 32~34 500~550 2級
4.0 31 450~500 準2級

出典:各資格・検定試験とCEFRとの対照表

上記の換算表を見ると、TOEICと英検で英語能力を評価するのに限界があります。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と比較すると、TOEICと英検はC1までしか英語能力を測ることができず、さらにその上の能力であるC2レベルの英語能力を証明することができません。

そのため、就職活動でより高い英語能力を証明したい場合はIELTSやTOEFLのスコアを取得しておくことをおすすめします。

2.IELTSスコアが評価されやすい業界・職種

ここからは、IELTSのスコアが評価されやすい業界や職種を紹介します。
IELTSのスコアは、英語力を求められる業界や国際的なビジネスの場で高く評価されます。

そのためIELTSのスコアは以下のような業界・業種で評価されます。

  • 外資系企業
  • 日系企業で海外支社を持つ企業
  • 海外営業・貿易事務・通訳など

ここからはそれぞれの業界について詳しく見ていきたいと思います。

2-1.外資系企業

一般的に外資系企業とは、外国の資本によって成り立っている企業のことを言いますが、
実は「外資系企業」に明確な法的定義はありません。

参考までにはなりますが、経済産業省が毎年実施している「外資系企業動向調査(2020年調査)」によると、

  1. 外国投資家が株式または持分の3分の1以上を保有している企業
  2. 外国投資家が株式または持分の3分の1以上を保有しており、国内法人が出資する企業

と定義されていますので、これを目安として考えて良いでしょう。
外資系企業の代表的な例として、

  • 外資系投資銀行:ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー
  • 外資系コンサルティングファーム:マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ
  • 外資系IT企業:Google、日本マイクロソフト

などがあります。

上記のような外資系企業に就職または転職されたい方も多いのではないかと思います。
その際に英語力の証明として必要になるのがIELTSのスコアです。

特に本社が英語圏にある外資系企業では、ビジネスレベルの英語力が求められます。
そのため高いIELTSスコアを持っていればより採用される確率が高まります。

外資系企業が求めるIELTSのスコアは、

  • 事務職:OA6.0以上
  • 営業職:OA6.5以上
  • マネジメント職:OA7.0以上

と言われています。
ただし、企業によって必要なIELTSスコアが異なりますので、募集要項などをしっかりと確認しておくようにしましょう。

2-2.日系企業で海外支社を持つ企業

日系企業で海外支社を持つ企業とは、日本企業でかつ海外進出をしている企業のことを言います。
また別の名をグローバル企業といい、日本におけるグローバル企業の特徴として、

  1. メーカーであること
  2. 老舗の企業であること
  3. 時価総額が高いこと

が上げられます。

日系企業で海外支社を持つ企業の代表的な例として、

  • 自動車:トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業
  • 商社:三菱商事、三井物産、住友商事
  • その他:キャノン、任天堂、ファーストリテイリング

などがあります。

上記のような企業では、現地法人やパートナー企業との英語での交渉・連絡が日常的に行われるため、英語力が重視されます。
また、このような企業ではビジネス英語だけでなく、幅広いコミュニケーション力が求められるためIELTSスコアが採用や昇進の重要基準になることも多いそうです。

IELTSのスコアを通じて実務に適切な英語能力を証明することができるので、日系企業で海外支社を持つ企業への就職の際にはIELTSスコアを持っておくことをおすすめします。

日系企業で海外支社を持つ企業へ就職や転職の際にIELTSスコアをアピールする場合は、OA6.0~6.5を持っておくと良いでしょう。

さらに入社した後もより高いIELTSスコア獲得を目指して、IELTS学習を続けることを推奨します。

2-3.海外営業・貿易事務・通訳など

最後に海外営業・貿易事務・通訳で必要なIELTSスコアを紹介します。

海外営業とは、日系企業の中で海外市場での販売促進・販路拡大を担う営業職を指します。
働き方としては

  • 海外駐在をして営業活動をする
  • 国内から海外企業に対して営業活動する

の2パターンあります。

そして、英語を使ってコミュニケーションを取らなければいけないので高い英語能力を求められるのは間違いないでしょう。

貿易事務とは、輸出および輸入に関する事務業務を行う仕事です。
具体的には、輸出入資料の作成をしたり通関手続きを行ったりします。

輸出入に関する英語の資料を作成できることに加え、貿易の流れや外国為替の理解が求められます。
そして、取引先や船会社、通関手続きを行う会社とのやり取りはすべて英語で行われるため高い英語能力を求められるでしょう。

通訳とは、日本人と外国人の言葉の橋渡しをする仕事です。
同時通訳を求められる場合も多々ありますので、スピーキングおよびリスニングの能力が重視されることがあります。
そのため、IELTSのオーバーオールバンドスコアだけでなくバンドスコアも詳しく見られる場合があります。

また、技術翻訳や医療通訳などの専門分野ではより高いIELTSスコアが求められるでしょう。

それぞれの職種で求められるIELTSスコアをまとめたので見てみてください。

  必要なIELTSスコア
海外営業 OA7.0以上
貿易事務 OA5.5以上
通訳 OA7.0以上

※上記3つの業務に関われる最低限のIELTSスコアを記載

貿易事務が一番低いIELTSスコアを提示しています。
ですが、ここで紹介しているIELTSスコアはあくまでも「最低限このIELTSスコアは持っていてほしい」と企業側が求めているIELTSスコアですので、より高いIELTSスコアを持っている人の方が採用されやすくなります。

そのため、最低限のIELTSスコアを獲得して今回紹介した職種に就職または転職するのではなく予め高いIELTSスコアを持っておくことをおすすめします。

3.就職活動でIELTSスコアを活かすためには

IELTSスコアを就職活動で活かすためには、履歴書の書き方や面接でのアピール方法を工夫することが大事です。

IELTSスコアをただ履歴書に記載すれば良いわけではなく、面接で具体的にどのようなスキルがあるかを示すと英語力をアピールすることができます。

また、面接官が必ずしもIELTSを知っているとは限りません。
そのためIELTSのスコアを書きつつ、面接でTOEFLやTOEIC、英検のスコアと比較してどのくらいのレベルがあるのか話せるようにしておくこともおすすめです。

3-1.履歴書へのIELTSスコアの書き方

では、実際にIELTSのスコアをどのように履歴書に記載していけばよいのか説明します。
書き方としては

パターン①:バンドスコアを含めて記載する方法
IELTS Overall 7.5(L: 7.5, R:7.5, W:8.0, S:7.5)取得
パターン②:バンドスコアを含めず、モジュールを含めて記載する方法
IELTS(Academic)7.5取得

上記の2パターンあります。

上記のように履歴書にIELTSスコアを記載をし、また余白があればIELTSスコア取得に向けた学習経験やそこで培った能力、学習意欲についても言及すると効果的ですので書いておくことをおすすめします。

3-2.履歴書へIELTSスコアを書く際の注意点

IELTSのスコアを履歴書へ書く際に2点注意しておく必要があります。

履歴書へIELTSスコアを書く際の注意点
  1. IELTSスコアの有効期限
  2. 履歴書へ記載するIELTSスコアのレベル

IELTSスコアの有効期限は2年間です。
履歴書に記載する前に有効期限が切れていないか確認しましょう。

履歴書へ記載するスコアについては、IELTSの受験経験があるだけでは評価されないため最低でもOA6.0以上のIELTSスコアを記載するようにしましょう。

4.まとめ

IELTSのスコアは、外資系企業や海外支社のある日本企業への就職の際に英語力の証明として使えるスコアです。

また、基本的にはIELTS6.0前後が求められますが、それよりもより高いIELTSスコアを持っていると入社後に昇進できたり、業務の幅が広がる可能性があります。

海外大学への進学や留学のみならず、IELTSのスコアは就職の際にも利用できますので社会人の方も自分のスキルアップのためにIELTSの対策をしておくことをおすすめします。

IELTS TRAINER PROでは、IELTSに精通した講師とのマンツーマンレッスンを提供しています。
また、アカデミックモジュールのみならず、ジェネラルトレーニングモジュールの対策も可能となっていますのでお気軽にお問い合わせください。

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