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IELTSのスコアの仕組みや英語力・評価基準!平均スコアも紹介

IELTS対策について

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IELTSは、英語力を証明する国際的な試験の1つです。特に、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの英語圏への海外留学や就労・移住などの際に、よく使用されているテストです。TOEFL iBT®が主に使われてるアメリカにおいても、入学審査の際にIELTSを採用する教育機関が増えています。

当記事では、バンドスコア、オーバーオールスコアなど、IELTSのスコアの仕組みや基準などを詳しく解説します。

1. IELTSのスコアとは?

IELTS(International English Language Testing System)は、主に非ネイティブスピーカーの英語の能力を評価するための国際的な試験です。IELTSは、英語圏への留学や仕事・移住などの場面において、現地での英語のコミュニケーション能力を評価する目的で設計されています。

IELTSには、2つの受験方式があります。

■コンピューター形式:約2時間45分
  • リスニング(30分)
  • リーディング(60分)
  • ライティング(60分)
  • スピーキング(11~14分)
■ペーパー形式:約3時間
  • リスニング(30分+解答転写時間10分)
  • リーディング(60分)
  • ライティング(60分)
  • スピーキング(11~14分)

以下では、IELTSのスコアの仕組みを理解する上で知っておく必要がある「バンドスコア」と「オーバーオールスコア」について、詳しく説明します。

1-1. バンドスコア

IELTSのスコアは「バンドスコア」と呼ばれ、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能のスキルが、1.0(最低点)から9.0(最高点)までの0.5刻みの数値で表示されます。

各バンドスコアの解釈については、「IELTSの各バンドスコアが示す英語力レベル」の見出しで紹介しています。

1-2. オーバーオールスコア

4技能のバンドスコアの平均値(4技能のバンドスコアを合計して4で割った値)を、「オーバーオールスコア」と呼びます。オーバーオールスコアは、切り下げ・切り上げを行い算出します。下記は、オーバーオールスコアの計算例です。

  • リスニング : 8.0
  • リーディング : 7.0
  • ライティング : 6.5
  • スピーキング : 7.0

オーバーオールスコア

( 8.0+7.0+6.5+7.0)÷4=7.125

 ↓

オーバーオールスコア:7.0

2.  IELTSのスコアについての注意点

英語圏への留学や就職を控えておりIELTSのスコアが必要な方は、スコアについて事前に知っておくべき注意点がいくつかあります。以下では、スコアの有効期限と再採点の制度について紹介します。

2-1. スコアの有効期限は2年

IELTSのスコア(成績証明書)の有効期限は2年間です。つまり、IELTSのスコアを取得しても2年経つと、多くの学校や企業・組織ではそのスコアを有効な証明としては使えなくなるため、注意しましょう。

もし2年以上経過した成績証明書を利用したい場合は、IELTS受験後も自身で英語力の向上・維持に努めたことを証明する必要があります。

2-2. スコアに疑問があれば再採点も可能

IELTSのテスト結果に疑問を持った場合は、テスト受験日から6週間以内であれば再採点を申請することが可能です。手数料は税込15,000円で、もしバンドスコアが変更された際は全額が返金されます。

申請を行う窓口は受験したテストセンターです。たとえば海外で受験した場合でも、受験した現地のテストセンターに対して申請を行う必要があります。

なお、再採点の結果に対する、再度の採点依頼はできません。

3. IELTSのバンドスコアの目安と採点基準

IELTSの試験には、IELTS Academic(アカデミック)・IELTS General Training(ジェネラル・トレーニング)の2種類があります。以下では、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能について、バンドスコアの目安と採点基準を紹介します。

3-1. リスニング

IELTSのリスニングテストは、IELTS Academic・IELTS General Trainingともに共通しています。設問は40個で、1問正解すると1点獲得し、これが素点となります。素点の合計で、バンドスコアが決定します。

IELTSが示す、正解数とバンドスコアの平均点は下記の通りです。

バンドスコア 正解数(ロースコア、全40問)
8.0 35
7.0 30
6.0 23
5.0 16

出典:IELTS「バンドスコア・採点方法」

IELTSのリスニングは、特定の国の話者によって行われるのではなく、複数の国の英語スピーカーの音声を使用します。そのため、ノンネイティブのスピーカーの国や地域による英語のクセや、アクセントのなまりもさまざまです。

3-2. リーディング

IELTSのリーディングテストも、IELTS Academic・IELTS General Trainingで質問数は40問と同じです。一方で、試験内容や、バンドスコアと平均正解数の関係が異なります。

アカデミック・リーディング ジェネラルトレーニング・リーディング
バンドスコア 正解数(全40問) バンドスコア 正解数(全40問)
8.0 35 8.0 38
7.0 30 7.0 34
6.0 23 6.0 30
5.0 15 5.0 23
4.0 10 4.0 15

出典:IELTS「バンドスコア・採点方法」

IELTS Academicでは、主に書籍や雑誌、新聞などから抜粋された文章が使われます。一方で、IELTS General Trainingでは、日常生活や、仕事に関連する文章も含め、一般的なトピックに焦点が当てられています。

どのモジュールも実際に使われている文章から出題される点では、IELTS Academic・IELTS General Trainingともに同じです。

3-3. ライティング

IELTSのライティングテストは、IELTS Academic・IELTS General Trainingともに、タスク1とタスク2から構成されています。タスク1は150語以上、タスク2は250語以上を書く必要があり、これはIELTS Academic・IELTS General Trainingともに共通です。トピックや内容は、IELTS Academic・IELTS General Trainingで異なります。

IELTSのライティングは最低2人以上の試験官によって採点され、タスク1・タスク2ごとに1.0~9.0の評価基準が決まっています。具体的には、課題の達成度・一貫性とまとまり・語彙力・文法知識と正確さの4つの基準があります。

IELTSライティング評価基準ータスク1

IELTSライティング評価基準ータスク2

3-4. スピーキング

IELTSのスピーキングテストは、IELTS Academic・IELTS General Trainingともに、試験官と1対1の個室で行われます。試験は、自己紹介とインタビュー、スピーチ、ディスカッションの3つのパートで構成されています。試験官は受験者の英語能力とペースに合わせて話してくれ、必要であれば質問を繰り返してもらうことも可能です。リスニングに不安があっても、安心して受験できるでしょう。

流暢さと一貫性・語彙力・文法知識と正確さ・発音の4つの評価基準があり、その基準を元に、1.0~9.0のスコアが決まる方式です。

IELTSスピーキング評価基準

4. IELTSの平均スコア

IELTSは、国際的な試験の1つであるため、世界各国の方たちが受験しています。日本人は英語が苦手だと言われているものの、世界各国のスコアと比較すると、どの位置にいるのでしょうか。

以下では、男女別・国別のIELTSの平均スコアのデータを紹介します。

4-1. 男女別

男女別の、IELTS Academic・IELTS General Trainingにおける、平均バンドスコアは下記の通りです。(2022年の受験者の成績データ)

・IELTS Academic

性別 リスニング リーディング ライティング スピーキング オーバーオール
女性 6.51 6.26 5.95 6.17 6.28
男性 6.52 6.20 5.86 6.06 6.22

出典:IELTS「テスト統計」

・IELTS General Training

性別 リスニング リーディング ライティング スピーキング オーバーオール
女性 6.52 6.01 6.17 6.54 6.38
男性 6.45 5.95 6.02 6.37 6.26

出典:IELTS「テスト統計」

IELTS Academic・IELTS General Trainingどちらにおいても、女性のほうが若干平均スコアが高い傾向です。

4-2. 国別

国籍別の平均バンドスコアは下記の通りです。(2022年の受験者の成績データ)

なお、ここでは主要国を抜粋していますが、実際のデータでは30か国以上のデータを確認できます。

・IELTS Academic

国籍 リスニング リーディング ライティング スピーキング オーバーオール
イタリア 7.2 7.5 6.2 6.7 6.9
フランス 7.0 7.1 6.2 6.6 6.8
韓国 6.5 6.4 5.9 5.9 6.2
ベトナム 6.4 6.4 6.0 5.8 6.2
タイ 6.3 6.1 5.7 5.8 6.1
中国 6.1 6.4 5.8 5.6 6.1
日本 6.0 6.1 5.7 5.5 5.9

出典:IELTS「テスト統計」

・IELTS General Training

国籍 リスニング リーディング ライティング スピーキング オーバーオール
フランス 7.2 7.2 6.4 6.9 7.0
イタリア 6.6 6.4 6.0 6.4 6.4
中国 6.5 6.5 6.1 6.1 6.3
韓国 6.1 5.8 5.7 5.7 5.9
日本 6.0 5.7 5.7 5.7 5.9
ベトナム 5.9 5.7 5.9 5.6 5.8
タイ 5.3 4.9 5.3 5.3 5.3

出典:IELTS「テスト統計」

日本は、フランス・イタリア・中国・韓国などと比較すると、IELTS Academic・IELTS General Trainingともに、オーバーオールスコアが低い結果です。

また、どの国・どのレベルの受験者においても、ライティングスコアが最も低い傾向があります。ライティングのレベル向上に最も時間がかかることが示唆されます。

5. IELTSの各バンドスコアが示す英語力レベル

IELTSの各バンドスコアが示す英語力のレベルは下記の通りです。

なお、ライティングテストとスピーキングテストにおいては正誤方式ではないため、それぞれの評価基準も用意されています。

スコア ユーザータイプ 英語レベルの説明
9.0 エキスパートユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8.0 非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。
慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7.0 優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6.0 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、おおむね効果的に英語を使いこなす能力を有する。
特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5.0 中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。
自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションをとることが可能。
4.0 限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3.0 非常に限定的なユーザー 非常になれた状況において、一般的な意味のみ伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2.0 散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、きわめて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1.0 非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
0 試験放棄 必要情報が提供されていない。

引用:IELTS「バンドスコア・採点方法」/引用日2023/09/21

なお、IELTSの8.5-9.0レベルを取るためには、語学力だけでなく、ロジック(論理力)や、一般知識(社会、科学などの分野)、タイムマネジメント(時間管理能力)の能力も必要です。そのため、通訳なしに日常会話ができる英語レベルではなく、英語ネイティブであっても8.5以上を取得するためには対策が必要になります。

6. IELTSのスコアとほかの英語資格・検定試験との英語力の比較

文部科学省では英語の各資格・検定試験ごとの換算表を公開しています。換算表を確認することで、CEFR (※セファール)との対応や、ほかの試験ではどのレベルに当たるかなどを確認できます。

※CEFR:Common European Framework of Reference for Languages(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠のこと)

6-1. TOEIC®

TOEIC®(Test of English for International Communication)は、ビジネス文脈における英語のコミュニケーション能力を評価する目的で設計された試験です。日本でも有名な英語試験の1つで、世界中でも多くの企業や教育機関で使用されています。

IELTSとTOEIC® Testsのスコアの対応は下記の通りです。

IELTS TOEIC® Listening & Reading Test
TOEIC® Speaking & Writing Tests
9.0
-
8.5
-
8.0
-
7.0
1990
-
1845
6.5
-
5.5
1840
-
1560
5.0
-
4.0
1555
-
1150

出典:文部科学省「「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度~)」

※TOEIC® Listening & Reading Test・TOEIC® Speaking & Writing Testsは、TOEIC® Speaking & Writing Testsを2.5倍して、合算したスコア

6-2. TOEFL iBT®

TOEFL iBT®(Test of English as a Foreign Language Internet-Based Test)は、非英語圏の方を対象にした、アカデミックな環境での英語のコミュニケーション能力を測定するための試験です。

IELTSとTOEFL iBT®のスコアの対応は下記の通りです。

IELTS TOEFL iBT®
9.0
-
8.5
-
8.0
-
7.0
120
-
95
6.5
-
5.5
94
-
74
5.0
-
4.0
71
-
42

出典:文部科学省「「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度~)」

6-3. 実用英語技能検定(英検)

実用英語技能検定(英検)は、日本で開発され、実施されている英語の能力試験です。英検ではスコアが出るのではなく、1級~5級までの級で試験を受ける形式です。

IELTSのスコアと実用英語技能検定の対応は下記の通りです。

IELTS 実用英語技能検定
9.0
-
8.5
- -
8.0
-
7.0
3299
-
2600
1級
-
準1級
6.5
-
5.5
2599
-
2300
5.0
-
4.0
2299
-
1950
準1級
-
2級

出典:文部科学省「「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度~)」

6-4. CEFR

CEFRは、欧州評議会が発表した英語レベルの包括的な基盤を示す指標です。高いレベルからC2・C1・B2・B1・A2・A1までの、6段階に分かれます。

IELTSのスコアとCEFRの対応は下記の通りです。

IELTS CEFR
9.0
-
8.5
C2
8.0
-
7.0
C1
6.5
-
5.5
B2
5.0
-
4.0
B1

出典:文部科学省「「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度~)」

7. 海外の大学・大学院への留学で求められるIELTSのスコア

海外の大学や大学院への留学では、IELTSのスコアが求められるケースが多いです。また、IELTSのスコアのほか、GPAや経済力の証明も留学先によっては必要となります。

以下では、各国の大学や大学院への留学で求められるIELTSのスコアについて紹介します。

なお、どの国の大学・大学院においても学部によって異なるケースがあるので、あくまで参考としていただき、詳細は各大学のホームページで確認してください。

7-1. イギリスの大学・大学院

イギリスの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 最低限必要なIELTSのスコア
大学進学 大学院進学
オックスフォード大学 7.0 7.5
ケンブリッジ大学 7.0 7.0
インペリアル・カレッジ・ロンドン 7.0 7.0
ロンドン大学 6.5 6.5

イギリスの留学に際して、一般的に大学進学には6.5~7.0以上、大学院進学には6.5~7.5以上のスコアが求められるケースが多いです。

7-2. アメリカの大学・大学院

アメリカの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 最低限必要なIELTSのスコア
大学進学 大学院進学
マサチューセッツ工科大学 7.0 7.0
カリフォルニア工科大学 7.0 7.0
ハーバード大学 7.0 7.0
イェール大学 7.0 7.0

アメリカもイギリス同様、入学条件として比較的高いIELTSスコアを求めています。アメリカ留学はTOEFL iBT®のみを認める教育機関も多かったものの、現在はほとんどの大学・大学院でIELTSスコアを認定しています。

7-3. カナダの大学・大学院

カナダの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 最低限必要なIELTSのスコア
大学進学 大学院進学
トロント大学 6.5 7.0
ブリティッシュコロンビア大学 6.5 6.5
マギル大学 6.5 6.5
マクマスター大学 6.5 6.5

カナダの大学・大学院は、IELTSのスコアが6.5以上を基準としている機関が多い傾向です。

7-4. オーストラリアの大学・大学院

オーストラリアの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 最低限必要なIELTSのスコア
大学進学 大学院進学
メルボルン大学 7.0 7.0
オーストラリア国立大学 6.5 7.0
シドニー大学 6.5 6.5
クイーンズランド大学 6.5 6.5

オーストラリアの大学・大学院も、基本的にIELTSのスコアが6.5以上を基準としている機関が多いです。メルボルン大学やオーストラリア国立大学などの有名大学では、スコア7.0以上が要求されることがあります。

7-5. ニュージーランドの大学・大学院

ニュージーランドの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 最低限必要なIELTSのスコア
大学進学 大学院進学
オークランド大学 6.0 6.5
ヴィクトリア大学ウェリントン 6.0 6.5
オタゴ大学 6.0 6.5
カンタベリー大学 6.0 6.5

ニュージーランドの大学・大学院では6.0以上のスコアが求められ、オーストラリアの大学・大学院よりも求められるIELTSのスコアが低い傾向にあります。

7-6. マレーシアの大学・大学院

マレーシアの主要な大学・大学院で求められるIELTSのスコアは下記の通りです。

大学名 大学進学に最低限必要なIELTSのスコア
スウィンバーン工科大学サラワクキャンパス 6.5
マレーシア大学 6.0
大学院名 大学院進学に最低限必要なIELTSのスコア
ノッティンガム大学 マレーシアキャンパス 7.0
テイラーズ大学 6.5
アジア・パシフィック大学 6.0

上記の大学・大学院では、IELTSのスコアがやや高い傾向ですが、一般的にマレーシアの場合は、大学進学の場合は5.5以上、大学院進学の場合は6.0以上が目安とされています。

8. IELTSで日本の平均スコア6.0を目指すための対策

IELTSスコアの6.0は、日本の受験者の平均値であり、TOEIC®L&Rテストで780点前後、英検だと準1級程度に相当します。ここからは、IELTSスコアの6.0を目指すための対策法について解説します。

8-1. リスニング

IELTSのリスニングテストで6.0を取るためには、全40問のうち、23点〜25点を取る必要があります。

「日常会話」「日常生活に関連する説明やアナウンス」「学術的な場面での会話」「学術的な講演やアナウンス」の4つのパートがあり、それぞれ10題出題されるので、なるべく平均6問以上を取れるように勉強しましょう。特にパート1・パート2は、比較的点数を稼ぎやすいのでそこで正解を落とさないことがポイントです。

8-2. リーディング

IELTSのリーディングテストで6.0を取るためには、全40問のうち、IELTS Academicで23点〜26点、IELTS General Trainingで30点〜31点を取る必要があります。

試験時間が60分と短く、6.0を取れない方の中には試験時間内に文章を読み終えられていない人も多くいます。語彙力を高めて文章内で分からない単語の数を減らし、英文読解力・解釈力も一緒に身につけていきましょう。

8-3. ライティング

IELTSのライティングテストで6.0を取るためには、まずは課題の要件を理解し、それに取り組めている必要があります。また、情報や考えの配置に一貫性があり、文章全体に明確な連続性があることや、課題に対しての十分な語彙力も必要です。

複数の文章にミスがあると6.0を取るのは難しくなるため、定型文や定型フレーズはしっかりとマスターしておきましょう。

8-4. スピーキング

IELTSのスピーキングテストで6.0を取るためには、 テーマについて詳細に論じられるような幅広い語彙力を持っている必要があります。また、簡単な構文だけでなく複雑な構文の両方を使えることが要件です。関係詞や接続詞・仮定法などを復習し、さまざまな構文で話せるような練習も必要でしょう。

スコア6.0の場合、ネイティブのようなきれいな発音が求められるわけではないものの、試験官が理解しやすい発音を目指す必要があります。各単語の発音を確認し、発音自体で間違えることのないように音読を繰り返しましょう。

IELTSのパート別勉強法を解説|必要勉強時間や基本的な進め方も

9. IELTSでスコアを伸ばす勉強方法

最後に、IELTSでよりスコアを伸ばすための勉強方法について解説します。一般的には、スコアを0.5上げるために、200~300時間の勉強時間がかかると言われているため、目標スコアから逆算して、勉強時間を確保しましょう。

9-1. リスニング

IELTSのリスニングでは、選択肢から選ぶ問題・図や表、文章の空欄を埋める、書き込み問題・短い文章で答えを記述する問題など、複数の形式があります。まずは、IELTSの問題集や過去問を解いて、それぞれの問題の形式に慣れることが大切です。

また、IELTSのリスニングは出題されるトピックが多岐にわたるため、幅広い語彙や表現が出題されます。基礎的な語彙力の向上を図りましょう。

聞き取った音を実際に書き起こすディクテーションの練習を重ねると、IELTSのリスニングのスコアが伸びやすくなります。

9-2. リーディング

IELTSのリーディングは、文章の正誤問題・穴埋め問題・答えの場所を文中から探す問題などが出題されます。

特に、TRUE(YES)・FALSE(NO)・NOT GIVEN問題は、IELTS特有の問題形式です。基本的には先に設問に目を通しておいて、ある程度求められる情報を把握した上で本文を読み進めることがおすすめです。

一度解いてみた長文を復習する際には精読を行った上で読めない文があったかをチェックし、なぜ読めなかったのか・読み違えたのか、原因を必ず分析しましょう。読むことに慣れれば読むスピードも自然と上がっていくため、たくさんの文章・問題に触れ、文章から語彙力を身につけていきましょう。

9-3. ライティング

IELTSのライティングはタスク1・タスク2に分かれており、試験時間60分以内にこなさなければなりません。

IELTSのライティングでスコアをアップさせるためには、単文での表現ではなく複合文で表現できることが重要となります。また、things・stuffなどの抽象語句を多用せず、各トピックについての適切で具体的な語彙、アカデミックな用語を使用できると、スコアも伸びやすくなります。

導入文や要約説明、結論の各パートにおいて、汎用的なフレーズ(例:The chart compares the number of...、It is clear that...など)を複数覚えて、使いこなせるようにしておくことも重要です。

9-4. スピーキング

IELTSのスピーキングでは、文法や発音の正確さ、語彙力なども採点基準の1つですが、中でも流暢さが重視されていると言われています。IELTSでよく聞かれるトピックにしっかり回答できるようにすることが、基本的な対策です。たとえば、旅行、教育、家族関係、スポーツなどの話題などは頻出するトピックです。

その上で、幅広い文法構造を使って返答できたり、十分な長さで話せたりすると、スコアが伸びやすくなります。

また、少し返答を考えたい時に使えるフィラー(例:Let me think…、Actually…といったようなフレーズ )を覚えておくと返答に困ったときに便利です。

まとめ

IELTSのスコアは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能について、1.0から9.0までのバンドスコア(0.5刻み)で示されます。成績証明書には、4技能のバンドスコアの平均であるオーバーオールスコアと、4技能のバンドスコアが記載されています。

また、IELTSのスコアの有効期限は2年間です。ペーパー試験の場合は、試験結果が届くまでに2週間程度かかるので、留学や移住の際にIELTSが必要な場合は、結果が届くまでの期間を考慮して受験しておくようにしましょう。

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