IELTS5.5の英語力や難易度は?勉強法・対策ポイントも解説
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IELTSスコア5.5を突破すると、海外の大学、大学院への留学や海外大学への交換留学、海外高校への進学などに生かせるメリットがあります。高校レベルの英語力をお持ちの方や、英検2級・TOEICスコアが550以上の方であれば、しっかりと勉強すれば、IELTSスコアが5.5を超える可能性は十分にあります。
当記事では、IELTSスコアの5.5はどのくらいの英語力・レベル感なのか、また5.5を突破するための勉強法や対策ポイントを詳しく解説します。
1. IELTS5.5はどのくらいの英語力・レベル感?
IELTSのスコア5.5とは、TOEIC® Listening & Reading Testで600~740点、TOEFL iBT®テストで46~72点、実用英語技能検定で準1級前後のレベルに相当します。
IELTSの科目毎のスコアは「バンドスコア」と呼ばれ、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能それぞれに対して、1.0から最高点の9.0まで、0.5刻みで判定されます。また、4技能のバンドスコアを平均したのが、「オーバーオール・バンドスコア(OA)」です。オーバーオール・バンドスコアの計算では、切り上げ・切り下げが適用されます。以下は、各バンドスコアと英語力の目安の表です。
バンドスコア ユーザータイプ 英語力の目安 9 エキスパートユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。 8 非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。
慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7 優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。 6 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、おおむね効果的に英語を使いこなす能力を有する。
特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5 中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。
自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションをとることが可能。
4 限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。 3 非常に限定的なユーザー 非常になれた状況において、一般的な意味のみ伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。 2 散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、きわめて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。 1 非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。 0 試験放棄 必要情報が提供されていない。
引用:IELTS「バンドスコア・採点方法」/引用日2023/10/19
2. 【科目別】IELTS5.5の難易度
IELTS Academic Moduleにおける、日本人の平均スコアは以下の通りです。
IELTS科目 | 平均バンドスコア |
---|---|
リスニング | 6.0 |
リーディング | 6.1 |
ライティング | 5.7 |
スピーキング | 5.5 |
オーバーオール | 5.9 |
出典:IELTS「テスト統計」
以下では、4技能それぞれのIELTSのスコア5.5の難易度について紹介します。
2-1. IELTSスコア5.5 リスニングレベル
IELTS Academic・IELTS General Trainingともに、リスニングは40問出題されます。40問中、18問〜22問を正解すると、IELTSスコアが5.5となります。
日本人のリスニング平均スコアが6.0であることを見ると、しっかり対策すればリスニングで5.5を取るのはそこまで難しくないでしょう。
2-2. IELTSスコア5.5 リーディングレベル
リーディングは、IELTS Academic・IELTS General Trainingで問題が異なるものの、設問数は同じ40問です。
スコア5.5を取るためには、Academic Readingの場合19問〜22問の正解数、General Training Readingの場合は27問〜29問の正解数が必要です。
2-3. IELTSスコア5.5 ライティングレベル
ライティングでスコア5.5を取るためには、ライティング評価基準タスク1とライティング評価基準タスク2の評価基準6と5の間のレベルにいなければなりません。
「語彙力」の基準で言えば、ある程度一般的ではない語句も適切な文脈で使用できる必要があります。「文法知識と正確さ」の基準では、簡単な構文だけでなく、関係詞などを取り入れた複雑な構文を使えると、5.5のレベルを超えやすくなります。また、「課題の達成度」、文章の「一貫性とまとまり」も評価基準となります。
2-4. IELTSスコア5.5 スピーキングレベル
スピーキングでスコア5.5を取るためにも、ライティング同様に、スピーキング評価基準における、評価基準6と5の間のレベルにいなければなりません。
たとえば「流暢さと一貫性」の基準では、話し続けるスピードが時折落ちるとスコア5.0になります。一方で、一貫性を時折失ったとしても進んで詳細に話せるとスコア6.0に達します。
3. IELTS5.5の難易度を他試験と比較
IELTSスコアの5.5の難易度を、英語に関する他試験のスコア・級と比較すると、以下の通りです。
IELTS | CEFR | 実用英語技能検定 | TOEFL iBT® | TOEIC® L&R/ TOEIC® S&W |
---|---|---|---|---|
5.5 - 6.5 |
B2 | 準1級 - 1級 |
46 - 72 |
1560 - 1840 |
出典:文部科学省「「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度~)」
※TOEIC® Listening & Reading Test・TOEIC® Speaking & Writing Testsは、TOEIC® Speaking & Writing Testsを2.5倍して、合算したスコア
CEFR(セファール)とは、ヨーロッパの言語学習、教授、評価のためのガイドラインとして設定されたフレームワークです。CEFRは、学習者が異なる言語のスキルを取得、強化、評価する際の共通の基準を提供することを目的としています。
A1(初級)からC2(上級)までの6つのレベルに分けられ、B2は「自立した言語使用者」にあたります。「抽象的な話題も含めて主要な内容を理解できる」「母語話者と、幅広い話題について流暢かつ自然に話せる」レベル感です。
4. 【科目別】IELTS5.5を取得するための勉強法・対策ポイント
最後に、IELTSでスコア5.5を突破するための勉強法や意識すべきポイントを解説します。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能ごとの傾向を掴みましょう。
4-1. IELTS5.5 リスニング
リスニングでは、正答率5割以上を目指さなければなりません。
まずは、日常生活に関わるトピックが多く出題されるパート1・パート2で確実にスコアを取ることを優先課題としましょう。パート4は学術的な内容になりやや難しめです。パート4だけに特化して対策するのではなく、パート1〜パート3の練習を継続し、基礎的なリスニング力を上げていくことが重要となります。
4-2. IELTS5.5 リーディング
リーディングでは、5~6割の正答率が求められます。
3つの長文が出題されますが、基本的に3つ目の長文が一番難しい傾向です。そのため、1つ目・2つ目の長文問題で確実にスコアを取ることを優先してください。スキミング、スキャニング、パラフレーズなどの必須スキルも習得しつつ、要約問題、マッチング問題、True・False・Not Given問題のような、問題タイプ別の対策も進めましょう。
4-3. IELTS5.5 ライティング
ライティングは「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」の4つの基準でスコアが決まります。
まずは、導入・本文・結論でどのような表現をすればいいのか、テンプレ表現やパラフレーズをしっかりと覚えましょう。その後は、タスク1で頻出の「グラフ・表」や、タスク2で頻出の「賛成・反対」「問題と解決策」など、タイプ別の演習を重ねましょう。
4-4. IELTS5.5 スピーキング
スピーキングは、「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法知識と正確さ」「発音」の4つの基準でスコアが決まります。
パート1やパート3の対策としては、複数の短文で解答することや、流暢性を優先課題として勉強しましょう。パート2では、2分間のスピーチの時間管理や、答案構成を作る練習が必要です。
また、スピーキングもある程度出題トピックが決まっています。学業・仕事、住居、未来の質問など、トピックごとに自分が話したい内容を整理するなど、頻出トピック別の対策も行いましょう。
まとめ
IELTSスコアが5.5を超えるためには、まずリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの試験科目の採点基準を理解し、英語力の土台を作ることが大切です。たとえば、リスニングやリーディングの場合は、パート1・パート2(1つ目・2つ目)で確実にスコアを重ねられるよう、重点的に取り組む必要があるでしょう。
独学でIELTSスコア5.5を突破することも可能ですが、IELTSの対策を専門にしているスクールを利用して、効率よく勉強するのも1つの手です。