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IELTSの科目別勉強法を解説|必要勉強時間や基本的な進め方も

IELTS対策について

目次
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留学や就職、移住に向けて、IELTSを受験しようと思っている方も多いでしょう。世界中で年間350万人以上が受験するIELTSは国際的な認知度があり、中でもIELTSアカデミックモジュールは、留学に必要な英語力があるか計測できます。留学条件として一定のスコア取得を条件としている大学が多いので、IELTS対策の際は目標スコアを目指して勉強する必要があります。

当記事では、IELTSの科目ごとの問題構成や勉強方法を詳しく解説します。スコアがどのように決まるかなどの基本的な事柄を解説するため、これからIELTSに挑戦する方もぜひ当記事をご覧ください。

1.IELTSとは?

IELTSとは、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどの英語圏に留学や就労、もしくは移住する方の英語力測定を目的とした英語試験です。「International English Language Testing System」の略称で、IELTS(アイエルツ)と読みます。

IELTSは近年において受験者数が増えている試験であり、2017年には世界中で約350万人以上の方がIELTSを受験しました。IELTSの受験者数が増えている理由は、下記のようなメリットがあるためです。

・国際的な認知度が高い

IELTSは世界140か国・11,000以上の機関が認定している英語試験です。国際的な認知度が高く、試験結果で示される英語レベルには高い信頼性があります。

・留学に必要

IELTSは英語圏に留学する際の英語試験として使われています。留学をするには、IELTSのアカデミック・モジュールで一定以上のスコア取得が必要です。なお、IELTSの試験には「アカデミック」と「ジェネラル・トレーニング」という2種類のモジュール(試験タイプ)があります。留学を目的とした場合に受験するべき試験はアカデミック・モジュールのほうです。

1-1.IELTSのスコア算出方法

IELTS試験に合格・不合格はなく、試験から算出されたスコアによって英語能力が示される仕組みです。

IELTSのスコアは、英語4技能における「バンドスコア」と、総合評価の「オーバーオール・バンド・スコア」で構成されています。

●バンドスコア

リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの各技能について評価したスコアです。スコアは最低の1.0から最高の9.0まであり、0.5刻みで算出します。

●オーバーオール・バンドスコア

英語4技能のバンドスコアを平均した値が、オーバーオール・バンドスコアです。バンドスコアと同様に1.0~9.0までの評価で、0.5刻みで算出します。

IELTSのスコアによる英語力の目安は、下記の通りです。

バンドスコア ユーザータイプ 英語力の目安
9 エキスパートユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8 非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。
慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7 優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、おおむね効果的に英語を使いこなす能力を有する。
特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5 中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。
自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションをとることが可能。
4 限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3 非常に限定的なユーザー 非常になれた状況において、一般的な意味のみ伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2 散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、きわめて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1 非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
0 試験放棄 必要情報が提供されていない。

引用:IELTS「バンドスコア・採点方法」/引用日2023/10/19

2.IELTSの基本的な勉強の進め方

IELTSの試験は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4科目で構成されています。科目ごとの試験対策が必要であるものの、全科目に共通している勉強方法もあります。

以下では、IELTSの全科目に共通する基本的な勉強方法を解説します。

2-1.現状のレベルを確認する

まずは自分の英語能力について現状のレベルを確認しましょう。現状のレベルが分かると目標を決めやすくなり、勉強の内容も明確化できます。

現状のレベルを確認するには、IELTSの公式模試試験である「IELTSプログレス・チェック」の利用がおすすめです。

IELTSプログレス・チェックはオンラインの模擬試験で、アカデミックとジェネラル・トレーニングのいずれかを選択して受験できます。評価・採点はIELTS公式試験官が行い、フィードバックレポートにより全体および科目ごとのバンドスコア目安が分かる点が特徴です。料金は、約50ドル(7,500円程度)です。

IELTSプログレス・チェックを受験することで、現状のレベルを確認できるとともに、本試験の出題形式や試験の流れも理解できるでしょう。

2-2.目標を決める

次に、IELTSの目標スコアを決めます。自分の現状レベルを考えながら、IELTSプログレス・チェックのレポートなども参考にして、目標スコアを決めることが大切です。

また、留学したい海外の大学や、就職したい企業がIELTSスコアを定めているケースもあります。留学したい学校、就職先が決まっている場合は、指定のIELTSスコアを最終目標にしましょう。

英語圏の大学に留学する場合はオーバーオール・バンドスコアで「6.0~6.5」以上、大学院に留学する場合は「7.0」以上が必要と言われています。

参考として、2022年度におけるIELTSの日本人受験者全体でのオーバーオール・バンドスコアの平均は5.9でした。留学に必要なIELTSスコアを取得するには、スコアアップのための勉強が必要であることが分かります。

出典:IELTS「Test statistics​」

2-3.学習プランを立てる

目標を決めた後は、学習プランを立てます。確保できる勉強時間の総量をおおまかに把握した上で、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4科目+単語の学習プランを考えましょう。

一週間の学習スケジュール例を紹介します。

曜日 学習内容
リーディングの回答(30分)・単語学習(30分)
リーディングの復習(30分)・単語学習(30分)
リスニングの回答と復習(60分)・単語学習(10分)
リスニングのスクリプト分析(30分)・単語学習(30分)
ライティング・スピーキングの回答(60分)・単語学習(10分)
全体の復習(60分)
スクールを受講(120分)

勉強はリスニング・リーディングから始めることがおすすめです。リーディングの勉強で、英語の語彙力や文法・構文の知識が身につくと、全体の英語学習を効率よく進められます。リスニングでは語彙力に加え、音読やシャドーイングで英語の音を聞き取る練習を行いましょう。

リスニング・リーディングを終えた後は、ライティング・スピーキングの勉強をします。語彙や文法に関する知識を身につけていれば、英語のアウトプットにかかわる勉強をしやすいでしょう。

また、単語の学習は単語帳を使用して継続的に行うことが大切です。英単語力が養われるほど、英語基礎能力は向上します。

3.IELTSリスニング試験の勉強方法

IELTS リスニングの試験内容はアカデミックとジェネラル・トレーニングで共通です。
なお、各パートの試験内容は下記の通りです。

  試験内容
問題数 40問
試験時間 30分+10分の転記時間(ペーパー版)/
2分の見直し時間(コンピューター版)
各パートと内容 パート1 2人の話者による日常的な会話
パート2 1人の話者による日常生活に関連する内容の説明
パート3 2~4人の話者による学術的な場面での会話
パート4 1人の話者による学術的なテーマについての解説

IELTSリスニング試験の問題形式は、下記の6種類があります。

  • 複数の選択肢から正答を選ぶ「多肢選択問題」
  • 複数の項目にそれぞれ当てはまるものを複数選択肢から選ぶ「マッチング問題」
  • 図表などのラベルを完成させる「ラベリング問題」
  • フォームやメモ・表・図の空欄を埋める「穴埋め問題」
  • 音声テキストの全文・または要約の空欄を埋める「文章完成問題」
  • 設問に対し、音声テキスト内の情報を使って短い回答を行う「ショートアンサー問題」

また、正答数に対するバンドスコアの評価基準も、アカデミックとジェネラル・トレーニングで共通です。

バンドスコア 正答数
9.0 39-40
8.5 37-38
8.0 35-36
7.5 32-34
7.0 30-31
6.5 26-29
6.0 23-25
5.5 18-22
5.0 16-17
4.5 13-15
4.0 10-12

以下では、IELTSのリスニング対策をするための勉強方法を紹介します。

3-1.ディクテーションを行う

ディクテーションとは、英語を聞きながら書き取りをする勉強法です。ディクテーションを行うと聞いた英語の音を正確にキャッチできるようになり、IELTSリスニング試験のときに余裕を持って解答できます

IELTSリスニング試験でパート1~4のリスニング音声は一度しか聞けません。

しかし、試験中にノートを取ることは許可されています。ディクテーションで書き取りの練習をしていれば、リスニング音声の聞き逃しをしにくくなり、正答率アップにつなげられるでしょう。

ディクテーションは、聞いた英語の全文を書き取れるようにすることが理想です。書き取りの精度が上がるほど、本番のIELTSリスニング試験で役立ちます。

3-2.シャドーイングを行う

シャドーイングとは、英語を聞きながら、すぐ後を追うように復唱する勉強法です。一文を聞き終えてから復唱するリピートとは異なり、英語を聞きながら同時に発音する必要があるため、リピートよりも難易度は上がります。

英語に慣れていない人は、リスニングで文章をすべて聞いてから意味を考える傾向があります。IELTSリスニング試験は音声を聞ける回数は1回のみで、回答時間が限られているため、英語を聞き取りながら理解する力が必要です。

シャドーイングを行うと、単語を1つずつ正確に聞く集中力が身につき、英語を聞き取るスピードが向上します。復唱するときに素早く単語の音を意味に変換できるようになれば、話し手が何を言おうとしているかも先読みして、設問の解答を考えやすくなるでしょう。

また、シャドーイングは正しい英語を発音する習慣ができ、スピーキング力の向上にもつながります。

IELTSリスニングの対策方法やスコアアップできる勉強法を解説

4.IELTSリーディング試験の勉強方法

IELTSリーディング試験の試験形式を紹介します。

  アカデミック ジェネラル・トレーニング
問題数 40問
試験時間 60分
パッセージ(長文)の数と内訳
  • 約900語程度×3
  • 約900語程度×1
  • 約500語程度×4

アカデミック・モジュールのリーディング試験は学術的な内容が多く、ジェネラル・トレーニング・モジュールでは日常生活で使われるやり取りが出題される傾向です。

IELTSリーディング試験におけるバンドスコアの基準は下記の通りとなっています。

バンドスコア アカデミック(正答数) ジェネラル・トレーニング(正答数)
9.0 39-40 40
8.5 37-38 39
8.0 35-36 37-38
7.5 33-34 36
7.0 30-32 34-35
6.5 27-29 32-33
6.0 23-26 30-31
5.5 19-22 27-29
5.0 15-18 23-26
4.5 13-14 19-22
4.0 10-12 15-18
3.5 8-9 12-14
3.0 6-7 9-11

以下では、IELTSのリーディング対策ができる勉強方法を解説します。

4-1.幅広い分野の文章を読む

IELTSリーディング試験で出題されるパッセージには、植物・動物や教育、歴史などさまざまな分野の文章が使用されています。どの分野の長文が出題されても読み進められるように、日頃から幅広い分野の文章を読むことが大切です。

幅広い分野の文章を読むと、分野における頻出単語や内容が理解できるようになります。読んだことのある分野と関連のあるパッセージが出題されれば、文章を正確に理解しやすくなって正答につなげられるでしょう。

英文の書籍・雑誌や新聞、学術論文などの文章がリーディングの学習におすすめです。

IELTSの長文リーディングテストの勉強法|出題傾向と対策も解説

4-2.速読の練習をする

IELTSリーディング試験では文章を何度も読み返していると時間が足りなくなるため、英文をスムーズに読み進められるように速読の練習をしましょう。

1分あたり何語のペースで読み進めていくかを設定し、語数の記録を取りながら文章を読むと速く読む癖がつけられます。速読によって文章の読み返しを減らすことで、リーディング試験の時間管理に役立ちます。

また、同時に英語の文章を正しく理解できるように、語彙力も高める必要があります。

4-3.時間を意識する

IELTSリーディング試験では、60分の試験時間中に用意されたパッセージを読み、40問の問題に解答する必要があります。本番の試験で時間が足りなくなる事態を避けるため、学習段階で時間を意識することが大切です。

例としてIELTSリーディング試験のアカデミックであれば、約900語のパッセージ1つにかけられる時間は20分が目安です。問題文を読みながら回答するところまでを、1つのパッセージあたり20分以内に終わらせられるように読み進めましょう。

学習段階で英文を読む時間を意識していれば、自分が英文を読むスピードが十分に速いかどうかが分かり、速読の必要性も理解できます。

5.IELTSライティング試験の勉強方法

IELTSライティング試験の試験形式は下記の通りです。

  アカデミック ジェネラル・トレーニング
問題数 2問
試験時間 60分
設問の内容 タスク1 グラフや表の情報を要約(150語以上) 手紙/メールの作成(150語以上)
タスク2 特定のトピックについてのエッセイ作成(250語以上)

他の科目とは異なり、タスクで指定した課題に応じて適切な英文を自分で作成する必要があります。

また、採点基準が明確な点も特徴です。IELTSライティング試験では、下記の4つの採点基準にもとづき、各バンドスコアに求められる基準を満たしているかどうかが確認されます。

採点基準 主な評価点
課題の達成度 全ての課題への取り組み、明確な答え・結論を記述しているか
一貫性とまとまり 接続詞の自然な使用や、適切な段落分けがされているか
語彙力 幅広い語彙を使用し、適切な表現や言い回しがされているか
文法知識と正確さ さまざまな構文を使用でき、文法に誤りがないか

IELTSライティングは日本も含めて世界中でバンドスコアが低い傾向にあり、難易度が高い科目です。一定以上のバンドスコアを取得するには、集中的なライティングの勉強が必要となるでしょう。

以下では、IELTS試験のライティング対策法を4つ紹介します。

5-1.文章構成スキルをあげる勉強をする

採点基準の「一貫性とまとまり」で段落分けについて言及されているように、IELTSライティング試験では英文の段落分けが重要となります。読みやすく、全体の流れにまとまりがある文章を書けるように、文章構成を考えて勉強をしましょう。

IELTSライティング試験では、文章構成はおおむね下記の流れで、3〜4つの段落に分ける必要があります。

第一段落 導入文
第二段落 説明文(1)
第三段落 説明文(2)
第四段落 結論

回答内容の構成に合わせて適切な段落分けをして、順序を立てて文章を書かなければ、ライティングのバンドスコアは伸ばせません。日頃から出題されやすいトピックについて、英文で段落分けをしながら書く練習をしましょう。

5-2.テンプレートを活用する

IELTSライティング試験はタスク1・タスク2ともに出題形式が決まっています。答え方もある程度は決まっているため、テンプレートを活用することが可能です。

例として、アカデミック・モジュールのタスク1についてテンプレートを紹介します。

●アカデミック・モジュール(ライティングタスク1)のテンプレート

第一段落 課題で扱っている情報は何かを説明する
第二段落 課題の全体的な傾向や数値の推移を説明する
第三段落 課題内で顕著に変化している部分を、数字を含めて説明する
第四段落 課題内の数値を比較し説明する

テンプレートを活用することで、設問の対象となっているグラフや指定トピックについて短時間で効率的に回答ができ、ライティング全体の評価を高められるでしょう。

IELTSのライティングテスト・タスク1の書き方と役立つ表現を解説

IELTSのライティングのタスク2とは?書き方や対策・注意点を解説

5-3.インプットを増やす

採点基準の1つである「語彙力」の評価を高めるには、多くの英単語・熟語、フレーズの知識を身につけ、正しい使い方をする必要があります。インプットを増やす勉強法は、語彙力を伸ばせるおすすめの方法です。

IELTSの参考書や問題集には、ライティングの英文作成に使える構文や、エッセイの例が記載されているケースがあります。数字の推移や比較を説明したり、トピックについての意見を主張をしたりするフレーズを覚えておくと、自分の考えをアウトプットする際に活用できるでしょう。

5-4.添削を依頼する

文章構成の改善点や英文法の間違いは自分自身ではなかなか気付けないため独学でライティングスキルを伸ばすことは難しいです。正しい文章構成スキル、文法力を身に着けるには、作成した英文の添削を第三者に依頼しましょう。

添削サービスやスクールの講師に依頼すれば、費用はかかるものの精度が高い添削を期待できます。可能であれば、IELTSライティングの採点基準に精通した方に依頼することがおすすめです。

添削をしてもらった後は、自分が間違えていた文章を見直し、正しく書けるようになるまで文章作成を繰り返します。

IELTSライティングテストの対策方法|目標スコア別の勉強法も

6.IELTSスピーキング試験の勉強方法

IELTSスピーキング試験は3つのパートに分かれていて、試験形式は下記の通りとなっています。

なお、試験形式はアカデミックとジェネラル・トレーニングで共通です。

  試験内容
パート数 3パート
試験時間 11~14分
各パートと内容 パート1 自己紹介とインタビュー(4~5分)
パート2 タスクカードのトピックに沿ったスピーチ(3~4分)
パート3 スピーチの内容についてのディスカッション(4~5分)

IELTSスピーキング試験で難しいのは、スピーチを行うパート2と、試験官とディスカッションをするパート3です。

スピーチの回答を決めるタスクカードは時事・トレンドに関連したトピックが出題されやすい傾向があります。日頃から社会問題に関する話題に関心を持ち、英語で話すことを意識したほうがよいでしょう。

また、IELTSスピーキング試験では下記の採点基準に沿って、バンドスコアの評価が行われます。

採点基準 主な評価点
流暢さと一貫性 言葉に詰まらず答えて、適切な接続詞を使用できているか
語彙力 トピックに合った語彙を柔軟に、かつ適切に使用できているか
文法知識と正確さ さまざまな構文を自然に、かつ正確に使いこなせているか
発音 無理なく理解できる発音で話しているか

以下では、IELTSのスピーキング対策になる勉強方法を紹介します。

6-1.結論から答える癖をつける

試験官の質問にテンポよく答えられるように、スピーキングの勉強では結論から答える癖をつけましょう。

IELTSスピーキング試験では、パート1とパート3で試験官と複数回の質疑応答を行います。もともとの試験時間が4~5分と短く、試験官が話す時間も含まれているため、受験者はテンポよく答えなくてはなりません。

結論から答える癖が身についていれば、試験官の質問に対して求められる結論から簡潔に答えられます。補足するべき情報は、結論を述べた後に続けて話しましょう。

6-2.頻出問題を知っておく

IELTSスピーキング試験の各パートには、試験官から質問されやすいトピックやスピーチのテーマになりやすいトピックなど、頻出問題があります。頻出問題を知っておくと、事前に回答の内容やキーワードを準備した上で回答ができるため、スピーキングのバンドスコア向上につながります。

パート1を例を挙げると、「住んでいる場所」や「学業・職業」、「趣味」などが頻出問題です。頻出問題についてはあらかじめ答えを用意し、正しい発音や文法表現ができるように勉強しましょう。

また、パート3ではパート2のスピーチについて深掘りする質問がされます。試験官の質問では5W1Hがよく使用されるため、それぞれの質問文に対する答え方も考えておきましょう。

6-3.話し方を意識する

試験官が聞き取りやすいスピーキングをするには、話し方を意識することが大切です。

正しい文法で論理的にスピーキングができていても、聞き取りにくい小さな声だったり口ごもったりしていると、流暢さや発音で減点対象となる可能性があります。

試験官ときちんとコミュニケーションを取る意思があると示すために、聞き取りやすい声量ではっきりと話すことを意識しましょう。試験の場では背筋を伸ばし、試験官の目を見て答えるなど、話すときの姿勢にも注意してください。

自分の話し方を改善するには、IELTSスピーキング試験のサンプル動画を見たり、自分の回答を録音したりすることも有効です。

6-4.使えるフレーズを覚えておく

IELTSスピーキング試験では、聞かれた質問に対してなるべく流暢に話す必要があります。話す内容を考える時間を作りつつ、流暢さを損なわないためには、使えるフレーズを覚えておくことがおすすめです。

スピーキングで使えるフレーズとしては、「ディスコースマーカー」が挙げられます。

ディスコースマーカーとは、英文の流れを示すフレーズのことです。理由を説明する「because」や反対意見を挙げるときの「but」、情報を追加するときの「in addition」などが、ディスコースマーカーの例です。

ただし、特定のフレーズばかりを使用していると「流暢さと一貫性」・「語彙力」の評価が下がる可能性があります。使えるフレーズをなるべく多く覚えて、内容に合ったさまざまなフレーズを使えるようにしましょう。

IELTSのスピーキング対策をパート別に解説!スコアアップのコツも

7.IELTSの受験に必要な勉強時間は?

目標のIELTSスコア達成のために必要な勉強時間は、現状の英語力と目標スコアまでの距離によって異なります。自身の英語力と目標スコアの差が大きいほど、多くの勉強時間が必要です。

現状の英語力がオーバーオール・バンドスコア5.0~5.5相当であり、オーバーオール・バンドスコア6.0~6.5を目指す場合は、約300~900時間が勉強時間の目安となるでしょう。オーバーオール・バンドスコアを0.5上げるには、約200~300時間が必要と言われています。

また、現状の英語力が高くても、オーバーオール・バンドスコア7.0以上を取得するにはより多くの勉強時間がかかります。高いオーバーオール・バンドスコアの取得にはいかにミスを減らすか、幅広い単語やフレーズを使えるかが重要であり、勉強するべき範囲が広がるためです。

必要な勉強時間が把握できると、受験までの日数で割ることで1日・1週間あたりに必要な勉強時間が設定できます。例として受験が6か月先であり、必要な勉強時間が300時間であれば、1日あたり約2時間の勉強時間が必要です。

1日の中で勉強に割ける時間が限られている方は、1日あたりの勉強時間だけでなく、学校の休みや有給、土日を含め1週間もしくは1ヶ月単位で勉強時間の目標を設定することがおすすめです。どうしても期限までの勉強時間が取れない場合には現実的な目標スコアを定める方法もあります。

8.IELTSの勉強は独学でもできる?

IELTSの勉強は、参考書・問題集などの教材を使用すれば独学でもある程度はできます。

しかし、独学ではライティング・スピーキングの十分な対策ができません。ライティング・スピーキングの試験で評価されるアウトプットにおいての文法知識や発音の正しさは、参考書を見たり問題集を解いたりするだけでは身につかないためです。

IELTS対策の中でも、ライティング・スピーキングの勉強をするには、スクールの受講がおすすめです。スクールでIELTS講師、英語講師に指導してもらうことで、正しく書く・話すスキルが身につき、ライティング・スピーキングのスコアアップが期待できます。

スクールによっては、入会時に自分の英語レベルを測れるところもあります。自分の英語レベルを把握することで、IELTSの目標スコア達成に必要な指導コースを選べるでしょう。

まとめ

IELTSにはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのテストがあり、目標スコアを達成するためにはまず現状の自分のレベルを把握する必要があります。また、目標スコアに必要な勉強時間を把握し、計画を立てて勉強を進めていきましょう。

ただし、ライティングやスピーキングなど、独学よりもスクールを利用したほうが勉強しやすい科目もあります。オンラインスクールを使うことで比較的リーズナブルに勉強を進められるため、IELTSで目標スコアを達成したい方はぜひスクールの受講も検討してください。

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