IELTS 8.5レベルとは?|難易度やスコア獲得までのロードマップを解説
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海外留学や進学、移住や就職を目指される方の多くの方が「IELTS」という試験を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
中でも、スコア6.5〜7.5を目標とする方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、IELTS 6.5から7.5程度のスコアは海外の大学の入学要件を満たすための基準にすぎず、実際海外の大学で授業を受けるとなるとさらに上のレベルの英語力がないと授業内容が理解できない場合もあります。
そこで、今回は前回紹介したIELTS 8.0の1つ上の「IELTS 8.5」の難易度やスコア獲得までの学習方法を紹介します。
前回の記事を読んでいない方は、是非読んでから今回の記事を読んでください。
1.IELTS 8.5とは?そのスコアの意味
IELTS 8.5のスコアは、
- ケンブリッジ英検:200点以上レベル
- 実用英語技能検定(英検):1級より上
- TOEFL iBT:120点満点より上
- TOEIC L&R:990点満点より上
のスコアと同じ、またはそれよりも上の英語レベルとされています。
つまり、日本で有名なTOEICや英検よりも難易度が上なので、英語運用能力が非常に高いことを示しています。
IELTS 8.5のスコアは、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の表をみても最高位である「C2」に属するレベルです。
C2レベルとは、「英語を母語とする方々と同等の流暢さと正確さで、複雑な話題でも柔軟に対応できるレベル」とされているため、IELTS 8.5のスコアを取得していれば、海外の大学や大学院の授業内容も問題なく理解することができるでしょう。
IELTSのWritingやSpeakingでは、「言語能力」のみならず「回答の構成力や論理性」も必要とされるため、ネイティブでも8.5の取得が難しいです。
また、IELTS 8.5というスコアは多くの英語圏のトップ大学や大学院(オックスフォード大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学など)で必要とされるIELTSスコアを大きく上回るスコアです。
例えばオックスフォード大学やケンブリッジ大学では、一般的に7.0~7.5が必要ですが、8.5のスコアがあればほぼすべての学部で言語条件を満たすことができます。
つまり、IELTS 8.5があれば学びたい分野の選択肢を広げることができます。
海外大学や大学院進学のみならず、英語圏の移民申請の際もIELTS 8.5は大きなアドバンテージとなりますので、取得しておくことをお勧めします。
2.各セクションのスコア目安と対策ポイント
IELTSで8.5という高得点を目指すには、各セクションで非常に高い精度と安定性が求められます。
ここでは、各セクションのスコア目安と具体的な対策方法について解説します。
2-1.Listening
▷バンドスコア目安:8.5~9.0
オーバーオールで8.5を目指すためには、Listeningセクションで9.0(満点)を狙うつもりで学習する必要があります。
正答数としては、40問中38~40問正解しておくと良いでしょう。
つまり、ミスは1~2問以内に抑える必要があるということです。
▷IELTS Listening対策ポイント
- 問題パターンの把握:選択肢問題、記述式、地図問題など、IELTS特有の問題形式に慣れておきます。
- ディクテーション:細かい単語の聞き取りや音のつながりを意識して、1語ずつ正確に聞き取る練習をします。
- シャドーイング:スクリプトを見ずに音声をまねることで、リスニング力と発音が同時に鍛えられます。
▷ディクテーション・シャドーイングおすすめPodcast
Listeningでシャドーイングやディクテーションを行う場合は、スクリプトがある音源を使用してください!
※スクリプトがないものも多くあるので、ご注意ください。
2-2.Reading
▷バンドスコア目安:8.5~9.0
ReadingもListeningと同様に、9.0を狙うつもりで学習していきましょう。
Readingでは正確、かつ素早い読解力が求められます。
また、アカデミックモジュールの文章は難易度がジェネラルモジュールよりも高いですが、40問中38~40問正解しておく必要があります。
▷IELTS Reading対策ポイント
- 高速読解の訓練:スキミング・スキャニングの両方を使い分けられるようになる
- アカデミック語彙の強化:科学・歴史・環境系のテーマによく出る英単語を集中的に覚えるのが効果的
- 推論・同義語判断の練習:本文中の表現と選択肢の言い換えを正確に見抜く力が必要
Readingは、多くの日本人IELTS受験者の方に得意と言われているセクションです。
語彙をどれだけ知っているか、言い換え表現をどれだけ知っているかでスコアが大きく左右されますのでしっかりと学習しておきましょう。
2-3.Writing
▷バンドスコア目安:8.0~8.5
IELTSのWritingで8.5を取るためには「内容・構成・語彙・文法」のすべてでハイレベルなパフォーマンスを発揮する必要があります。
また、Task 1・Task 2のどちらかに偏らずバランスよく書けないといけません。
▷IELTS Writing対策ポイント
-
明確な構成力:段落構成を意識し、試験官から見て読みやすい論理展開をする
-
豊富な語彙と自然な表現:同じ表現・語彙の繰り返しを避け、様々な言い回しを使い分けることでハイスコアが出やすくなる
-
文法の正確さと多様性:複雑な文構造、正確な時制・関係詞・分詞構文などを適切に使いこなす
-
模範解答の分析:ハイスコア保持者のサンプルを分析して、自分の表現に取り入れる
IELTSのWritingはただ文章を書けばよいというわけではありません。
しっかりと問題を読み取り、正確な段落構成を意識して、多様な文法・語彙を使用できるように練習しましょう。
2-4.Speaking
▷バンドスコア目安:8.0~8.5
Speakingでは、流暢さ・自然さ・発音・語彙の幅が評価されます。
単純に正しい英単語・英文法を使用するだけでなく、やり取りの自然さや自信がある話し方をすることも大切です。
▷IELTS Speaking対策ポイント
- 流暢さと一貫性のトレーニング:話の途中で止まったり、言い直しが多すぎたりすると減点対象になるため、スムーズに話す練習を重ねる
- 語彙の幅と適切な表現:同じ単語・表現の繰り返しを避け、類義語やイディオムを使えるようにする
- 発音とイントネーション:こだわりすぎる必要はないが、音のつながりや抑揚を意識することで、聞く側の試験官にとって自然な英語として聞いてもらえる
- 録音練習:自分の音声を録音して聞き返し、改善点を明確にする
SpeakingはWritingと同様、独学が難しいスキルですのでIELTS対策スクールを頼ってみるのも良いと思います。
その際、英会話スクールではなくきちんとIELTS対策ができるスクールを選ぶようにしましょう。
IELTS 8.5は各セクションで、ほぼ完ぺきと言えるレベルが必要になります。
自分に合った学習方法と正しい戦略により、達成可能なスコアでもありますので是非皆様も挑戦してみてください。
3.IELTS 8.5の難易度と取得率
IELTS 8.5とは、非ネイティブの英語学習者にとって「ほぼ到達点」ともいえる非常に高いレベルです。
本章では、実際のスコア取得率や一般的な学習者にとっての難易度を解説します。
IELTS公式から出ているデータによると、日本人のIELTS受験者の中で8.5以上を獲得する割合は全体の1%と言われています。
この数字を見るといかにIELTSが難しい試験なのかがわかりますよね。
4.0以下 | 4.5 | 5.0 | 5.5 | 6.0 | 6.5 | 7.0 | 7.5 | 8.0 | 8.5 | 9.0 | |
日本 | 6% | 9% | 16% | 20% | 21% | 13% | 7% | 5% | 3% | 1% | 0% |
出典:IELTS公式「Demographic Data」
IELTSの平均スコアは、アカデミックモジュールで6.0~6.5、日本人IELTS受験者に限ると5.8前後が平均とされています。
この平均スコアを踏まえるとIELTS 8.5は2ランク以上も上に位置しており、相当勉強しないと取得が難しいスコアになります。
IELTSがここまで難しいと言われる理由は、
- 単語や文法の知識のみでは太刀打ちできない
- 英語で英語を理解する能力が必要になる
- 採点基準が厳格かつネイティブ基準に近い(特にSpeaking/ Writing)
の3つです。
知識として素晴らしい情報をたくさん持っていたとしても、その情報を即時にアウトプットする能力も持ち合わせていないとハイスコアを獲得することができないということです。
言い換えるとIELTSは英語能力のみならず、それ以外の能力も必要になるため難易度が高いと言われております。
4.IELTS 8.5獲得までのロードマップ
最後にIELTS 8.5獲得までのロードマップを紹介します。
IELTS 8.5は英語4技能すべてで高い完成度が求められますので、段階的な学習計画を立てて確実にスコアを取れるようにしましょう。
◆初心者(IELTSスコア5.0~6.0)
▷目標:英語の基礎力を向上させ、6.5以上へのステップを作る
▷学習の中心:
- 語彙力強化(まずは3000語レベルを目安に)
日常英語+アカデミック単語(IELTS必須語彙)を習得 - 英文法の徹底復習
時制・仮定法・関係詞などを正確に運用できるように - 英文解釈と読解トレーニング
英文構造をしっかり理解する力をつける(文法+構文を可視化する練習が効果的) - 英語を「聞き取る・話す」ための土台作り
中級者向けの音声教材で耳を慣らし、簡単なシャドーイングから始める
▷推奨期間の目安:3~6カ月(個人差あり)
◆中級者(IELTSスコア6.0〜7.0相当)
▷ 目標:各セクションの特徴と出題傾向を理解し、7.5以上を目指す
▷ 学習の中心:
- セクション別の戦略的対策
Listening:セクションごとの問題形式とパターンの習熟
Reading:速読力と設問スキャン力の訓練
Writing:タスク別テンプレート理解+自分の意見を論理的に表現する練習
Speaking:Part1〜3の流れを理解し、スムーズなやりとりを目指す - IELTS公式問題集の徹底活用+弱点分析
IELTS公式問題集を使って演習 → 自己分析 → 改善
特に間違えた問題の分析が重要で、なぜ間違えたかを言語化して次に活かす - 時間配分の訓練
特にReadingとWritingで「時間内にやり切る」練習が必須
▷ 推奨期間の目安:3〜6ヶ月(基礎ができていれば短縮も可能)
◆上級者(IELTSスコア7.0〜8.0相当)
▷ 目標:細部の精度を高め、安定して8.5を取れる実力へ
▷ 学習の中心:
- ライティング・スピーキングの微調整と洗練
文法・語彙の精度を高めるだけでなく、内容の論理性、構成、語調(formal/informal)なども磨く
Speakingでは、パート3の深い議論にも自信を持って臨めるよう「意見を支える理由」の展開練習を強化 - 模擬試験(模試)で実力確認と調整
定期的に本番形式で模試を実施し、セクションごとにスコアの変動や安定性を確認
弱点が出たセクションはピンポイントで対策 - ネイティブ・講師からのフィードバックを活用
特にSpeakingやWritingは、客観的なフィードバックが得られると効率が上がる
▷ 推奨期間の目安:2〜4ヶ月(誤差の微調整・運用能力の洗練)
初心者から上級者になるまですごく長い道のりに見えるかもしれませんが、正しい学習方法を行えば、IELTS 8.5を獲得するのは難しいことではありません。
皆様も一緒に目標スコア獲得に向けて、IELTS学習を頑張っていきましょう!
5.まとめ
今回も最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
IELTS 8.5というスコアは、他の英語試験と比較しても非常にレベルが高く、かつネイティブでも取得が難しいスコアです。
しかしながら、誰もIELTS 8.5を取得できないというわけではなく、適切なステップを踏めば誰でも獲得できるスコアでもあります。
IELTS 8.5を獲得するまでには相当な勉強量と時間が必要になると思いますが、最後まであきらめず学習を続けましょう。
IELTS TRAINER PROでは、IELTS 8.5を目指す方も対策が可能です。
ハイスコアを目指す方こそ、是非IELTS TRAINER PROでIELTS対策をしてみてください。