IELTS 4.5はどのくらいのレベル?|難易度や技能別の学習方法を解説
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IELTSは、英語圏への大学・大学院への進学または留学の際に英語力の証明として必要なスコアです。
また、留学・進学のみならず海外へ就職または永住権を取得される際の英語力の証明としてもIELTSスコアを用いることができます。
IELTSのスコアは1~9まで0.5刻みで評価されるようになっており、数字が大きければ大きいほど英語力があると認められます。
今回は、ちょうど中間地点であるIELTS 4.5のスコアについて紹介していきたいと思います。
1.IELTSのスコアの仕組み
IELTSは先ほども紹介したように4つのスキル(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)ごとに1~9の段階評価でスコアが出されます。
そして、IELTSにはバンドスコアと呼ばれる各技能ごとのスコアとオーバーオールバンドスコアと呼ばれる4技能の平均スコアを示したものがあります。
また、IELTSのスコアには有効期限があり、「2年間」とされています。
有効期限を過ぎてしまうと、そのIELTSスコアは無効となり大学・大学院、その他教育機関にIELTSスコアを提出することができなくなります。
そのため、目標IELTSスコアを獲得できたとしても有効期限が切れていると使えないため、定期的にIELTS試験を受験するようにしましょう。
1-1.IELTSのバンドスコア目安および評価基準
ここではIELTSバンドスコア目安と評価基準について紹介します。
IELTSのリスニングとリーディングは正答数によってバンドスコアが異なります。
【IELTSリスニングバンドスコア】
バンドスコア | 正答数(全40問) |
8.0 | 35問 |
7.0 | 30問 |
6.0 | 23問 |
5.0 | 16問 |
4.0 | 10問 |
リスニングに関してはAcademic、General Trainingに関わらず同じ正答数で同じバンドスコアになります。
【IELTS リーディングバンドスコア】
Academic・Reading | General Training・Reading | ||
バンドスコア | 正答数 | バンドスコア | 正答数 |
8.0 | 35問 | 8.0 | 38問 |
7.0 | 30問 | 7.0 | 34問 |
6.0 | 23問 | 6.0 | 30問 |
5.0 | 15問 | 5.0 | 23問 |
4.0 | 10問 | 4.0 | 15問 |
リーディングは、AcademicとGeneral Trainingで問題内容が異なるため同じ正答数であっても全く異なるバンドスコアが出ます。(おおよそ1.0スコアが異なる)
正答数でバンドスコアが判断されないIELTSライティングとスピーキングは予め決められている評価基準に沿ってバンドスコアが判断されます。
ライティングはAcademic・General TrainingともにTask 1とTask 2の2問で構成されており、Task 1は150字以上、Task 2は250字以上の文章を書く必要があります。
バンドスコアの出し方としては評価基準の「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」に沿っているかどうかで判断されるようになっています。
目標バンドスコアに達するためにはどのくらい書けていないといけないのか上記のURLから確認してみてください。
スピーキングは、Academic・General Trainingで同じ内容が出題され、Part 1からPart 3の3つのパートで構成されています。
また、スピーキングは試験官と個室で1対1で行われるため、緊張するかもしれません。
スピーキングもライティングと同様に正答数で判断されるのではなく、「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法知識と正確さ」「発音」の4つの評価基準で判断されます。
上記のURLに記載のある評価基準を参考にどれだけ話せれば目標のIELTSスコアに到達することができるのか確認してみてください。
2.IELTS 4.5の難易度
ここから本題に入り、IELTS 4.5の難易度についてお話していきます。
IELTS 4.5を他の英語試験と比較すると以下の表のようになります。
IELTS | CEFR | 英検 | TOEIC L/ R |
TOEFL |
4.5 | B1 | 2級 | 560-500 | 65-50 |
他の試験と比較をするとIELTS 4.5はよほど英語が苦手な人ではない限り、しっかりとIELTS対策をすれば獲得できるスコアと言えるでしょう。
また、大学で英語を勉強している方等ですと1回目のIELTS本試験で4.5を取得できる方もいらっしゃるのではないかと思います。
ここからは技能別の難易度を見ていきたいと思います。
リスニングのIELTS 4.5レベルは40問中10問~14問正解すると獲得できるスコアになります。
割合でいうと3~4割程正解するとリスニングで4.5を獲得することができる計算になります。
リーディングのIELTS 4.5レベルは、Academicで40問中13~14問、General Trainingでは40問中19~22問正解すると獲得できるスコアになります。
ライティングでは、以下の基準に達していれば4.5を獲得できると言われています。
- 課題の達成度:課題を大まかには取り組めているが、書式・形式が不適切 見解や要旨を記してはいるが不明瞭・不十分
- 一貫性とまとまり: 情報や意見はある程度整理されているが、不明瞭・不正確
- 語彙力:基本的な語彙は使用できるが、スペルや語形成は間違いが多い
- 文法知識と正確さ:基本的な構文は使用できるが、複雑な構文は限定的で間違いが多い
基本的なこと(問題内容を理解している、情報や意見がある、基本的な語彙の使用、基本的な構文の使用)ができていればライティングでは、4.5を獲得することができます。
スピーキングでは、以下のことができていると4.5を獲得することができます。
- 流暢さと一貫性:なんとか途切れずに話し続けられるが、連結詞などをうまく使いこなすことができない スピードが遅く言い直しが多い
- 語彙力:身近なテーマについては話せるが、そうでないテーマは語彙が少ない 言い換えに挑戦するが使いこなせない
- 発音:発音は間違いが多く聞き取りもまだ困難
- 文法知識と正確さ:基本的な構文は正確に使用できるが、複雑な構文は間違いが多い
スピーキングで4.5を獲得するには、「途切れずに話せるか」「身近なテーマについて話せるか」「基本的な構文が使用できるか」が重要になります。
IELTSの難易度について詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
3.IELTS 4.5はどのようなシーンで活用できる?
IELTS 4.5のスコアは国内の大学や海外のファウンデーションコースで活用することができます。
【日本国内の大学】
IELTS 4.5を取得していると以下のような日本国内の大学で優遇を受けることができます。
- 青山学院大学
- 学習院大学
- 法政大学
- 中央大学
- 日本大学
【海外のファウンデーションコース】
海外の大学へ入る前の準備段階のコースとして用意されている「ファウンデーションコース」にもIELTS 4.5のスコアで入ることができます。
- イギリス:IELTS 4.5以上(各技能4.0以上)
- ニュージーランド:IELTS 4.5~6.0程度
上記を目的とされている方はIELTS 4.5を目指すことをおすすめします。
4.IELTS 4.5を獲得するための学習方法
ここからはIELTS 4.5を獲得するための学習方法を紹介します。
IELTS初心者の方が4.5を目指す場合、約200~300時間のIELTS学習が必要だと言われています。上記の勉強時間には4技能の対策に加え、文法や語彙力強化も含まれます。
全体的な対策方法としては、
- 基礎文法力の強化
- 基礎英単語を覚える
といった基礎固めが重要になってきます。
英語の基礎を固める前に難しい文法に挑戦したり、難しい英単語を覚えようとしたりするとなかなか覚えられず途中で嫌になってしまうかもしれません。
また、基礎を固めずスコアが伸びたとしてもある一定のスコアまで行くとそこからスコアが伸びなくなってしまいます。
そのため、この時点で英語の基礎固めをきちんとしておきましょう。
英単語を覚える際はIELTS対策専用の英単語帳を使用し、英文法書は中学レベルからやり直していただいて問題ありません。
IELTS対策用の英単語帳をお探しの方は以下の記事を参考にしてみてください。
4-1.Listening 4.5を獲得するための学習方法
IELTS Listeningで4.5を獲得するためには、40問中13~15問の正答数が必要になります。
そのためPart 1は1問も落とさず、Part 2では半分正解できないといけません。
そのために行うこととして、
- 先読みをする癖をつける
音声を聞き始める前にどのような情報が必要になるか把握しておく - ラベリング問題を集中的に勉強する
リスニングのパート2では高い確率でラベリング問題が出題されるため対策をしておく - パラフレーズを理解する
IELTSではたくさんパラフレーズが用いられるため対策をしておく
上記の3点を行っておくことをお勧めします。
先読みをしておくことは、すべてのパートに活かされます。
音声が流れる前に問題を先読みしておくことで、音声が流れている間に解答をキャッチしやすくなります。
また、ラベリング問題は以下のようなものです。
このタイプの問題はIELTSのリスニングで頻繁に出題されるため、たくさんの種類のラベリング問題をこなしておくことでIELTS本試験で問題なく解けるようになります。
リスニングだけにかかわらず、パラフレーズを理解することはIELTS試験を行う上でとても大事です。
そのため1つの英単語または表現を学習したら、その都度似た意味を持つ別の単語表現がないか探して併せて覚えましょう。
IELTSリスニングの学習方法についてさらに詳しく知りたい方は以下のブログを読んでみてください。
4-2.Reading 4.5を獲得するための学習方法
IELTSリーディングで4.5を獲得するためには以下の学習が重要です。
- 時間配分の練習
- 様々な問題への対応
IELTSのリーディングは、3つのパッセージで構成されており、全部で40個の問題数が設けられています。
そのため、1つ目のパッセージで時間を使いすぎてしまうと最後まで解くことができなくなってしまいます。
最後まで解けるようにするには以下の時間配分で解けるように練習することをおすすめします。
- Passage 1:15分
- Passage 2:15分
- Passage 3:25分
※残りの5分は見直しの時間
最初のうちは上記の時間配分で解くのは難しいと思いますので、4.5を目指されている方はPassage 1と2のみに集中しても問題ありません。
また、IELTSのリーディング問題ではIELTS特有の問題が出題されます。
- TRUE/ FALSE/ NOT GIVEN(YES/ NO/ NOT GIVEN)
- Multiple Choice
- Completion Task
- Matching Headings
といった問題があります。
あまり他の英語試験で見られない問題タイプですので、しっかりと対策をしておきましょう。
IELTSリーディングの対策方法について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
4-3.Writing 4.5を獲得するための学習方法
IELTSライティングで4.5を獲得するために、まず初めにTaskごとのフォーマットや書き方を覚えましょう。
IELTS Writing Task 1では図や表、地図が出題されるため以下のフォーマットを使用すると書きやすくなります。
- 導入文(20~30ワード)
- 概要(20~30ワード)
- 詳細(100~120ワード)
IELTS Writing Task 2では、与えられたテーマに対して250字以上のエッセイを書く必要があります。
- 導入文(50ワード前後)
- 本文1+本文2(150ワード前後)
- 結論(50ワード前後)
上記のフォーマットを意識することで、英語を使った文章が書きやすくなります。
また、IELTSのライティングでは同じ表現・単語を繰り返し使い続けることはおすすめしません。
幅広い表現・単語を使うためにもより多くの表現を覚えましょう。
IELTSライティングの対策方法を深堀してみていきたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
- IELTS Writing Task 1:IELTSのライティングテスト・タスク1の書き方と役立つ表現を解説
- IELTS Writing Task 2:IELTSのライティングのタスク2とは?書き方や対策・注意点を解説
4-4.Speaking 4.5を獲得するための学習方法
IELTSスピーキング対策の第一歩として、まずは英語を話すところから慣れましょう。
普段から英語で話すことに慣れていないと、いざIELTS本試験で英語で話すとなったときに話せなくなってしまう方が多くいらっしゃいます。
また、自分のスピーキングを録音してみてください。
自分がどのような英語の発音をしているのか、正しい発音ができているのか確認するために録音をおすすめしています。
そして一番大事なのが、頻出問題を事前に解いておくことです。
事前に頻出問題を解いておくことで、どんな問題がIELTSスピーキングで出題されるか理解できるうえ、事前にアウトプットしておくことでIELTS本試験で同じ問題が出題された際にスムーズに解答することができます。
IELTSのスピーキング対策についてさらに知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
5.まとめ
IELTSで4.5を獲得するためには、英語の基礎をまず鍛えていく必要があります。
また、IELTSの問題の解き方を理解すること、そしてライティングに関してはフォーマットや書き方を覚えることも大事だとお話ししました。
しかしながら、インターネット上ですと様々な学習方法が掲載されており、結局どのように対策をしていったらよいのかわからない方も多いのではないかと思います。
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