海外留学で奨学金をもらうために必要なIELTSスコアは?
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IELTSは、英語圏での留学や就労、移住を希望する方の英語力を測るための英語試験です。
そして、IELTSは「Listening, Reading, Writing, Speaking」の4技能すべてが試される試験であり、世界的にも有名な英語試験であるため、多くの方が受験をしています。
また、多くのIELTS受験者が留学に行く際に英語力の証明を目的として受験をしており、ある一定のスコアを超えると受験資格を得られたり、奨学金が出る場合もあります。
そこで今回は、どのくらいのIELTSスコアがあれば海外留学の際に奨学金がもらえるのかご紹介したいと思います。
1.海外留学時にIELTSは必要?
海外留学を考えている場合、IELTS*は多くの国や教育機関で英語力を証明するために必要とされます。
ほとんどの英語圏の大学や専門学校では、英語が母国語でない留学生に対し、入学時の英語力の証明を求めます。
IELTSはその主要な英語力の証明の1つであり、特に以下の国で認められています。
- イギリス(ビザ申請にも必要な場合がある)
- オーストラリア(学生ビザ申請にも有効)
- カナダ
- ニュージーランド
- アメリカ(TOEFLが主流ですが、IELTSも認められています)
また、IELTSは以下の理由から留学において役立つとされています。
- 英語力の証明
学術的な環境で必要な英語力(読む・書く・聞く・話す)の4技能を総合的に評価します。これにより、入学後も学習についていくための準備ができます。 - ビザ申請にも利用可能
一部の国では学生ビザ申請時にIELTSスコアの提出が求められることがあります(例:イギリスのStudent Visa)。 - 国際的な認知度が高い
世界140か国以上、11,000以上の機関で認められており、進学だけでなく、就職や移住にも活用できます。
そして、最後に留学に行く際に間違えないでほしいのがモジュールです。
IELTSにはAcademicとGeneral Trainingという2つのモジュールがありますが、留学をする際に必要なのはAcademicになりますので、間違えないように気をつけましょう。
2.IELTSとTOEFLの違いは?
IELTSとTOEFLの違いを以下に簡単にまとめさせていただきます。
IELTS | TOEFL | |
主な使用国 | イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカ | アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、一部アジア |
受験目的 | 英語圏の大学や教育機関への留学、就職、移住を目指す方が受験 | アメリカやカナダの大学・大学院への入学資格として受験 |
試験形式 | ペーパー試験(PBT)とコンピューター試験(CBT) | インターネット試験(iBT)のみ |
試験時間 | 約2時間45分 | 約2時間 |
スピーキング | 試験官と1対1の面接 | 録音形式(PCに話す) |
採点方式 | 0.0~9.0(0.5刻み) | 0~120点(各セクション30点) |
結果通知 | CBTは3~5日、PBTは13日程度 | 4~8日後にオンライン確認 |
試験の難易度 | 英語圏の日常生活+学術的な内容 | 大学での学術環境に特化 |
受験料 | 約27,500円~30,000円(国による) | 約275ドル(約40,000円) |
IELTSは、アメリカ以外の国(イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)で重視されるうえ、アメリカでも受け入れられている英語試験です。
そして、IELTSには大学・大学院留学用のAcademicと移住や就職用のGeneral Trainingの2つのモジュールがあります。
また、スピーキングは面接形式で行われるため、より実生活に近い会話能力が試される試験となっています。
反対にTOEFLは、アメリカで広く認められており、学術環境に特化した試験内容となっているため、大学での講義や討論を想定した問題が多いです。
そしてスピーキング試験はIELTSと異なり、試験官との対話はなくPCに話しかける形式で行われます。
どちらの試験も海外留学に行く際に使える試験ですが、英語試験を受験する目的や試験内容、受験料等も比較してご自身に合う方を選んで受験してみてください。
3.海外留学する際にどのくらいお金がかかるのか
ここからは実際に海外留学をするとどのくらいお金がかかるのか解説いたします。
海外留学には以下の4種類あります。
- 語学留学
- 大学留学
- 高校留学
- 専門留学
それぞれ留学形態や国、期間によっても金額が異なります。
<語学留学>
国名 | 1ヶ月 | 3カ月 | 半年 | 1年 |
アメリカ | 30~50万円 | 70~120万円 | 120~200万円 | 250~400万円 |
カナダ | 30~50万円 | 60~100万円 | 110~140万円 | 180~300万円 |
イギリス | 40~60万円 | 80~120万円 | 150~200万円 | 300~400万円 |
オーストラリア | 30~50万円 | 60~120万円 | 140~200万円 | 180~400万円 |
ニュージーランド | 25~30万円 | 60~70万円 | 100~130万円 | 250~270万円 |
<大学留学>
国名 | 短大 | 大学 |
アメリカ | 350万円~ | 560万円~ |
カナダ | 300万円~ | 550万円~ |
イギリス | 530万円~ | |
オーストラリア | 530万円~ | |
ニュージーランド | 520万円~ |
<高校留学>
国名 | 費用 |
カナダ | 350万円~ |
オーストラリア | 350万円~ |
ニュージーランド | 320万円~ |
<専門留学>
国名 | 費用 |
アメリカ(2年制大学) | 300万円~ |
アメリカ(専門課程) | 400万円~ |
カナダ | 310万円~ |
オーストラリア | 300万円~ |
ニュージーランド | 290万円~ |
上記表の金額はすべて学費のみで、それ以外にも「滞在費」「食費」「航空券代」「ビザ申請費用」「交際費」等は別で発生すると認識してしてください。
つまり、海外留学にはたくさんのお金が必要になるということになります。
こんなに費用がかかると多くの方が「お金がない」という理由で海外留学を断念してしまい、せっかく勉強したいと思っていたのにやめてしまうケースが多々あります。
そんな方々のために用意されているのが、「海外留学奨学金」です!
4.留学生を支援!海外留学奨学金とは?
海外留学奨学金とは、海外の大学や大学院、語学学校などに留学するための費用を支援する制度です。学費や生活費、渡航費など、留学にかかる経済的負担を軽減するために提供されます。
海外留学奨学金は以下の目的で設置されています。
- 優秀な学生の支援:学業成績が優れた学生の国際経験を促進する
- 国際交流の推進:文化や知識の交換を通じたグローバルな視野の育成
- 経済的支援:経済的理由で留学をあきらめる人をサポートする
基本的には海外へ留学をしに行く日本人を応援するために作られた制度ですので、留学に行くか迷っている方、そしてすでに留学に行くことを決めた方は海外留学奨学金を利用してみてください。
4-1.海外留学奨学金の注意点
海外留学奨学金を利用する際の注意点として3点ございます。
- 応募は年に1度だけ
- IELTSの等の英語資格のスコア以外にも条件がある
- 資金計画は余裕を持って立てること
海外留学奨学金は基本的に年に1回、または応募期間が限定されているケースも多々あります。
そのため、気づいたら奨学金の申請期間が終わっていたなんてことが普通にありますので早めに情報をキャッチするようにしましょう。
また、海外留学奨学金の応募条件には以下のようなものがあります。
- 学業成績
・高いGPA(例:3.0/4.0以上)が求められる場合が多い
・研究計画書やエッセイの提出が必要 - 語学力
・英語圏はIELTSまたはTOEFLのスコアが必要(例:TOEFL iBT 80点以上、IELTS 6.5以上等)
・非英語圏:現地の言語試験(HSKやTOPIK等) - 留学先・プログラム
・認定された海外大学や交換留学プログラムへの参加が条件 - 経済状況
・世帯収入に基づく審査がある場合もある
その他にも奨学金ごとに設けられている応募条件がありますので、詳細までしっかりと目を通してから応募するようにしましょう。
奨学金制度に応募する際に資金計画は入念に立ててからにしましょう。
応募段階では奨学金がもらえることは決まっていないため、奨学金が利用できる前提で資金計画は立てないようにしてください。
仮に奨学金を利用できたとしても海外留学の資金を奨学金でまかなえるのはごくわずかです。自分自身でもしっかりとお金を準備し、余裕を持って海外留学に行けるようにしましょう。
4-2.IELTSスコアで応募できる奨学金制度は?
最後にIELTSスコアを使って応募できる海外留学奨学金制度を紹介します!
1.日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度
概要:日本学生支援機構が提供する奨学金で、学部学位取得型、大学院学位取得型、協定派遣などのプログラムがあります。
必要な英語資格:
・IELTS 6.0以上(Academic)
・TOEFL iBT 80点
応募条件:
・学部学位取得型: 日本に在住し、高校卒業後、海外の大学で学士号取得を目指す方。
・大学院学位取得型: 日本の大学を卒業し、海外の大学院で修士号または博士号取得を目指す方。
・協定派遣: 日本の大学に在籍し、大学間協定に基づく交換留学プログラムに参加する方。
支援内容:
・学部・大学院学位取得型: 月額12万4,000円~32万6,000円の奨学金と16万円の渡航支援金。
・協定派遣: 留学先に応じて月額6万円~10万円の奨学金。
詳細はこちらから(2024年度の詳細となっています)
2. 柳井正財団 海外奨学金プログラム
概要:株式会社ファーストリテイリングの柳井正氏が設立した財団による奨学金で、海外の大学に進学する日本人学生を支援します。
必要な英語資格:
・IELTS 6.5以上(Academic)
※ただしIELTS試験を受験したことがない方でも応募は可能
応募条件:
・日本国籍を有する方。
・海外の大学に正規入学し、学士号取得を目指す方。
・高い学業成績と英語力を有する方。
支援内容:
・学費、生活費、渡航費などを含む総額最大2,000万円の支援。
3.経団連 - 日本人大学院生奨学事業
概要:将来、研究機関で研究者として活躍することが期待されている日本人の大学院生を対象に、海外の大学院へ留学するための奨学金を支給する事業です。
必要な英語資格:
・IELTS 6.5以上
応募条件:
・日本国籍を有する方。
・応募時に経団連の指定する大学院に在学中の方。
・海外の大学または大学院に1年以上留学した経験がない方
支援内容:
・年間500万円の一律支給(使用用途は就学先の学費、生活費等、留学にかかわる支出に限る)
5.まとめ
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
IELTSスコアを使用して海外留学奨学金に応募する際には最低でもIELTS 6.0は必要であることが理解いただけたかと思います。
また、IELTSのスコア以外にも必要な条件もたくさんありますのでしっかりと詳細まで確認しておきましょう。
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