IELTS 4.0からの学習方法|目標スコアごとに解説
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海外留学や進学にIELTSが必要と言われて、とりあえずIELTS本試験を受験してみたけれど、スコアが全然足りなくて困っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その上、これからどうやってIELTS対策をしていけばよいのかも、どのくらいIELTSの勉強をしなければならないのかもわからない方が多いと思います。
そこで今回は、IELTS 4.0のスコアを持っている方に向けて、今自分が何をすることができるのか、IELTS 4.0がどのくらいのレベルなのか、そしてIELTS 4.0からさらに上のスコアを目指していくにはどうすればよいのかお話しします。
1.IELTSとは?
IELTSとは、英語圏の国々への留学・移住・就労を希望する方が、英語力を証明するために必要な英語試験です。
世界ではTOEICや英検よりもはるかに有名で、将来海外で勉強したい方や仕事をしたい方にとっては必須の英語試験と言っても過言ではありません。
IELTSは4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を測るため、本試験の時間は約2時間45分となっています。以下がIELTS試験の内容です。
Listening | Reading | Writing | Speaking | |
時間 | 30分(40分) | 60分 | 60分 | 約14分 |
問題数 | 40問 | 40問 | 2問 | 3パート |
形式 | 記述/ 選択問題 |
記述/ 選択問題 |
エッセイ | 面接官と 1対1 |
リスニングに関しては、コンピューター形式では30分、ペーパー形式では解答転写時間が設けられているため試験時間は40分と設定されています。
そしてIELTS試験にはAcademicとGeneral Trainingという2つのモジュールがありますが、試験時間・問題数・形式は変わりません。
2.IELTS 4.0はどのくらいのレベルなのか
ここから本題に入っていきたいと思います。
IELTS 4.0は、簡単な話題の会話や文章の理解ができ、ある程度の意思を伝えることができるレベルです。
逆にこのレベルだと、専門用語や複雑な文章が混ざった時に、会話や文章を理解できない場合があります。
文章だとわかりづらいかと思いますので他の英語試験と比較してみると、以下のようになっています。
IELTS | CEFR | 英検 | TOEIC L/R |
TOEFL |
4.0 | B1 | 2級 | 595~450 | 71~42 |
英検でいうと2級、TOEICでいうと600点に届かないくらいのスコアになります。
2-1.各技能ごとのIELTS 4.0レベル
各技能ごとに、IELTS 4.0を獲得するために必要な正答数などの基準を紹介します。
まずリスニングでは、40問中10問正解できれば4.0レベルに到達することができます。
リスニングはモジュールに関わらず必要な正答数は同じです。
IELTSリスニングのPart 1を全問正解すると4.0を獲得することができる計算になっています。
リーディングは、Academicで40問中10問、General Trainingでは15問正解すると4.0を獲得することができます。
IELTSリーディングでは、Passage 1のうち3問程度正解できなくても4.0を獲得することができるという計算です。
ライティングは、リスニングやリーディングのように正答数でカウントするのではなく、「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」の評価基準で判断されます。
IELTS 4.0ですと、以下の通りとなります。
- 課題の達成度:課題に取り組もうとしているが不明瞭・不十分
- 一貫性とまとまり:情報や意見は出されているが、不明瞭・不正確
- 語彙力:基本的な語彙のみ使用できる
- 文法知識と正確さ:基本的な構文のみ使える
スピーキングもライティングと同様に正答数でカウントするのではなく、「流暢さと一貫性」「語彙力」「発音」「文法力」「正確さ」で判断されます。
IELTS 4.0ですと、
- 流暢さと一貫性:スピードが遅く言い直しが多い。文章をつなげても一貫性がない。
- 語彙力:身近なテーマについては話せるが、そうでないテーマは難しい。言い換えができない。
- 発音:発音は間違いが多く聞き取りもまだ困難。
- 文法知識と正確さ:基本的な構文は使用できるが、複雑な構文は間違いが多い。
となります。
ネガティブなことばかり書かれていますが、初めてIELTSを受験する方や英語学習経験があまりない方は、突然質問を試験でされるため焦ってしまう方が多いです。ですが、IELTS試験に慣れていくと問題なく話せるようになっていくのではないかと思います。
2-2.IELTS 4.0があれば何ができるのか
では実際にIELTS 4.0があると何ができるのか、紹介します。
まず、IELTS 4.0があると以下のような有名大学で優遇を受けることができます。
- 早稲田大学
- 明治大学
- 学習院大学
- 国学院大学
- 中央大学
- 法政大学
- 東海大学
- 関西学院大学
- 関西大学
詳細は以下のブログにも掲載していますので、読んでみてください。
しかしながら、海外大学への留学を希望する場合は最低でも5.0は必要になります。
そのため海外への留学を希望する方は5.0以上を目指すようにしましょう。
ただし、語学学校はIELTS 4.0のスコアでも入学できるところはたくさんあります。
例えば、IELTS TRAINER PROの提携校であるPINES International Academyでは、「IELTS Regular」というコースに入ることができます。
語学学校でIELTS対策をおこなって、ハイスコアを獲得後英語圏の大学へ進学する方も多くいらっしゃいますのでご安心くださいませ。
3.IELTS 4.0から目標スコア獲得までの学習方法
ここからは、IELTS 4.0から「5.5」「6.0」を獲得するための学習方法を紹介します。まずは各IELTS目標スコアの情報をお伝えする前にIELTS 4.0の時点で何をしておくべきなのか紹介します。
IELTSの試験は4技能を測るため、IELTSの問題集から手を付けてしまいがちですが、先に自分の英語の基礎力がどのくらいあるのか確認しましょう。
基礎力というのは、
- 基本的な文法力
- 基本的な単語力
- 基本的なリスニング力
この3つになります。
IELTS 4.0となると、まだ上記3つの力が十分に備わっていない可能性がありますので、英文法に関しては中学英文法から、英単語は大学受験用の英単語帳から始めても構いません。
リスニングに関しては最初からIELTSと同等のレベルの音声を聞くと難しすぎて挫折してしまう方もいると思いますので、簡単かつ短い長さの音声を使って聴きとる練習を始めましょう。
そして、この時点でIELTSの問題タイプについても知っておく必要があります。
例え解けなかったとしてもどのような問題タイプが出題されるかはこの時点で知っておくと、実際にIELTS対策に取り組む際、スムーズに学習を進めることができます。
3-1.IELTS 5.5を獲得するための学習方法
ここでは、IELTS 4.0(初心者レベル)から5.5を獲得するための学習方法を紹介します。
先ほどもお話ししたように、IELTS 4.0は、「簡単な話題の会話や文章なら理解ができ、ある程度の意思を伝えることができる」レベルと言われています。
ですが、IELTS 5.5になると「日常的な会話やビジネス上の基本的なコミュニケーションが可能で、リスニングやリーディングにおいては比較的簡単な内容であれば理解できる」と言われています。
つまり、IELTS 4.0から5.5になるとかなり英語力が伸びているのがわかります。そして、そのためには多くの勉強時間が必要となります。
一般的にIELTSを0.5上げるのに200~300時間かかると言われています。
そのため、IELTS 4.0から5.5にスコアを上げるまでに最低でも600~900時間は必要という計算になります。
中にはこんなに時間がかからない人もいれば、反対にもっと時間がかかる人もいますので、600~900時間勉強すれば必ず獲得できるという考えは持たないようにしてください。
ここから、IELTS 5.5を獲得するために何をしていけばよいのか技能ごとに紹介します。
【IELTSリスニング】
IELTSのリスニングで5.5を獲得するためには40問中16問正解する必要があります。(この正答数はAcademicでもGeneral Trainingでも変わりません)
そのため、まずはPart 1で失点をしないように何回も繰り返し練習しましょう。Part 1は他のPartに比べて簡単と言われているため、ここで満点を取るくらいの勢いでいることが大事です。
Part 1の練習方法として、
- ディクテーション
- 多聴
- 音源の要約
を行うことをおすすめします。
おそらく最初はどれも全くできない程難しいと思います。
音源のスピードが早かったり単語のスペルを知らなかったり等、最初は嫌になることもあると思います。
ですが、これらを行うことによってPart 1のみならずそのほかのPartも徐々に聞き取れるようになっていきますので根気強く続けることが大事です。
また、Part 1ではしっかりと聞き取れていてかつ意味も理解できていたのにスペルミスや単数・複数の間違いをしてしまうケースがよくあります。
そのためスペルミスや単数・複数の間違いを減らすべく、ただ聞くだけではなくしっかりとスペルの練習(書く)と単数・複数を聞き取る練習も併せて行ってください。
【IELTSリーディング】
IELTSのリーディングは、Academicで40問中19~22問、General Trainingで27~29問の正答数が必要になります。
そのためまずは、単語力を鍛えていきましょう。
IELTSのリーディングでは、IELTS特有の単語など、今まで聞いたことがない英単語がたくさん出てきます。
特にAcademicでは論文やニュースなどで出てくる英単語がたくさん出てくるため、難しい単語が多いです。
ですので、IELTS専用の英単語帳を1冊購入し毎日語彙力の強化をしていくことをおすすめします。
おすすめのIELTS英単語帳は以下の記事に掲載していますので、読んでみてください。
また、IELTSのリーディングでは言い換え表現がたくさん出てきます。
例を挙げると、
原文:
Many people do not consume enough fruits and vegetables, which leads to various health problems.
(多くの人が十分な果物や野菜を摂取しておらず、それがさまざまな健康問題を引き起こしている。)
言い換え:
A lack of fruit and vegetable intake is associated with numerous health issues.
(果物や野菜の摂取不足は、多くの健康問題と関連している。)
問題文では、原文の用に書いてる文章が本文では言い換え表現の文章が書かれていることがほとんどです。
ごくまれに同じ単語やフレーズが用いられていたりするのですが、ほぼ言い換えられていると思っていただいて問題ないです。
こういった言い換え表現に慣れるために、IELTS公式問題集を使って問題を解くことだけに焦点を置くよりは言い換え表現をひたすら探す練習もしてみてください。
徐々に慣れてくるとすぐに言い換え表現に気づくようになります。
また、文章を読みながらも言い換え表現がありそうな文章を見つけましたら、Chat GPTなどを使って調べてみましょう。
【IELTSライティング】
ライティングでIELTS 5.5を獲得するためには「問題文に関連していることを、Writing Task 1では150文字以上、Writing Task 2では250文字以上書くこと」が絶対条件です。
また、5.5を取るためにライティングの型を覚えておくことをおすすめします。
IELTS Writing Task 1のAcademicでは、データや地図、ダイアグラムを読み取って文章を書く必要があります。
その際、以下の型を使ってみてください。
- Intorduction(導入文)
- Overall(概要)
- Body 1(本文1)
- Body 2(本文2)
IELTSのWriting Task 2では、
- Introduction(導入文)
- Body 1(本文1)
- Body 2(本文2)
- Conclusion(結論)
の順番で書くと書きやすくなりますので練習してみてください。
そして型を覚えて満足するのではなく、とにかく英語で文章を書く練習をしてください。
英語で文章を書くことに慣れていないと、IELTS本試験当日全く文章を書くことができません。
【IELTSスピーキング】
IELTSスピーキングで5.5を獲得するためには、まずどんな質問であっても2~3文程度の文章で答えられるようにしましょう。
また、早く喋る必要はなくゆっくりでもきちんとIELTSの試験官に伝わる解答をすれば問題ありません。
IELTSスピーキングで絶対にやってはいけないことは、単語のみで答えること、短すぎて理由がないことです。
例えば、以下の質問がされたとします。
質問:
Do you prefer to live in a house or an apartment?
(家とアパート、どちらに住みたいですか?)
良い解答例ですと、理由を具体的に述べたエピソードもあったり、比較表現なども使っています。
良い解答例:
I prefer living in a house because it usually has more space and a garden, which makes it feel more comfortable. For example, I enjoy gardening, and having a backyard allows me to grow flowers and vegetables. Also, houses tend to be quieter compared to apartments, which can be noisy due to thin walls and shared spaces.
反対に悪い解答例ですと以下のようなものがあります。
❌ 短すぎて理由がない
⚠️ I like houses. They are nice.
❌ 文法ミスが多い
⚠️ I like house because big and good. Apartment is no good because small.
❌ 単調で発展しない
⚠️ I think houses are better than apartments. Houses have gardens. Apartments don’t have gardens. I like gardens.
悪い解答例にならないように練習する方法として、以下の練習方法があります。
- 英語を声に出して練習する(英語を声に出すことに慣れるため)
- 15~30秒一人で英語で話続けてみる(しゃべり続けることに慣れるため)
IELTSスピーキングで5.5を獲得するために是非やってみてください。
IELTS 5.5の難易度や勉強法をより詳細に記載した記事もありますので是非読んでみてください。
3-2.IELTS 6.0を獲得するための学習方法
ここではIELTS 6.0を獲得するための学習方法を紹介します。
IELTS 6.0は、「簡単な文章の組み立てが可能で、多少複雑な構成でも話せる能力を有している」レベルとなっています。
IELTS 4.0や5.5と比較すると何レベルも英語力が上がっていることがわかりますね。
そのためIELTS 4.0から6.0に到達するまでにかかる勉強時間は800~1200時間と言われています。
1日約3時間勉強をすると約1年でIELTS 6.0を獲得することができるという計算になります。
言い換えるとそれだけIELTSの勉強をしないと獲得するのが難しいスコアということです。
では、IELTS 6.0を獲得するためにどんな勉強をしていけばよいのか紹介していきます。
【IELTSリスニング】
IELTSのリスニングで6.0を獲得するためには、40問中23~25問正解しなければなりません。(AcademicおよびGeneral Trainingで必要な正答数は変わりません。)
IELTS 5.5を獲得するためにはPart 1は失点しないとお伝えしましたが、IELTS 6.0を獲得するためにはPart 1のみならずPart 2も失点しないようにしましょう。
そのために、ディクテーションのみならず英語音声を聞きつつ、真似して言葉を繰り返すシャドーイングにも挑戦してみてください。
慣れるまで苦労するかもしれませんが、ディクテーションよりすぐにできるようになると思います。
最初から長い文章に取り組まず、短い文章から取り組み徐々に長い文章へ移っていけるように練習してみてくださいね。
【IELTSリーディング】
IELTSのリーディングで6.0を獲得するためには、Academicで23問、General Trainingで30問正解する必要があります。
先ほど紹介した、語彙力を増やす・言い換え表現に慣れること以外に文中から特定の情報だけを見つけ出すために、拾い読みするようにして文章を読む「スキャニング」と文章の中の要点を素早く読み解き、文章の全体像をつかむ「スキミング」を取り入れてください。
これらを取り入れることで文章の理解度が格段に上がり、問題が解きやすくなります。
「スキャニング」と「スキミング」の練習のためにIELTS公式問題集を使用するのも問題ありませんが、不安な方は大学受験や高校受験用の文章などのIELTSの文章より短いものから挑戦してみても問題ありません。
【IELTSライティング】
IELTSライティングで6.0を獲得するためには、指定文字数を超えていることは絶対条件です。
そして、さらに5.5からパワーアップさせるために様々な単語や表現を用いてかつ正しいスペルと文法で回答文を作成する必要があります。
そして、文章の中で矛盾が発生していないことも重要です。
矛盾が発生している文章ですと、
例①:Many people argue that online education is more effective than traditional classroom learning. However, it is clear that online education cannot replace face-to-face interaction, which is the most effective way of learning.
➡問題点:最初の文で「オンライン教育の方が効果的」と述べているのに、次の文で「対面学習が最も効果的」と言っており、矛盾している。
例②:The government should increase spending on public transport to reduce traffic congestion. On the other hand, investing in road infrastructure is the best way to solve traffic problems.
➡ 問題点:最初の文では「公共交通機関への投資が渋滞解決策」と述べているのに、次の文では「道路インフラが最良の解決策」と言っており、論理が破綻している。
上記のような文章が矛盾が生じている文章となります。
これらを矛盾が生じていない文章にすると、以下のようになります。
例①:Many people argue that online education is more effective than traditional classroom learning. However, it is clear that online education still has some limitations, such as the lack of face-to-face interaction.
➡ 修正後のポイント:2文目では「オンライン教育の限界」に触れつつ、1文目の主張を完全に否定せずに補足している。
例②:The government should increase spending on public transport to reduce traffic congestion. At the same time, improving road infrastructure can also help alleviate traffic problems by ensuring smoother traffic flow.
➡ 修正後のポイント:両方の解決策を組み合わせて論理的に説明している。
IELTSのライティングでは、「逆説 (However, On the other hand)」を使うときに論理が矛盾していないかを必ずチェックすることが大切です。文章を書くときは、自分の主張に一貫性があるかを意識してみてください!
IELTS 6.0の難易度や対策方法の詳細を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
4.まとめ
IELTS 4.0は簡単な話題の会話や文章なら理解ができ、ある程度の意思を伝えることができるレベルと言われています。
そこから海外留学や進学、就職や永住権取得を目指すとなると5.5や6.0のスコアが必要になってきます。
IELTS 5.5や6.0を取得するためには、1日約3時間IELTS学習をして1年程度かかると考えておいても良いかと思います。
ですが、1日3時間も何を勉強すればよいのかわからないのではないでしょうか。
そこで、IELTS TRAINER PROではIELTS 4.0の人からでも対策を進められる「スタートコース」を提供しています。
また、4.5や5.0を獲得された方向けのIELTS対策コース「OA5.5突破コース」「OA6.0突破コース」も提供していますので是非無料カウンセリングへお越しください。